もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

5人の元総理の愚行

2022年02月03日 | 野党

 総理経験者5人が、EU委員会に原発肯定方針撤回を求める書簡を提出したが、その内容に科学的知見を無視した事項が含まれていると報じられた。

 問題視されているのは、「(福島の原発事故で)多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ・・・」との部分で、環境省が反論文を出すなどの混乱が広がっている。
 福島県の小児甲状腺がん多発について調べてみると、2011年の原発事故から4年後の2015年に「福島の子供たちの間で、甲状腺がんが他の地域の20-50倍に上がっている」との研究が発表されたことに始まり、諸外国は「福島県産品」の輸入禁止を継続して、中国・韓国は現在もその措置を継続している。
 研究が発表された後、多くの研究者が被ばく線量推計や統計技法に疑問を唱えるとともに、福島県(県民健康調査検討委員会)はもとより国際原子力機関や国連科学委員会といった国際機関の評価部会も一様に「小児甲状腺の多発と放射線被ばくとの関連は認められない」と結論して、漸くにEU・台湾・東南アジアが福島県産品の輸入を解禁したものである。
 以上の経緯を眺める限り、ある研究者が「実効線量で年間5ミリシーベルトを超える一般住民はほぼ皆無で、CT検査によっても7ミリシーベルト被ばくすることを考えれば、福島の子供への健康被害は考えられない」、「福島の小児甲状腺がんは「無害な甲状腺がん」を、精密な検査によって他の地域よりも多く発見しているにすぎない」、「研究の妥当性と政府に対する批判の妥当性が混在している結果」としているのが公約数であるように思える。
 5氏署名の書簡によって中韓の福島産品対応は勢いづいて、風評被害は再び蔓延するかもしれないが、本日書きたいのは「老害」についてである。
 元総理5人(菅直人、小泉純一郎、細川護熙、鳩山由紀夫、村山富市)は、在任中は原発容認の電力行政責任者であり、「福島原発事故はその延長線上に起きたもの」であることを考えれば、君子(誰も該当しそうにないが)豹変としても素直に耳を傾ける気になれない。特に、菅直人氏については、事故当時の首相補佐官であった細野豪志議員(現・自民党)ですら「避難区域設定の責任者であり、真に原発事故と相関性があるのなら政治責任を優先すべき」と述べているのが全てであるように思う。
 屈辱外交の実績で唾棄される国内と反比例に韓国で評価される鳩山・村山氏、今もって御殿様の腰だめ気分の細川氏、手のひら返しで息子進次郎を困らせる小泉氏、まさに老害の極致であるように感じられる。

 アメリカの元大統領は、トランプ氏を除いて退任後は政治や市民運動とは距離を置いた財団の理事長に収まって捨扶持を得る傍らで回想録を執筆するのが一般的とされている。さらに、回想録においても刑罰を伴う守秘義務があるとは言え、アメリカの国益を貶める暴露的な内容、外国要人の評価・好悪などは書かないことが不文律で、その範囲内で国民も社会的な優遇を容認している。
 ゴア氏が環境活動家に転身できたのは、彼が副大統領であったためであり、もし大統領経験者であれば彼の行動は決して国民からの支持を得ることはないように思える。
 「自身の晩節を汚す」以上に、かって自分が経綸に当たった国家を貶めることに余生を捧げる5氏を見ると、生を全うすることの難しさを痛感するところである。