シャルダンの静物画が好きである。
ジャン・シメオン・シャルダン(1699(元禄12)年ー1779(安永8)年)は、ロココ時代のフランスの画家であり、日本では赤穂浪士・忠臣蔵討ち入りの時代に当たる。
ウィキペディアで略歴を辿れば、19歳で歴史画の工房に入って画業に手を染め、その後師匠を代えて静物画の助手を勉めて研鑽したとされている。
1728年(29歳)に「赤エイ」で認められて王立絵画彫刻アカデミーの正会員とり、1733年(34歳)頃からは食卓の情景やカード遊びに興じる子供などセーヌ左岸(中流家庭)の日常生活を主題とする風俗画の作品が増え始めたとされている。
1752年(53歳)以降、国王の年金を受け、1755年からはアカデミーの会計官・サロンの陳列委員、1757年にルーヴル宮殿にアトリエ兼住居を授かったが、歴史画に最高の価値が置かれていた当時、風俗画家としては異例の名誉であったとされている。
現存する作品数は201点とされているが、家族の不幸や会計官解任等によって晩年は不遇であったとされている。
現在シャルダンは風俗画家と区分けされているが、自分は青壮年時代の静物画の方が好きである。
本日掲載する静物画「赤エイ」には猫が描き込まれているが、「サザエさん」的な意味ではなく、当時の静物画には動物(死んだ獲物を含む)を同時に描くことが不文律であったことに依っている。そういえば、下級工房員であった若き日のダヴィンチが、担当して師匠の絵に描き込んだ犬が、師匠の絵全体よりも評価されたとの逸話もある。
なお、最後にオチがついているので、最後までのご高覧を希うものである。
洗濯女(エルミタージュ蔵) 食前の祈り(エルミタージュ蔵)
代表作よりもこちらの方が好み
赤エイ(ルーヴル美術館蔵) ザクロとぶどう(所蔵先不明)
模写(1991年/絵画教室前)
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