ネット上の黒塗り国勢調査票について立憲民主党の真山勇一議員が「100%支持する」とツイートしたことが報じられた。
真山議員の主張は「政府提出の資料には【のり弁】資料が多いので、国勢調査に対しても【のり弁】回答が許される」と云うものであるらしいが、例えれば「A君に車をぶつけられたので、車を持っている人はA君の車にぶつけて欲しい」と云うもで、国会議員としての資質はもとより、成人としての自覚をも疑えるものであるように思う。
自分を含め大多数の国民にとって国勢調査による恩恵は実感できないものであるが、社会福祉制度や文教政策を決する上での基礎資料として有効に活用されているのだろうと思っている。
国勢調査の未提出や虚偽記載については「6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」刑が科せられると統計法に定められているがこれまで刑罰を科せられたことは無いこと、未提出者や誤記入者に対しては、総勢で5万人にも及ぶ国勢調査員が複数回訪問して督促したり訂正を求めることを今回初めて知った。このように努力されている国勢調査であれば完璧な資料が集まっているものと思っていたが、100%(回答率86%という情報もあった。)とは言えないようである。
近年は国勢調査員を騙る詐欺や、住民基本データの転記などのルール違反も発生しているが、とりわけ個人情報保護を理由とする回答拒否が増えているようである。そのために、インターネットによる回答が導入されたが、前回では40%程度にとどまり今回も政府が期待した50%には届かないだろうとされている。調査項目が如何ほど個人情報に踏み込んでいるか調査票を眺めてみるが、余程後ろ暗い生活を送っている人を除いて50万円以下の罰金を覚悟しても回答を拒否する程のものは無いように思える。ヨーロッパ諸国でも日本と同様の問題で調査に支障が出ているため、正確性に勝る全数調査を諦めて国が保有する各種のデータを合わせて統計をとる「レジスター方式」に移行しているとされていたが、マイナンバーと各種データが連接している国では可能な方式もIT後進国日本では実現不可能であるように思える。
冒頭の真山議員に罪に問われるのかと考えた。議員自身は既に国勢調査票を提出しているので統計表の罪科には抵触しないし、公務執行妨害は脅迫・暴行が無いと適用されないようなので同罪には問えず、また公務執行妨害には教唆の罪状もないように思われるので、真山議員は罪に問えないように思えるが、国の定めたルールを破ることに賛意を表明することは、国会議員としては不適切の誹りを免れないように思う。
立憲民主党は政権交代に耐えうる政党に変化したと枝野代表は大見えを切っているが、身内議員が国の施策に公然と反意を示すことを推奨することは法治国家では如何なものであろうか。この風潮が是認されるならば、立憲民主党が政権を奪取した暁には強烈なブーメランとなって返って来ることは確実であるように思うが、立憲民主党にはこのような事態(政権奪取)が絶対に起きないことを確信しての行動であると思えば納得もできる・・・。
以前に「5年ごとの国勢調査の結果を基に作成・公表される完全生命表」を見たいものと書いたことがあるが、完全生命表作成には武漢ウィルスの感染をも厭わぬ国勢調査員の活動があることを知った。私宅に調査票を届けてくれた調査員も幼児を負ぶっていたこと思い出して、国勢調査員の努力に敬意を捧げるとともに、調査と調査員を足蹴にするかの真山議員の人間性を嫌悪するものである。
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