ロシアが、原油・天然ガス・兵器(ロケットエンジン)の決済をルーブルで行うとしたことが報じられた。
自分の財布すら管理できない経済音痴・無知の自分は、ロシアがドル建て債の償還・利払いをルーブルで行うと発表した際には「紙くず同然のルーブルで・・・」と書いたが、この事態では世界的な必需品である原油や天然ガス、特定国には死活の意味を持つ兵器を買うためにルーブルが必要となるので、ルーブルは為替市場で一定の価値を持ち続けることになるのだろう。もしかすると、ルーブルが国際通貨としての価値を一層高めることになるのかもしれない。
自分は、経済制裁にも必ず掟破りの国や企業が現れるので効果は限定的と思ってきたが、今回のロシアの対応を見て、経済制裁を無力化するためには掟破りに期待するのではなく、借金を武器に自国通貨を流通させ、自国通貨なしでは必要なものが手に入らないということでその価値を高めるという積極・反攻の手法があることを知った。
改めて、これまでに国際的な経済制裁を科された国を見ると、北朝鮮は中国・韓国・シリアなどの国々の掟破りを得て核・ロケットという恫喝手段を獲得し、シリアはロシアの属国に甘んじることで、イラン・ベネズエラは原油資源で、それぞれ生き永らえているが、ロシアの手法が功を奏した場合、経済制裁は武器としての価値を更に失うように思える。
また、ロシアは撤退した外国企業の資産を国有化するともしているので、大戦後に韓国が接収した日本資産が韓国自立の出発点となったことを思えば、ウクライナ事変後にあってロシアは自動車の一大生産国に変貌するかもしれない。
ウクライナの戦況は、ウクライナ軍がロシア軍の一部を後退させるとともに大型揚陸艦を撃沈したものの、ロシアは非戦闘員の殺戮を躊躇しないという悪名高いシリア・チェチェン義勇軍を投入し、非人道兵器の燃料気化爆弾・クラスター爆弾・白リン弾・対人地雷の使用に加えて生物・化学兵器の使用すら計画中と伝えられるなど、なお予断を許さない状況である。
G7首脳会議は対ロ制裁強化で一致し、兵器・軍需品の支援を拡大しているが、今回のルーブル防衛策で経済制裁の効果が半減している現状を見れば、G7・NATO諸国は効果的な支援強化を迅速に遂行する必要があるように思うが、素人には「いかようの策があるのか」残念ながら見出せない。