今季のカープの展望を占った。(本日に限り選手の呼び捨てにお許しを)
オープン戦の戦績は5勝9敗2分で、9位であった。鈴木誠也の穴は短期間で埋められるべきもなく、順当な成績かと思っているが、気になる点は、失点74(最下位)、防御率4.70(最下位)、盗塁2(最下位)という数字である。イチローの名言「足と守備にスランプは無い」に表されるように、打撃や投球はシーズンを通して好調であることは希で、その場合も何とかして出塁できた走者を、足を絡めた攻撃でホームに迎え入れ、鉄壁の守備で1点を守り切るというカープ野球がすっかり影を潜めている。さらにバント攻撃等の多彩な攻撃が無く単調な攻撃に終始していたのは、オープン戦という事情を差し引いても、些か心配である。
打撃陣では、ドラ3の中村健人にはひ弱さが感じられ、オープン戦でほぼ全試合に出場した、ドラ6の末包は昨シーズン終盤に失速した阪神の佐藤輝明を思わせ・育成の持丸は支配下登録ならなかった。
投手陣は、新戦力の台頭もなく昨年と同程度かと思いたいが、森下・栗林に昨年ほどの輝きは無いように見受けられ、即戦力と期待したドラ1黒原もまだ時間が必要である。
MLBの事情で頓挫していた鈴木誠也のカブス入りが、歴代の日本人野手の最高年俸契約で実現した。高橋健、黒田、マエケンに続くカープ4人目のメジャー挑戦であるが、侍ジャパンの4番・五輪金メダリストの金看板に相応しい活躍をしてくれるものと信じている。
昨日(21日)新型コロナ対応に奮闘する医療従事者支援のカープOB戦が行われた。残念ながらLIVEで観ることはできなかったが、根っからのカープファン岸田総理も試合前にビデオメッセージで祝福したそうである。参加者の顔ぶれをネットで拾うと、山本(浩)、安仁屋、江夏、大野、川口、黒田、金本、高橋(慶)、達川、野村(謙)、前田(智)、新井(貴)、江藤(智)、小早川、という、いずれもカープの一時代を築いた顔ぶれである。カープ一筋の選手、FAで他球団に移籍した選手等、様々な確執もあったかもしれない選手が呉越同舟でカープのユニフォームを纏っていたと報じられている。特に金本が「2度とカープのユニフォームを着ることはないと思っていた」と感慨深げに語ったと伝えられることに、その間の事情が察せられる思いである。
球場に集まったファンの反応は伝えられていないが、いずれの選手にも温かい拍手を送ったことと思う。なぜなら、自分にとって、江夏は阪神でも日ハムでもなく「カープの江夏」であり、金本は衣笠とともに「カープの鉄人」であるから・・・。