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生きること:過去と未来とエスペラントと

Feino :妖精によせて

2007-11-01 08:26:41 | エスペラント
 『Feino』はフランスの作家シャルル・ペローの作品です。子どものころ仙女というお話を読んだり聞いたりした人は多いと思います。あらすじは・・・。

 母親と2人の娘が暮らしておりました。下の娘はやさしい子で森で妖精と会い、彼女が話すたびごとに口から花や宝石が出てくると力を授けられました。意地悪な上の娘は話す度に口から蛇や蛙が飛び出るようにされてしまうというお話です。

 これだけ見ればただの教訓的話です。

 私のエスペラントの師である伊東三郎は多くの童話が存在する中から、なぜこの話をなぜエスペラントの創始者ザメンホフが初めてのエスペラントの読み物として選んだのか考えると非常に興味が惹かれると話してくれました。
 つまりこの話は言葉の話です。言葉は人を慰めになったり勇気を与えたりします。使いようによっては恐ろしく、邪悪で人に害を及ぼすものとなります。伊東氏の説によればザメンホフはこの言葉のもたらす作用をしっかりと認識しておりエスペラントが美しいものを生み出すことを願っていたに違いないというのでした。

 その話を聞いてからもうすぐ半世紀がたとうとしています。それ以来エスペラントだけでなく日本語でも、棘のある言葉を使わないように努力してきました。嫌味や皮肉ではなくまっすぐ意見を言うようにとか…。

 人としてそれほど進歩したとは思いませんが、この童話を読むとエスペラントを始めたころの思いや情熱がふつふつとわきあがります。このような思いを持てる読み物を持っている自分はきっと幸せなのでしょうね!!
コメント
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