障害者スポーツの祭典、パラリンピック北京大会の競技が7日、始まった。障害を持つ選手や観客を迎えるために、北京市ではバリアフリー化が進められたが、障害者に対する偏見は根強く、都市部と農村部との“格差”を指摘する声もある。
掲示板などがパラリンピック用に付け替えられ、バリアフリー化された選手村や競技施設…。「今までは五輪の名残を感じながらのパラリンピックだった。今回は見事です」と驚くのは日本選手団の大久保春美団長。開会式で旗手を務めた陸上の鈴木徹選手(28)も「日本にいるような生活環境だ」と話す。
中国の障害者は約8300万人。総人口の約6.4%に上る。北京市では99万9000人の身障者が生活している。中国メディアによると、同市は市内の障害者家庭5000戸を対象に無料で自宅のバリアフリー化工事を実施。車いす購入にも補助金が出るという。パラリンピックに向け、エレベーターの改善や低床バス導入などに約6億元(約94億円)を投入した。中国国内には18カ所のスポーツ訓練センターがあり、五輪選手と同様、“才能”のある障害者が集められ、集中的にトレーニングを積んでいる。
しかし、日本選手らが目にしているのは一面に過ぎない。中国政府は今年7月、障害者の差別禁止、教育充実、雇用促進を盛り込んだ改正障害者保障法を施行したが、結局、バリアフリー化が進んでいるのは都市部の限られた部分だけだ。
車いすは最も安価なもので380元(約6000円)から手に入るが、それでも購入できない身障者は多い。点字ブロック上に自転車など障害物が置かれているケースも少なくない。盲導犬もぜいたくとされている。全国で3000万人以上の障害者が非識字者という。障害者の75%が集中する農村部にいくほど就業率も下がる。根強い偏見が障害者の社会参加を妨げているのも事実だ。
掲示板などがパラリンピック用に付け替えられ、バリアフリー化された選手村や競技施設…。「今までは五輪の名残を感じながらのパラリンピックだった。今回は見事です」と驚くのは日本選手団の大久保春美団長。開会式で旗手を務めた陸上の鈴木徹選手(28)も「日本にいるような生活環境だ」と話す。
中国の障害者は約8300万人。総人口の約6.4%に上る。北京市では99万9000人の身障者が生活している。中国メディアによると、同市は市内の障害者家庭5000戸を対象に無料で自宅のバリアフリー化工事を実施。車いす購入にも補助金が出るという。パラリンピックに向け、エレベーターの改善や低床バス導入などに約6億元(約94億円)を投入した。中国国内には18カ所のスポーツ訓練センターがあり、五輪選手と同様、“才能”のある障害者が集められ、集中的にトレーニングを積んでいる。
しかし、日本選手らが目にしているのは一面に過ぎない。中国政府は今年7月、障害者の差別禁止、教育充実、雇用促進を盛り込んだ改正障害者保障法を施行したが、結局、バリアフリー化が進んでいるのは都市部の限られた部分だけだ。
車いすは最も安価なもので380元(約6000円)から手に入るが、それでも購入できない身障者は多い。点字ブロック上に自転車など障害物が置かれているケースも少なくない。盲導犬もぜいたくとされている。全国で3000万人以上の障害者が非識字者という。障害者の75%が集中する農村部にいくほど就業率も下がる。根強い偏見が障害者の社会参加を妨げているのも事実だ。