ゴエモンのつぶやき

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住まいナビ:知的障害者にとってのバリアフリーとは

2008年09月09日 22時58分21秒 | 障害者の自立
◆知的障害者にとってのバリアフリーとは。

 ◇絵文字や写真活用 行動につながる手がかりに
 住まいのバリアフリー(障壁の除去)といえば、段差がなく、手すりがついているなど物理的なバリアーをなくす工夫がなされた家を、多くの人は思い浮かべるだろう。歩行の困難な高齢者や身体障害のある人が、車椅子でも生活しやすくなり、超高齢社会に進む今後、ますます重要になる。

 一方で、福祉先進国のスウェーデンでは知的障害者や認知面にハンディを持つ高齢者にとってのバリアフリーデザインに基づいた暮らしの工夫もされ、日本でも注目され始めている。

 ●小さな工夫で

 「知的障害のある人の生活も、ハード面のちょっとした工夫で暮らしやすくなります」。「知的障害のある人のためのバリアフリーデザイン」(彰国社)の共著があり、スウェーデンの実情に詳しい医療福祉コンサルタントの二井(にい)るり子さん(51)=大阪府豊中市=は話す。二井さんは、夫で1級建築士の「二井清治建築研究所」(06・6336・0523)所長、清治さん(62)と多くの福祉施設の設計に携わってきた。

 知的障害がある場合、抽象的な概念や言葉が理解しにくいという特性がある。そこで、行動に直接つながる具体的な手掛かりを示すことが重要になる。二井さんが挙げるのが、分かりやすい空間設計とともに、マークや絵文字(ピクトグラム)、写真の活用だ。

 写真Aのトイレは、足形のマークで立つ位置を示すことで、周囲が汚れないようにする。言葉で「汚さないでね」と注意するよりも、これなら一目で分かる。

 写真BとC、Dはいずれもスウェーデンでの絵文字と写真の活用例。Bは、針の時計を読むのが難しい人のために、24時間を赤い目盛りで示す砂時計式の電光表示時計。目盛りの横に、「スイミング」などの絵文字を張り、時間と予定が分かる仕組み。Cは1週間の予定を曜日別に「掃除」や「レストラン」など絵文字で示す。終わったら木札を裏返していき、次の行動を認識しやすくしている。Dは、電話の相手先の顔写真を張っておくことで、簡単に電話ができる。

 大阪府内で知的障害者のケアホームを運営する社会福祉法人「創思苑」(東大阪市)理事長の林淑美さん(58)も「持ち物の整理整頓が苦手な人に、洋服や靴下などタンスに入れるものの写真を張ってあげると分かってもらいやすく、写真の活用は効果的だと感じます」と話す。

 ●「スヌーズレン」

 空間の心地よさも重要だ。写真Eは、スウェーデンの児童施設にある「スヌーズレン」コーナー。スヌーズレンとは、光や音、感触などで五感を心地よく刺激する環境設定で、北欧などで障害者や高齢者のケアに活用されている。二井さんは特別な「スヌーズレン」でなくても、感覚刺激に敏感な人には、内装、照明、音響などでやわらかな空間を作り、自然の緑を取り入れたり、アロマテラピーを使うなどリラックスできる環境が大切だという。二井さんは「こうした工夫は施設だけでなく、家庭でも取り入れることができる。初めて訪ねてきた人でも分かりやすく、快適に感じる家が、知的障害のある人にとってもバリアフリーな住まい空間になる」と話す。【遠藤哲也】

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 ■+α

 ◇求められる「面」での整備
 障害者や高齢者が暮らしやすい町づくりの法整備も進んでいる。

 公共建築物などを対象にした「ハートビル法」と、駅など公共交通機関対象の「交通バリアフリー法」が統合・拡充され、バリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)が06年に施行された。

 旧法の対象者が高齢者と身体障害者だったのに対し、知的・精神・発達障害も加わった。建物など「点」のバリアフリー化だけでなく、道路や路外駐車場、都市公園など連続性のある「面」的な地域整備を求めている。


ユニーク雑貨で地域とふれあい 精神障害者支援へ開店・・・奈良

2008年09月09日 11時41分29秒 | 障害者の自立
 精神障害者の社会復帰などの支援活動を行う奈良市学園朝日町のNPO法人「ふぁーちぇ」が、同市学園大和町に雑貨店「ぽらりす」を開店し、障害者への理解と地域とのふれあいを深めていくための取り組みを進めている。

 同店は、アメリカから輸入したポニーのおもちゃ(525円~)や県内在住の陶芸作家による食器などを販売。「ビンテージもの」のおもちゃや食器など珍しい商品もそろえている。

 地域活動支援センターとして5月にオープン。現在は約10人の精神障害者が、接客やチラシを配布するなどして働いており、店員の女性(34)は「仲間と一緒に働くと、互いに支え合える。また来たいと思ってもらえるようなお店にしたい」と笑顔で話していた。

 「ぽらりす」の刀根治久施設長(29)は「地域の人がくつろげるような場になれば」と期待している。同店に関する問い合わせはホームページ(http://web1.kcn.jp/polapola/)か電話(050・5005・4036)で。定休日は水曜、日祝日。


障害者の自立 着実に 福岡市西区 福祉レストラン「ゆずのき」3周年 リピーター増、地域に定着

2008年09月09日 11時40分09秒 | 障害者の自立
 就労を通じて障害者の自立を支援する福祉工場レストラン「ゆずのき」(福岡市西区姪浜駅南1丁目)が7日、開店3周年を迎えた。中には、資格取得に挑戦して合格する人もいるなど、働く意欲や能力がありながら就職が困難だった障害者たちの社会参加は着実に進んでいる。リピーターも増え、地域のレストランとして定着しつつある。

 同店では知的障害者、精神障害者、身体障害者計35人と健常者30人が働く。調理、接客、清掃など、担当を分担して、意欲的に仕事に取り組んでいる。

 開店時から調理場で働く橋本ルミさん(33)は今年8月、調理師試験に合格した。働くうちに資格取得への思いが強くなり、参考書を買って独学で勉強。「みんなの心が和むような料理を作り続けたい」と話す。食器洗いを担当する今井幸司さん(26)は「ここで働くようになって言葉遣いが丁寧になった。友達も増えた」と笑う。

 3周年を迎えた7日も多くの客が訪れた。月に一度ほど食事に訪れるという同市早良区小田部5丁目の会社員、高山洋子さん(47)は「食事がおいしい上に、スタッフがとても温かい」。同店の来店者数は3年で13万7000人を超えた。

 原材料費高騰の影響もあり、経営は厳しい状況が続く。売り上げは目標の約8割。店では昨年6月から弁当の販売を開始、学校や地域の行事での利用を狙い、売り込み中だ。田中邦義施設長(60)は「より広く存在を知ってもらうために積極的に働き掛けたい」と話している。

 9、11日には3周年記念フォーラムが店内で開かれる。同店を運営する社会福祉法人「柚の木福祉会」の白谷憲生理事長が講演。問い合わせは同店=(0120)939394。

学生無年金障害者:最高裁判決は10月10日

2008年09月09日 01時38分35秒 | 障害者の自立
学生時代に統合失調症と診断された東京都の男性2人が、国民年金未加入を理由に障害基礎年金を受け取れないのは違法として、社会保険庁の不支給処分取り消しを求めた2件の訴訟の上告審弁論が8日、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)で開かれ、結審した。2件は2審で勝訴と敗訴に結論が分かれており、判断を統一する判決は10月10日に言い渡される。

 国民年金法は、初診日が20歳未満の障害者には、未加入でも年金が支給されると規定。2人は20歳を過ぎてから診察を受けており、弁論で「統合失調症は早期に診察を受けることが困難。後で発症が20歳前と診断されれば支給を認めるべきだ」と主張。社保庁側は条文通り初診日で厳密に判断すべきだと反論した。

 原告の1人は弁論後に会見し「同じように苦しむ人にバトンタッチできる判決を望む」と語った。