ゴエモンのつぶやき

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手話漫談がろう者に人気 静岡の森崎さんら公演「全国に笑いを」

2010年10月14日 00時25分52秒 | 障害者の自立
手話を使った漫談が、聴覚に障害のある、ろう者の人気を呼んでいる。耳が聞こえないために、時にちぐはぐな日常の風景を戯画化して笑いを誘う。演じるのは静岡市葵区で理髪店を営む、ろう者の森崎興蔵さん(48)。月曜男(げつようおとこ)の芸名で公演する森崎さんは「笑いは幸せになってもらえるし、自分も勇気をもらえる。全国に出掛けて行って、ろうの人に笑いを届けたい」と話している。【平林由梨】

 手話を健常者に教えようと奮闘する男。おなかを小指でなぞって表す「娘」という言葉を伝えようと体を何度もさするが、相手は意味を取り違えてばかり。いらだつ男の身ぶり手ぶりはエスカレートし、なぜか女性の激しい出産シーンのジェスチャーに--。

 11日、静岡市清水区で森崎さんと、仲間の三津山明さん(47)=芸名・突然男(とつぜんおとこ)=らが開いた公演には約300人が集まり、大きな笑いが起きた。3時間の公演で森崎さんは17の持ちネタを披露した。

 漫談会は2年ぶり2回目。通常の漫才のような言葉の掛け合いではなく、手話漫談は手ぶりと表情、大きな動きでおかしみを伝える。手の所作が客席の隅々まで伝わるように大きなスクリーンをステージに設けた。

 森崎さんは生後3カ月で聴覚を失った。高熱を発したのが原因だった。森崎さんは公演するだけでなく、動画のブログ「月曜男」でも漫談を紹介している。ブログは県聴覚障害者協会(山本興四郎会長)のホームページに掲載しており、06年に始めてから238回、内容を更新する人気ブログになっている。

 公演にも出演した同協会事務局次長の前田智子さん(52)によると、県内には約2000人のろう者がいるという。「聞こえない、というと『障害』『福祉』というイメージが先行してしまうが、笑いが好きなのは誰でも同じです」と話す。

 来場者のウケは上々で、ろう者の桜井邦子さん(47)は「字幕付きのお笑いも見るが、どうしてもテンポがずれる。手話漫談だと自然に笑えるし、きっと大声を出して笑っていたと思う」。市内の手話サークル会員の岩塚智子さん(49)は「表情を見ているだけで笑えた。静岡から手話漫談ブームが起これば、ぜひ応援したい」と話した。

2010年10月13日

毎日新聞