2人育てた経験生かす 須磨の女性 登録募りパーティー
出会いの場が限られがちな聴覚障害者の結婚を支援しようと、神戸市須磨区の介護ヘルパー大島玉子さんが、全国的にも珍しい、耳の不自由な人を対象とした結婚相談所「Deaf(デフ)キューピット」を設立した。聴覚障害を持つ2人の子どもを苦労して育てた経験を生かし、「自分に自信が持てず、恋愛に臆しがちな障害者の背中を押してあげたい」と話す。(川添響子)
「全日本ろうあ連盟」(東京)によると、耳の不自由な人の出会いの場は、障害者が多く集まるサークル活動や、障害者団体が主催する交流会が中心。コミュニケーションの壁もあって健聴者との出会いは決して多くない。
大島さんは、難聴の長女(32)と、ろうの長男(26)の2人の子どもを自立させた経験を持つ。発声や発音の訓練施設に一緒に通い、「言葉を覚えるには本物を見せなければ」と動物園などに連れ出しては意思疎通の方法を教えた。
2人とも就職後、知人の紹介などで出会った相手と恋愛結婚した。それだけに、「自分に自信を持てず恋愛に奥手になったり、一般の相談所で紹介をためらわれたりする障害者が多いと知ってショックを受けた」と大島さんは話す。
聴覚障害者の結婚相談所があればと考えたが、全国を探してもそのような場所はない。「それなら自分が」と、仕事の合間に、高齢者向けの結婚相談所に見学を頼み込み、約4年間、運営の仕方を研究。長女から「若い世代の聴覚障害者はインターネットやメールを活用している」と聞くと、パソコン教室にも足を運んだ。1年がかりで初歩的な技術を習得し、昨年10月、相談所のホームページ開設にこぎつけた。
現在、登録者を募集しており、男女各10人集まればパーティーを開く。参加者同士のコミュニケーションを優先するが、手話や筆談ボランティアのサポートも設ける予定だ。
自宅の居間に「結婚相談所を必ず作る」と書いた紙を張って、くじけそうになる気持ちを奮い立たせてきたという大島さんは「一人一人の長所を引き出し、力強くサポートをしてあげたい」と話す。
対象は、男性が20~40代、女性が20~30代の聴覚障害者。登録料は2万円、月会費は男性3000円、女性2000円で、パーティー代などの必要経費に充てる。
詳細は、ホームページhttp://deafcupid.web.fc2.com/
(2011年2月12日 読売新聞)
出会いの場が限られがちな聴覚障害者の結婚を支援しようと、神戸市須磨区の介護ヘルパー大島玉子さんが、全国的にも珍しい、耳の不自由な人を対象とした結婚相談所「Deaf(デフ)キューピット」を設立した。聴覚障害を持つ2人の子どもを苦労して育てた経験を生かし、「自分に自信が持てず、恋愛に臆しがちな障害者の背中を押してあげたい」と話す。(川添響子)
「全日本ろうあ連盟」(東京)によると、耳の不自由な人の出会いの場は、障害者が多く集まるサークル活動や、障害者団体が主催する交流会が中心。コミュニケーションの壁もあって健聴者との出会いは決して多くない。
大島さんは、難聴の長女(32)と、ろうの長男(26)の2人の子どもを自立させた経験を持つ。発声や発音の訓練施設に一緒に通い、「言葉を覚えるには本物を見せなければ」と動物園などに連れ出しては意思疎通の方法を教えた。
2人とも就職後、知人の紹介などで出会った相手と恋愛結婚した。それだけに、「自分に自信を持てず恋愛に奥手になったり、一般の相談所で紹介をためらわれたりする障害者が多いと知ってショックを受けた」と大島さんは話す。
聴覚障害者の結婚相談所があればと考えたが、全国を探してもそのような場所はない。「それなら自分が」と、仕事の合間に、高齢者向けの結婚相談所に見学を頼み込み、約4年間、運営の仕方を研究。長女から「若い世代の聴覚障害者はインターネットやメールを活用している」と聞くと、パソコン教室にも足を運んだ。1年がかりで初歩的な技術を習得し、昨年10月、相談所のホームページ開設にこぎつけた。
現在、登録者を募集しており、男女各10人集まればパーティーを開く。参加者同士のコミュニケーションを優先するが、手話や筆談ボランティアのサポートも設ける予定だ。
自宅の居間に「結婚相談所を必ず作る」と書いた紙を張って、くじけそうになる気持ちを奮い立たせてきたという大島さんは「一人一人の長所を引き出し、力強くサポートをしてあげたい」と話す。
対象は、男性が20~40代、女性が20~30代の聴覚障害者。登録料は2万円、月会費は男性3000円、女性2000円で、パーティー代などの必要経費に充てる。
詳細は、ホームページhttp://deafcupid.web.fc2.com/
(2011年2月12日 読売新聞)