ゴエモンのつぶやき

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ほっとするニュース:初の国産「電子白杖」発売へ 輸入品の半額程度に

2011年02月04日 01時39分02秒 | 障害者の自立
 秋田県立大の岡安光博准教授が開発した初の国産「電子白杖(はくじょう)」を、秋田精工(同県由利本荘市)が4月に発売することになった。外国産の同種の製品に比べ半額程度に抑え、軽量化も図ったのが特徴。県は新年度から購入費用を助成する方針で、産学官が連携して普及を目指す。
 電子白杖には前方や上方に向けたセンサーが取り付けられ、障害物を感知すると振動で伝える。通常の白杖を利用する視覚障害者にとって悩みである高いところの障害物を把握できるのが強みだ。
 岡安准教授によるとイギリスやドイツ、韓国などで製造されているが一番安いものでも約8万5000円。これに対し新製品は二つのセンサーつきが4万3000円、前方は従来通りつえで確認する上部センサーつきは3万円程度の価格を予定している。
 10年5月に秋田市で開かれた全国盲人福祉大会に参加した視覚障害者約100人に使ってもらった結果99%が「自分も使いたい」と回答。一方で値段を抑えてほしいという要望も多く、改良やコストダウンの取り組みを重ねてきた。
 1月31日に関係者が集まり開かれた会議では、県視覚障害者福祉協会が販売の窓口となり、必要に応じて県盲学校で使用の訓練を受けることができる方針を確認した。同協会の煙山貢会長は「秋田で生まれた電子白杖を広く全国の方に使用してもらいたい」と話している。

毎日新聞

これが言いたい:社会が「排除」を克服できるか、今こそ問われる=山崎公士

2011年02月04日 01時35分09秒 | 障害者の自立
 ◇障害者権利条約の理念実現を--神奈川大教授・山崎公士

 東京・JR山手線の目白駅で先月、全盲の男性がホームから転落し、電車にはねられ亡くなる痛ましい事故があった。障害者が日常の生活でいかに危険にさらされているかの一端が如実に表れた。早急にホーム柵を設置することで、障害のある人たちの社会参加を阻む要因を取り除く必要がある。
 障害のある人もない人も共に楽しく暮らせる社会を目指す「障害者権利条約」が06年12月に国連で採択された。08年5月に発効したが、日本はまだ批准していない。
 世界でも日本でも、社会の仕組みは「障害のない人」を基準に作られてきた。その中で、障害のある人は、公共交通の利用や公教育への就学、就労、情報メディアの視聴など、さまざまな場面で不利な立場に置かれ、社会的に排除されてきた。
 だからこそ権利条約は、障害者を保護の客体から権利の主体へと転換し、障害者に対する社会的排除と障害の有無による格差の是正を打ち出した。日本の障害者団体はかねて条約の批准と、それを実現する国内法の整備を求めてきた。そして、これに呼応する形で内閣に「障がい者制度改革推進本部」(本部長・内閣総理大臣)、その下に「障がい者制度改革推進会議」が置かれている。
 推進会議の構成員24人中14人が障害当事者やその家族であり、当事者の視点から議論をしている。昨年1月から12月まで29回会合し、これまでふたつの意見を取りまとめた。第1次は障害者基本法の改正や障害者差別禁止法などの制定方針、第2次で基本法改正の目的、内容を示した。
 条約を踏まえた改革が実現するとまず、障害を理由とする差別の禁止が法律で規定される。条約は障害を理由とする「直接差別」だけでなく、表向き中立的に見えても、実は障害者だけに不利益な効果を発生させる「間接差別」も差別とする。視覚障害者に通常の答案用紙しか渡さない場合などがこれにあたる。
 さらに、実質的な平等を確保するための配慮をしない「合理的配慮の欠如」も差別と位置づける。例えば、経営基盤が安定した私企業が、地下でレストランを経営してエレベーターを設置しない場合、車椅子利用者への「合理的配慮」に欠ける差別とみなされる。ただし小規模な企業の場合、その限りではない。
 第二に障害者が施設内でなく地域で生活し、社会に参加する権利が認められる。
 また、手話が一つの言語として認められ、障害のある子どももない子どもも共に学ぶ「インクルーシブ教育」が原則となる。
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 しかし、実現は前途多難である。推進会議によるヒアリングでは、現行法でも条約の趣旨は十分に生かせるとして、会議の望む方向とは異なる見解を示す中央官庁も少なくない。
 菅直人首相は通常国会の施政方針演説で今国会に基本法改正を提案し、「総合的な障がい者福祉制度」の導入を検討すると表明した。障害者に情報アクセスとコミュニケーションの手段を保障することや、インクルーシブな教育制度の構築など、私たちの意見が施策に反映されれば、障害を持つ人たちがより、生きやすい社会が実現する。条約も当然、批准されることになろう。
 「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」。これが条約を象徴する標語である。政府がこの意味を真摯(しんし)に受け止め、制度改革を進めることを切に望みたい。
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 ■人物略歴
 ◇やまざき・こうし  専門は国際人権法・人権政策学。障がい者制度改革推進会議の構成員を務める。

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊

障害者施設「大野寮」廃止へ

2011年02月04日 01時31分54秒 | 障害者の自立
 広島県は、廿日市市大野にある県立の知的障害者施設「大野寮」を2010年度末で廃止する方針を固めた。利用者全67人は大野寮の指定管理者である社会福祉法人が同市原に新設する知的障害者施設に移る。

 県は05年度、「民間施設が充足し、県立施設の役割は終わった」として大野寮を民間に移管する方針を決定。指定管理者の社会福祉法人「三篠会」(安佐北区)が後継施設を自前で整備した段階で大野寮を廃止するとしていた。後継施設「障がい者支援施設 原」は4月1日に開所する。

 家具や通園バスなどの設備は三篠会へ無償譲渡する方針。大野寮の建物は11年度に解体撤去し、敷地を廿日市市に返還する。

 大野寮は1964年5月に開設。知的障害者が灯籠や花の苗作りなどに取り組む施設で、現在の入所者は50人、通所者は17人。県によると、開設当時は同様の施設が県内にほとんどなかったが、現在は62施設あるという。

中国新聞

もがく心:高次脳機能障害の若者たち/番外編 「ぷらむ佐賀」犬丸代表に聞く /佐賀

2011年02月04日 01時25分23秒 | 障害者の自立
 ◇駆け込める受け皿を  事故などの後遺症で記憶障害や注意力低下を起こす高次脳機能障害。当事者や家族にとってどんな支援が必要なのか。当事者、家族でつくる市民団体「ぷらむ佐賀」代表で、高次脳機能障害者の夫と生活している犬丸理枝子さんに話を聞いた。

 --ぷらむ佐賀とはどんな団体?

 もともとは福岡県で活動している家族会の佐賀支部として活動していました。しかし、障害者自立支援法の成立で、都道府県単位の施策・支援が行われることに対応するため、07年に約30人のメンバーで活動を始めました。現在は小学生から60代までの当事者28人を含む約100人が参加しています。
 --どんな活動を。

 私たちにとって一番大切なのが、この障害を多くの人に理解してもらうこと。認知度自体が依然、低いし、外見では障害のない人と判別がつかない当事者も多い。この無理解から、当事者が抱える悩みや苦しみを共有してもらえず「トラブルメーカー」として扱われてしまうケースが多発しています。設立から3年がたち、佐賀大付属病院が支援の拠点病院になるなど、少しずつ進んでいますが、まだまだです。

 --若い当事者が社会生活に強い壁を感じている。

 この障害の対応が難しいのは、その特徴が十人十色ということ。対応する側のマニュアルがないため、福祉施設や病院での受け入れが困難です。また、本人に自覚がないことも多く、当事者が障害者施設を拒否することもある。この結果、行き先がなくなり、家族が重大な負担を強いられてしまいます。

 --何が必要か。

 まず、いつ、どんな時でも、駆け込むことができる窓口がほしい。私たちも相談に対応しているけど、限界がある。必死に助けを求める人の受け皿になる場がほしい。また、日常の生活を送るための訓練・リハビリを行える場がほしいです。病院では身体機能のリハビリが中心で、人とのコミュニケーションや社会生活の訓練の場がありません。

 --なるほど。

 そうした受け入れ先があることは、家族の負担を減らすことにもつながります。さらに、行政にも注文があります。必死の思いで駆け込んだのに、この障害をほとんど理解していない福祉担当者に対応されたということもあった。異動の事情なども理解しますが、ある程度の知識は持っていてほしい。


毎日新聞 2011年2月3日 地方版

障害者に優しいプレゼンテーションを考える--ニーズに応える10のヒントを紹介.

2011年02月04日 01時21分31秒 | 障害者の自立
 相手がビジネスの場での小さなグループであれ、一般聴衆であれ、障害を持つ人たちに対する準備はしておく必要がある。優秀なプレゼンテーションのスキルがあり、技術的に健全なプレゼンテーションを行えば、ほとんどの問題は解決できる。しかし、障害者を含む聴衆を対象としたプレゼンテーションの環境を改善する方法は、いくつもある。プレゼンテーションする側の少しの配慮と計画で、障害者も他の人と同じように参加できるようになるのだ。

1.障害者席を設ける

 できることの中でもっとも簡単で、一番助けになるのは、会場の前方に視覚障害者あるいは聴覚障害者のための席をいくつか用意することだ。この席のことを参加者にどう知らせたらよいかは、おそらく状況によるだろう。可能であれば、事前に障害者専用を準備するといい。この方法なら、アナウンスしたり看板を出したりして、障害者が不必要に注意を引くのを避けることができる。これには、席の背中に「指定席」という紙を貼っておけばいいだけだ。もし事前に準備が出来なければ、受付や配付資料の1ページ目に情報を出しておく。とにかく、特定の個人が注目されないようにしながら、参加者に対して障害者席について知らせる方法を、何かしら見つけることだ。

2.照明を明るくする

 多くの発表者は暗い部屋を好むが、明るい部屋向けに準備をしておけば、明るい会場でもプレゼンテーションで同じような効果を上げることができる。正直なところ、障害者の問題を別にしても、暗い部屋は誰にとっても最高の環境とは言い難い。障害者でなくとも、急に部屋を抜け出さなくてはならなくなった時に、足下の黒いバッグに足を引っかけてしまうことはある。一般的な聴衆を相手にする場合は、部屋を明るくしておくのがベストだ。暗い部屋は、仲間内のビジネスプレゼンテーションで、同僚が遠慮無くあなたのプレゼンテーションにイライラした表情を向けられるよう配慮する時にだけ使えばいい。

3.車いすのアクセシビリティを確保する

 もし聴衆について分かっているのであれば、ミーティングの部屋で車いすに対応する必要があるかどうか、事前に知ることができるだろう。プレゼンテーションが一般に公開されているのであれば、車いすの人が来る可能性に備えておくべきだ。通路には障害物がないようにし、車いすが通れるだけの幅を作らなくてはならない。1、2台分の車いすのスペースをあらかじめ割り当てておき、いざというとき椅子の配置を変えたりしなくて済むようにしておく。そういったことはプレゼンテーションの中断にもなるし、参加者に対しても失礼になる。受付のスタッフが、車いすの参加者を専用のスペースに案内できるように、必ず手配しておくこと。

 聴衆が多く、質疑応答の際に聴衆が聴きやすいようマイクを手配しているのであれば、車いすの参加者がマイクの場所に移動できるか、マイクを持ち歩く人が車いすの客の場所に行き着けるようにしておく。

4.車いすに関するエチケットを守る

 車いすはそれに座っている人のものであり、その人の個人空間の内側にある。話しかけるときに寄りかかったりしてはならない。相手に求められない限り、触ったり押したりしてもいけない。また可能であれば、車いすの人と話すときには、自分も椅子に座った方がいい。これはプレゼンテーションの最中にはおそらく不可能だろうが、プレゼンテーション後に車いすの人が話しかけてきた場合には、自分も椅子を持ってくるといいだろう。

 介助犬にも同じことが言える。介助犬に話しかけてはならないし、撫でてもいけない。介助犬の注意を乱すことになってしまう。このことを、聴衆に伝えなくてはならない場合もあるだろうが、臨機応変に対応するのがいいだろう。

5.大きなフォントを使う

 プロジェクターを使う際には、大きなフォントを使うようにする。18ポイントより小さい文字を使ってはならない。問題は傍注や詳細情報を書き込む場合だ。細かい図表は読みにくくもある。この問題を常に念頭に置き、必要に応じて対応すること。

6.説明を加える

 プレゼンテーションでは、「この図は、・・・についての話をまとめたものです」などと言うことが多い。このような言い方は、視覚障害者に対しては意味がない。図は使ってもいいが、その図について説明すべきだ。「この食物ピラミッドは・・・」と言う方が、「この図は・・・」と言うよりもずっと説明的だ。このような修飾表現を発表に組み込んでいくことは簡単だ。洞察力と配慮を少し働かせればいい。

7.手話通訳者

 プレゼンテーションに手話通訳者が付く場合は、事前に知らされることが多い。しかし、聴衆のために手話通訳者や要約筆記者が付く珍しいケースでは、彼らの存在に気を取られないように注意すること。普段通りにプレゼンテーションをすればよい。手話通訳者に対して話し始めてはならない。聴衆全体に話しかけるようにすること。障害者がいるかどうかに関わらず、プレゼンテーションでは常に聴衆全体に語りかけなくてはならない。また、ペースが速くなりすぎないようにし、画面を読み上げるのは避けること。

8.質疑応答では質問を繰り返す

 聴衆から質問や発言があった場合には、聴衆に向けてそれを繰り返すこと。聴覚障害者は質問を聞きとれない場合がある。実際、質問やコメントを聞き取れるのは、発言者の近くに座っている人だけだ。このルールは、どんなプレゼンテーションでも役に立つ。また、発語障害者を恐れないようにすべきだ。もし発言が聞き取れなければ、質問を繰り返すよう頼むこと。多くの人は、誤解されるよりも発言を繰り返すことを選ぶ。

9.決めつけない

 全員が自分のプレゼンテーションを見たり聞いたりできると決めつけてはならない。プレゼンテーションの冒頭で、見えなかったり聞こえなかったりする人がいないか、確認するといい。プレゼンテーションを続ける前に、必要ならば聴衆が移動できるようにする。

10.練習する

 自発的に実験台になってくれる人を2人募って、1人には目隠しを、もう1人には耳当てか耳栓をしてもらう。プレゼンテーションを一通り行い、少しでも分からないところがあれば止めてもらうようにする。そして分からないところがなくなるまで、プレゼンテーションを作り直す。この方法はやり過ぎのように見えるかもしれないし、実際、ほとんどの人にとってはおそらくやり過ぎだろう。しかし、一般聴衆を相手にするのであれば、十分に備えておいた方がいい。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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