ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

【知恵の経営】障害者に4つの幸せを与える職場

2011年06月02日 02時14分09秒 | 障害者の自立
 □法政大学大学院政策創造研究科教授 アタックスグループ顧問・坂本光司

 私が著書「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)の中で、真っ先に取り上げた日本理化学工業(川崎市高津区)を研究仲間とともに訪問した。

 ◆7割が障害者

 同社は、黒板に書く際に粉塵(ふんじん)が出ないチョークの「ダストレスチョーク」で国内トップメーカーだ。従業員は川崎市の本社工場と北海道の美唄工場を合わせて73人の中小企業である。目を見張るのは、全従業員の約7割にあたる54人が知的障害者という弱者に優しい経営を実践していることだ。

 同社の障害者雇用のきっかけは、1959(昭和34)年の秋、本社に近い養護学校の先生が、翌春にめでたく卒業予定の2人の少女の就職を依頼しにきたことだという。

 過労が重なって病弱となってしまった創業社長の父親を助けるため、教職になる夢を捨てて、後継者として入社していた現会長の大山泰弘氏は、当時、経営に余裕がなかったこともあり、先生の要請を初めは丁重に辞退した。

 しかし、その先生はめげずに何回も何回も同社を訪問する。4回目に来たとき、帰り際にこう言った。「大山さん、採用してくれなくてもいいですから、せめて1週間、働く経験だけでもさせてあげて下さい。でなければ、この子たちは働く喜びや働く幸せを、知らないまま死んでしまいます」。先生は頭を深々と下げて行った。

◆従業員が嘆願

 その言葉と先生の熱意と気迫にほだされ、その年の秋、大山氏は1週間の職業体験の場を提供した。2人の少女は、来る日も来る日も始業の30分前には出社し、休憩のベルどころか、終業のベルが鳴っても手を休めることなく、一心不乱に仕事を続けた。

 その姿を、一緒に仕事をしながら見ていた従業員たちが、2人の少女の就業体験研修が終わる前日、大山氏を囲んで嘆願した。「少女たちは一生懸命に頑張っています。足りない点は私たちが必ず面倒を見ますから、どうか2人とも来春に就職させてあげて下さい」

 大山氏は迷った。数日後、尊敬する禅寺の住職から「人間の究極の幸せは、人に愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、そして人に必要とされること。この4つである」と教えられる。この言葉を胸に刻んで決意した大山氏は、翌年4月1日に2人の少女を正規社員として採用した。

 それから50年余り。ずっと定期的に知的障害者を採用し続けている。工場は、障害者の一人一人が能力を最大限に発揮できるよう、製造工程にきめ細かな工夫が施され、いまやリーダーや班長として職場を引っ張る障害者もいる。

 私たちの訪問当日、大山会長からいろいろ話を聞いていた会議室に、初老の小柄な女性従業員が入ってきた。「よくいらっしゃいました。コーヒーをどうぞ…」と私たちに出してくれる。その女性が退出すると、大山会長は「彼女こそが、あの少女なのです」とやさしくほほえんだ。

 それを聞いた瞬間、あまりの感動に私たちの目から大粒の涙があふれ出てきた。

【会社概要】アタックスグループ

 顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

SankeiBiz

日進市:障害者を生涯支援 拠点、来年4月開設 /愛知

2011年06月02日 02時11分49秒 | 障害者の自立
 日進市が来年4月、障害を持つ乳幼児から高齢者まで生涯にわたって一貫して支援する「市障害者支援拠点(仮称)」を同市岩崎町に開設する。子どもの言語訓練や作業療法を行う通所施設「児童発達支援センター」と、障害者の生活相談や成年後見を担う「地域生活支援センター」の複合施設で、生涯にわたる支援拠点は県内で初めてとなる。市は社会全体が障害への理解を深め、障害者が地域の中で共に暮らせるまちづくりを目指す。

 障害を持つ子どもの場合、進学や就職のたびに支援がとぎれがちとの声があり、拠点が待ち望まれていた。また、高齢社会を迎え、判断能力に問題が出た時に、その人の財産を守る成年後見制度も必要とされている。

 児童発達支援センターでは、作業療法士、臨床心理士ら専門家が常駐し、早期療育を行う。また、当事者だけではなく、きょうだいなど家族への支援や交流も行う。

 地域生活支援センターには「尾張東部成年後見センター」が入るほか、障害者からの就労、生活相談を受け、支援につなげる。手話講座など障害者を支える人材育成も行う。両センターが連携を取りながら、その人が成長するに従い、生涯にわたって一貫した支援を目指す。

 施設は木造平屋建て延べ995平方メートル。交流スペースや遊戯室なども備える。今月末に着工予定。

毎日新聞 2011年6月1日 地方版

障害者へ物資継続提供 ゆめ風基金 八幡隆司さん

2011年06月02日 02時09分53秒 | 障害者の自立
入所施設設置も計画

障害者を支援するNPO法人「ゆめ風基金」(大阪市東淀川区)は、全国の約70団体と協力し、岩手、宮城、福島3県それぞれに拠点となる事務所を開設し、障害を持つ被災者に救援物資を届けています。理事の八幡隆司さん(53)はこれまでに4回にわたり、計約2か月間、被災地で活動してきました。

 3県の事務所にはボランティアが計約30人常駐しています。取りまとめをしている八幡さんが4月初め、宮城県石巻市の通所作業所を訪ねた時のことです。大勢の障害者が避難していると聞き、食料や衣類などを持参しました。人手不足が深刻で、自分の子供が津波で行方不明になっていながら捜すこともできず、障害者の世話に奔走する男性職員もいたそうです。

 「みんなが生活を取り戻すには何年もかかるだろう。継続した支援が必要だ」。八幡さんはそう痛感したといいます。

 同基金は阪神大震災直後、被災した障害者支援のために設立されました。寄付金で約2億円を積み立てていましたが、「こんなときのために蓄えてきた」と東日本大震災の被災者支援に全額を投入することを決めました。新たに全国から寄せられた約1億5000万円も充てる予定です。

 八幡さんは「障害を持った人たちは今日元気でも、明日元気とは限らない。その時々に応じた支援をする必要がある」と訴えます。近く、障害者が入所する小規模な施設を岩手、宮城両県に3か所設ける計画を立てているそうです。

(2011年6月1日 読売新聞)

ボランティアグループ:視覚障害者へ音訳テープ、阿波の「うぐいす」10年 /徳島

2011年06月02日 02時07分44秒 | 障害者の自立
 ◇観光など交流深まる

 視覚障害者向けに行政情報などをテープに吹き込んでいる阿波市市場町のボランティアグループ「うぐいす」の活動が、今年で10年を迎えた。市の情報が伝わりにくかった町内の視覚障害者らにとって、今や欠かせない存在だ。地道な活動を続けてきたことで交流も生まれたという。代表の笠井明さん(77)は「身近な情報源として、一人でも多くの音訳を必要とする人の役に立てたら」と話す。【山本健太】

 ◇行政情報、身近に

 うぐいすは、阿波市(旧市場町)社会福祉協議会が開いた、音訳ボランティアの養成講座を受講した約30人で01年に結成。現在は8人ほどが活動する。主に、市が毎月発行する広報誌や福祉関係の書籍の音訳を手掛け、録音テープを、利用を申し込んだ視覚障害者に無料で郵送する。

 視覚障害者は音が頼りだが、音訳では、絵本の読み聞かせなどと違い、感情を込めない。一定の速さと音量で読むことが大切で、雑音が入らないよう気を付ける。意味が分からない言葉は、アクセントなどを確認するため、一つ一つ専門機関に問い合わせるなど、神経を使う。

 メンバーはそれぞれ本職を抱え、雑音の少ない深夜に音訳することが多い。「やめたいこともあった」と本音を語るメンバーも。だが、感謝の言葉がつづられた手紙などが届くと、やりがいを感じるという。長年活動を続けてきたことで、メンバーは年に数回、視覚障害者らに県内の観光案内をするなど、交流も深まっている。

 当初から利用する同町内のマッサージ業の女性(64)は「音訳を利用して市内の行事予定などが分かるようになった。月に1度、音訳テープが届くのが楽しみ」と喜ぶ。

 笠井さんは「待ってくれている人がいることが励みになる。喜んでもらえるよう活動を続けたい」と、これからも地道に取り組むつもりだ。

毎日新聞 2011年6月1日 地方版

新作パン:「シューカツ」 東海大生が障害者と共同、湘南キャンパスで発売 /神奈川

2011年06月02日 02時05分15秒 | 障害者の自立
 平塚市北金目の東海大学湘南キャンパスで31日、学生が障害者と一緒に作った新作パンが売り出された。キャベツ(仏語でシュー)とメンチカツを挟んだ「シューカツ」は厳しさを増す就職活動を応援するネーミングで、ユニークなパン2種20食は完売した。

 障害者の自立支援などを推進する同大チャレンジセンターのプロジェクト「パンdeラポール」の一環で、秦野市の障害者施設「秦野精華園」とタイアップした。プロジェクトでは同園の製パン事業を軌道に乗せるため、ロゴマークのデザインなどを行ってきたが、今回は学生が新作パンのアイデアを練り、文学部3年の国司直剛さん(20)と同2年の片山夏実さん(19)が製パンに携わった。

 新作パンはシューカツと、カレー入り生地とチョリソーで激辛の「レッドホットチョリペッパー」の2種。昼食用としてボリュームたっぷりで各200円。国司さんは「心を込めてパンを作る障害者の方々が印象に残りました。味はいけると思います」と話す。

 同センターは「7月までは週2回、キャンパスで売り出す予定だが、好評ならば他でも売れるような方法を考えたい」と、アイデアパンの今後の売れ行きに期待している。

毎日新聞 2011年6月1日 地方版