東日本大震災で被災した障害者施設の生産品を、仕事や通学をしていないニート状態の若者が販売する事業が、大阪市中央区の船場センタービル2号館で始まった。関係者は、若者と被災地の支援を両立し、空き店舗を活用した地域活性化にもつなげる“一石三鳥”の効果を生み出そうと意欲を見せている。
若年層の就労支援施設を運営する大阪労働協会(同市中央区)と障害者の力を生かす段ボール加工会社「矢野紙器」(同市天王寺区)でつくる若者就労支援事業体「REワークトゥギャザー夢船場」(同市中央区)が実施。
ニート状態の若者らに就労体験や社会貢献の場を提供する夢船場は震災後に募金活動を行い、利用者の「社会の役に立ちたい」という意欲が高まったという。
その後も被災地支援の方法を模索していたが、障害者の環境改善に取り組む会社「インサイト」(同市西区)が被災地の障害者施設の生産品を都市部で販売する支援を展開していることを知り、参加を即決。商品は手配してもらうものの、若者の就労体験の一環にするため、独自で店を出す手法を取った。
場所は、夢船場の拠点がある船場センタービルの関係者が協力。1~3号館1階店舗でつくる「ラントレせんば」では、空き店舗を活用して野菜などを販売する「せんば産直市場」を週2日ペースで展開しており、その一角を夢船場が使えることになった。ラントレせんばの中沢昭治副会長は「被災地の支援でやれることは何でもやりたいという思いがあった」と話す。
ブースでは、東北地方の名産品「油麩(あぶらふ)」など約30品目を販売。100円募金でクッキーをプレゼントするといった工夫も凝らす。
夢船場を利用する若者は販売や宣伝などで参加。事業リーダーでニート状態の経験がある古田淳也さん(26)は「私も人前で声を出すのが苦手だが、続けていれば慣れていくことが分かった。自分の体験も伝え、一緒に成長したい」と力を込める。
ゆくゆくは若者の力を地域のにぎわいづくりに生かしていくのも狙いの一つだという。卸問屋が集まり、繊維のまちとして知られる船場だが、空き店舗活用の問題がある。
「せんば産直市場」の取り組みをチラシ配布などで知らせたり、啓発物自身を手掛けたりと、「できることからやっていく」方針。夢船場の槙邦彦企画員は「若者の頑張りが目に見えるようになれば」と試行錯誤を続けていく考えだ。
障害者施設の製品販売は毎週月・火曜日(祝日休業)の午前11時~午後6時。
若者の自立と被災地を支援し、まちのにぎわいづくりにも意欲を示す支援者ら=大阪市中央区
大阪日日新聞 -
若年層の就労支援施設を運営する大阪労働協会(同市中央区)と障害者の力を生かす段ボール加工会社「矢野紙器」(同市天王寺区)でつくる若者就労支援事業体「REワークトゥギャザー夢船場」(同市中央区)が実施。
ニート状態の若者らに就労体験や社会貢献の場を提供する夢船場は震災後に募金活動を行い、利用者の「社会の役に立ちたい」という意欲が高まったという。
その後も被災地支援の方法を模索していたが、障害者の環境改善に取り組む会社「インサイト」(同市西区)が被災地の障害者施設の生産品を都市部で販売する支援を展開していることを知り、参加を即決。商品は手配してもらうものの、若者の就労体験の一環にするため、独自で店を出す手法を取った。
場所は、夢船場の拠点がある船場センタービルの関係者が協力。1~3号館1階店舗でつくる「ラントレせんば」では、空き店舗を活用して野菜などを販売する「せんば産直市場」を週2日ペースで展開しており、その一角を夢船場が使えることになった。ラントレせんばの中沢昭治副会長は「被災地の支援でやれることは何でもやりたいという思いがあった」と話す。
ブースでは、東北地方の名産品「油麩(あぶらふ)」など約30品目を販売。100円募金でクッキーをプレゼントするといった工夫も凝らす。
夢船場を利用する若者は販売や宣伝などで参加。事業リーダーでニート状態の経験がある古田淳也さん(26)は「私も人前で声を出すのが苦手だが、続けていれば慣れていくことが分かった。自分の体験も伝え、一緒に成長したい」と力を込める。
ゆくゆくは若者の力を地域のにぎわいづくりに生かしていくのも狙いの一つだという。卸問屋が集まり、繊維のまちとして知られる船場だが、空き店舗活用の問題がある。
「せんば産直市場」の取り組みをチラシ配布などで知らせたり、啓発物自身を手掛けたりと、「できることからやっていく」方針。夢船場の槙邦彦企画員は「若者の頑張りが目に見えるようになれば」と試行錯誤を続けていく考えだ。
障害者施設の製品販売は毎週月・火曜日(祝日休業)の午前11時~午後6時。
若者の自立と被災地を支援し、まちのにぎわいづくりにも意欲を示す支援者ら=大阪市中央区
大阪日日新聞 -