30時間以上にわたり本島全域を暴風域に巻き込む台風9号は5日夜、猛烈な風と横殴りの雨で、県内各地に大きな被害をもらたしている。長引く停電や通信障害、浸水被害のほか、交通機関は完全にまひし、県民生活を直撃。けが人も多数出ているほか、浸水や土砂崩れなどの不安から自主避難した世帯も。吹き荒れる風の音と消防車のサイレンが各地で鳴り響いた。本島が暴風域から抜けるのは6日明け方の見通しで、ノロノロ台風の被害拡大が心配されている。
■道路冠水
沖縄市泡瀬では満潮時の午後10時20分すぎから、マックスバリュ泡瀬店前などで道路が冠水した。6日午前0時現在、床上浸水の可能性もあるとして消防署員らが警戒にあたっている。北中城村の渡口交差点から同市の県総合運動公園にかけて道路冠水で、車数台が立ち往生している。
沖縄市役所には8世帯12人が自主避難した(午後9時現在)。沖縄市知花の男性(85)は夫婦で避難、「比謝川下流近くに住んでいるので川のはんらんが怖かった。今回の台風はあきれるほど時間が長い。早く過ぎてほしい」と疲れた表情を見せた。
宜野湾市役所では、高さ約2メートルのブロック塀上部が崩れた。読谷村高志保の集合住宅の駐車場では敷地内のガジュマルが倒木し、車3台が下敷きになった。
■信号消え
那覇市内では午前5時ごろから県庁北口交差点の信号機が約5時間にわたり消えて作動せず、警察官が手信号で車を誘導した。普段は観光客でにぎわう国際通りは、商店や飲食店が軒並み閉店。強風でシャッターが激しく揺れた。
那覇市牧志の「島唄居酒屋きらら」は、年中無休がうたい文句だが「これだけひどい台風だと、営業は難しい」と閉店。店長の西信行さん(39)は「客層の9割以上を占める観光客も訪れない。かきいれ時の週末は天候が回復してほしい」と願っていた。
■野菜被害
糸満市では、台風2号で倒壊した平張りハウスを建て直したばかりの島袋輝雄さん(47)が「今回の台風は長すぎる。露地栽培の夏野菜は壊滅的な被害を受けるかも」と不安をあらわにした。
南城市内の海岸沿いでは高潮による浸水を警戒し消防隊員らが巡視。同市玉城の奥武島では午前10時半ごろ、海水が漁港の岸壁を乗り越えた。与那原町板良敷の海岸でも大波が打ち寄せ道路へと流れ込んだ。
■屋根飛ぶ
沖縄本島北部地域では強風で家屋の屋根が吹き飛ばされたり、窓ガラスが割れる被害が出た。降り続く雨で道路冠水、土砂崩れも相次いだ。
名護市許田では土砂崩れで赤嶺常康さん(77)らが近くの公民館に避難。「木の倒れた方向が悪ければ家ごとつぶれていた。運がよかった」と安堵(あんど)していた。
■76人避難
県警や県などによると、台風9号による影響で、6日午前1時現在、29人が重軽傷を負った。名護市や宜野座村などで、建物の窓ガラスが割れたりトタンがはがれるなどの一部損壊は13件、沖縄市桃原の民家で床上浸水があった。同日午後9時現在、県内17市町村で40世帯76人が自主避難した。各地の道路で通行止めなどがあった。
南城市佐敷では5日午前4時ごろ、新聞配達員の男性(73)が強風にあおられ転倒し右足大腿(だいたい)部を骨折。うるま市石川では同日午後3時すぎ、買い物に出た女性(72)が強風にあおられて転び、右足首を骨折するなど男女計6人が重傷。23人が打撲や擦過傷などの軽傷を負った。
沖縄自動車道の全線と那覇空港自動車道の西原JCT―南風原北IC間で終日通行止めとなったほか、県内21カ所の県道や市道などが通行止めとなった。同規制は、暴風警報解除などを受け、道路管理者が解除を判断する。
一方、停電や漏電などの影響で、県内各地の26カ所の信号機が消えた。中城村奥間で信号機が落下、那覇市や浦添市、中城村など3市1村で信号機の脱落や電球が切れる被害が出た。
沖縄タイムス
■道路冠水
沖縄市泡瀬では満潮時の午後10時20分すぎから、マックスバリュ泡瀬店前などで道路が冠水した。6日午前0時現在、床上浸水の可能性もあるとして消防署員らが警戒にあたっている。北中城村の渡口交差点から同市の県総合運動公園にかけて道路冠水で、車数台が立ち往生している。
沖縄市役所には8世帯12人が自主避難した(午後9時現在)。沖縄市知花の男性(85)は夫婦で避難、「比謝川下流近くに住んでいるので川のはんらんが怖かった。今回の台風はあきれるほど時間が長い。早く過ぎてほしい」と疲れた表情を見せた。
宜野湾市役所では、高さ約2メートルのブロック塀上部が崩れた。読谷村高志保の集合住宅の駐車場では敷地内のガジュマルが倒木し、車3台が下敷きになった。
■信号消え
那覇市内では午前5時ごろから県庁北口交差点の信号機が約5時間にわたり消えて作動せず、警察官が手信号で車を誘導した。普段は観光客でにぎわう国際通りは、商店や飲食店が軒並み閉店。強風でシャッターが激しく揺れた。
那覇市牧志の「島唄居酒屋きらら」は、年中無休がうたい文句だが「これだけひどい台風だと、営業は難しい」と閉店。店長の西信行さん(39)は「客層の9割以上を占める観光客も訪れない。かきいれ時の週末は天候が回復してほしい」と願っていた。
■野菜被害
糸満市では、台風2号で倒壊した平張りハウスを建て直したばかりの島袋輝雄さん(47)が「今回の台風は長すぎる。露地栽培の夏野菜は壊滅的な被害を受けるかも」と不安をあらわにした。
南城市内の海岸沿いでは高潮による浸水を警戒し消防隊員らが巡視。同市玉城の奥武島では午前10時半ごろ、海水が漁港の岸壁を乗り越えた。与那原町板良敷の海岸でも大波が打ち寄せ道路へと流れ込んだ。
■屋根飛ぶ
沖縄本島北部地域では強風で家屋の屋根が吹き飛ばされたり、窓ガラスが割れる被害が出た。降り続く雨で道路冠水、土砂崩れも相次いだ。
名護市許田では土砂崩れで赤嶺常康さん(77)らが近くの公民館に避難。「木の倒れた方向が悪ければ家ごとつぶれていた。運がよかった」と安堵(あんど)していた。
■76人避難
県警や県などによると、台風9号による影響で、6日午前1時現在、29人が重軽傷を負った。名護市や宜野座村などで、建物の窓ガラスが割れたりトタンがはがれるなどの一部損壊は13件、沖縄市桃原の民家で床上浸水があった。同日午後9時現在、県内17市町村で40世帯76人が自主避難した。各地の道路で通行止めなどがあった。
南城市佐敷では5日午前4時ごろ、新聞配達員の男性(73)が強風にあおられ転倒し右足大腿(だいたい)部を骨折。うるま市石川では同日午後3時すぎ、買い物に出た女性(72)が強風にあおられて転び、右足首を骨折するなど男女計6人が重傷。23人が打撲や擦過傷などの軽傷を負った。
沖縄自動車道の全線と那覇空港自動車道の西原JCT―南風原北IC間で終日通行止めとなったほか、県内21カ所の県道や市道などが通行止めとなった。同規制は、暴風警報解除などを受け、道路管理者が解除を判断する。
一方、停電や漏電などの影響で、県内各地の26カ所の信号機が消えた。中城村奥間で信号機が落下、那覇市や浦添市、中城村など3市1村で信号機の脱落や電球が切れる被害が出た。
沖縄タイムス