ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

福祉 今ここにいる人の幸せ

2012年12月25日 01時43分33秒 | 障害者の自立
 「英語でノーウェア(no where)といえば、どこにもいないという意味です。ところが、アルファベットの区切りを1文字ずらすだけで、ナウ・ヒヤー(now here)、今ここにいるよ、という意味になります。何だか深いものを感じませんか」

 本紙生活面で「みつえばあちゃんとボク」を連載中の漫画家岡野雄一さん(62)=長崎市=にこんな話を伺った。漫画のモデルは母のみつえさん。89歳で重度の認知症を患っている。岡野さんは週に2日、花を携えて、みつえさんが暮らすグループホームを訪ねる。

 「母ちゃん、来たよ。雄一ばい」。そう呼び掛けても、うつろな目のみつえさんだが、岡野さんが帽子を取って立派なペコロス頭(髪のない頭)を差し出すと表情が変わる。その頭をさすったり、たたいたり、引っかいたり。額をくっつけて押し合いごっこをやりだすと言葉も出てくる。

 岡野さんにとっては、自分がどこにいるのかもよく分からない母に頭を差し出すことが、あなたの息子が今ここにいるよ、とのメッセージになっているのだ。

 この幸せな光景ができるだけ長く続けばと願いながら、ふと思い至った。福祉の本質とは、今ここにいる人々の幸せではないかと。それを実現するのは国であり、政治家だ。憲法25条にはこうある。「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

 そんな観点から、福祉関係者に政治への要望を聞いてみた。

 福岡県介護福祉士会の因利恵(いんとしえ)会長は「福祉分野では、受けたサービスに応じて対価を支払う応益負担でなく、収入や蓄えに応じて対価を支払う応能負担に転換してほしい」と訴える。因さんは20年、ホームヘルパーとして数々の高齢者や障害者10+ 件の世帯を見てきた。介護サービスの1割負担ができずサービスを我慢する世帯が増えている。せっかくの制度が本当に必要な人に届いていないのだ。「食べ物を切り詰めるのは当たり前。真冬もやかん1杯のお湯だけで入浴を済ます人もいる」と心配する。

 「今回の衆院選では足元のことが忘れられている」と指摘するのは、福岡市南区の障がい者支援施設「かしはらホーム」の古賀知夫施設長(59)。ホームでは58人の障害者10+ 件が陶芸やふきん作りなどに励む。給料は月四、五千円。「もっと出してあげたいがこれが精いっぱい」と打ち明ける。古賀さんは毎月、福島県南相馬市の施設にも支援に通う。福島第1原発の30キロ圏内で、逃げようにも行き場がない障害者たちを支えるためだ。「経済的基盤が弱い社会的弱者にこそ目を向けてほしい。支え合える社会の仕組みづくりが必要だ」

 福岡市博多区の千鳥橋病院で、医療ソーシャルワーカーの荒木弘幸さん(56)は生活困窮者を対象にした無料低額診療制度のあっせんを続けている。この制度は昭和30年代、福岡県内の病院が連携して、閉山した炭鉱の失業者や家族のために創設した。時を経るにつれて、対象者はホームレスなどに変遷し、今は年金生活者が多くを占める。

 「2008年のリーマン・ショック以降、タクシー運転手の利用が増えた」と荒木さん。背景にはタクシー事業の規制緩和があるとみる。「公共事業が減って仕事がなくなった日雇い労働者が、低賃金のタクシー運転手に流れている」

 高齢女性の生活困窮も目立つ。無料診療を利用するある女性(65)の年金は月約4万円。痛む膝に注射を打ってもらってトイレ掃除のパートを続ける。手すりや壁に片手でつかまりながら、もう一つの手で便器を磨く。膝が痛むため、作業は2時間が限度。得られるパート代は月約4万円だ。

 女性は2年前に1度、生活保護の申請をしようとしたことがある。ところが、窓口で「お孫さんの高校にも事実関係を照会します」と言われ、申請を諦めた。「孫に恥ずかしい思いはさせられない」。そんな女性の窮状を救ったのは、国でも自治体でもなく、病院の無料診療制度だった。

 荒木さんは「諸悪の根源は貧困にある」と憤る。「もっと早く診察すれば、人工透析にならなかった人や人工肛門をつけないで済んだ人がたくさんいる。人は憲法25条が保障した最低限の生活をするために生まれてきたのではない。誰もが人間らしい生活をするために生まれてきたはずだ」

 選挙前に民主、自民、公明の3党は社会保障と税の一体改革に合意した。消費税を10%に上げて年金など社会保障の財源とし、持続可能な社会を実現するという。加速度的な高齢化に対応する狙いだが、年金や生活保護が抑制に向かうのは間違いないだろう。

 原発や消費税など大争点がめじろ押しの今回の衆院選だが、この国の姿を長い目で考えてみたい。高福祉高負担の北欧型か、競争主義で低負担の米国型か。今ここにいる人たちの幸せが問われている選挙ではなかろうか。

=2012/12/12付 西日本新聞朝刊=


高齢者らの孤立死防げ 「見守りセンター」創設 当別町社協 民間事業者と連携

2012年12月25日 01時39分24秒 | 障害者の自立
 【当別】高齢者の孤立死が社会問題化する中、町社会福祉協議会は孤立死を未然に防ぐ「とうべつ見守り安心センター」を創設した。町内の民間事業者と連携して情報を提供してもらい、地域住民に異変があった場合に素早い対応を目指す。

 当別町では核家族化、高齢化に伴い、一人暮らしの高齢者や高齢者の夫婦世帯が増え、孤立死に対する不安を抱えるお年寄りも多い。こうした中、孤立死につながりかねない異変が各世帯に起きた際にすぐに把握できる態勢をつくろうと、町社協が中心となりセンター設立を進めていた。

 具体的には、高齢者や障害がある人のいる家庭を対象に、《1》数日間除雪されていない《2》新聞や郵便物がたまっている《3》日中も電気が付けっぱなし《4》カーテンが日中でも数日間閉めたまま―などの異変を事業者らが発見した場合、社協に連絡を入れる仕組み。連絡を受けた社協は職員を派遣して状況を確認し、必要な支援を行う。

 すでに、町や地域包括支援センター、障がい者総合相談支援センターをはじめ、介護事業所、ガスや水道の各事業者、新聞販売所、郵便局、配送事業者などと承諾書を交わし、情報提供の協力態勢を築いている。

 これまでは民生児童委員や福祉委員が見守り活動を行っていたが、センター設立で各事業者の協力を得ることで活動の強化を図る。社協担当者は「関係機関と協力して、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる環境を整えたい」と話している。

北海道新聞-(12/21 16:00)

障がい者が手作り 南風原でナイスハートバザール

2012年12月25日 01時33分52秒 | 障害者の自立
 働く障がい者を支援する「りゅうぎんプレゼンツ第28回ナイスハートバザールイン沖縄」(県セルプセンター主催)が24日、南風原町のイオン南風原ショッピングセンターで始まった。25日まで。
 会場には手作りの菓子やクリスマスリースなど、県内の授産施設など障がい者福祉事業所で製造・加工された商品約千点が並び、約40のブースはにぎわいをみせた。また、ステージでは民謡踊りや落語、コンサートなど、多彩なライブパフォーマンスが披露され、約8千人(主催者発表)の来場者を楽しませた。
 指定障害福祉サービス事業所パーラーみるく(宜野湾市)では、琉球ガラスを使った手作りの表札を今年初めて製作、出展した。パーラーみるくのスタッフ赤塚正治さんは「人によってそれぞれ障がいの度合いが違う。分担しながらみんなで協力し合ってできた作品」と話した。


多彩な商品が並んだ第28回ナイスハートバザールイン沖縄=24日、イオン南風原ショッピングセンター

琉球新報-2012年11月25日

支局長評論:周南 職場のコーチ

2012年12月25日 01時31分13秒 | 障害者の自立
 海産物の卸問屋に就職した発達障がいの男性はパソコンが得意でした。経理を任されましたが、自分流にプログラムを替えてしまい、同僚が使えなくなりました。

 別の障がい者は干渉されるのが苦手なのに、同僚が溶け込んでもらおうと声を掛け、かえって本人の重荷になりました。

 こんなときに改善案を提案して、障がい者と企業の潤滑油となるのがジョブコーチです。

 独立行政法人の山口障害者職業センター(防府市)を訪れると、緒方昭一郎所長(48)は「コーチは5人とも出払っています」。30〜40代の女性ばかりで、「フル稼働」と言います。

 県内には同センターを含め、研修を積んだ計15人のコーチがいます。精神保健福祉士や特別支援学校、福祉施設の勤務経験者らが務めています。

 支援は就労前と就職時だけでなく、就労後でもOKです。本人と面談し、苦手な点を把握し、支援計画を作ります。コーチは職場に同行して、本人の様子を観察し、作業内容の変更、指示の仕方などを助言します。

 指示は具体的に伝える▽困ったときに尋ねるキーパーソンを決めておく▽音、におい、光に敏感な人の場合、作業環境を変える−−などです。

 「特徴の出方は皆さんバラバラ」。支援計画を作る同センターのカウンセラーの横手真子さん(33)は「信頼関係が大切です」と話します。支援期間は1〜7カ月(3カ月が一般的)。その後のフォローもします。

 支援は本人も企業も費用負担がありません。それでも内情を見られるのを嫌うのか、消極的な企業が多いようです。

 県内では昨年、15人のコーチが計97人の障がい者の就労を支援しました。発達障がい者はうち14人ですが、コーチ派遣に至らない例も結構あります。なぜでしょうか。障がいが「見えない」のが影響しているようです。

 ※<下>は24日掲載予定。<周南・大澤重人>
毎日新聞 2012年12月21日 地方版

【大槌】障害者と住民が交流 仮設商店街で物品販売

2012年12月25日 01時26分34秒 | 障害者の自立
 大槌町小鎚の障がい者支援施設四季の郷(さと)(平好正施設長)と同町小鎚の仮設商店街「わらびっこ商店街」は23日、同商店街でクリスマス会を開き、物品販売や抽選会などを通して施設利用者と地元住民が交流した。

 地域福祉貢献活動の一環で、合同で企画。同施設の利用者6人が物品販売や同商店街の店舗内で手伝いなどを行い、地域住民らと触れ合った。外れなしの抽選会も長い列ができ、商店街はにぎわった。

 平施設長は「利用者の地域貢献とともに、仮設商店街、地元住民が元気になる場を提供したいと思い、企画した。今後も機会を設けたい」と意義を語った。


【写真=物品販売などを通じて、地域住民らと交流する利用者

岩手日報-(2012.12.24)