発達障がいは、外見上、障がいが他人に分かりません。当人ですら気づいていないことがあります。「見えない障がい」といわれるゆえんです。
山口障害者職業センター(防府市)の相談者には、発達障がいをオープンにするかどうかで悩む人がいます。障がいを受容できていなかったり、障がい者の求人が少ないことからあえて公表しなかったりするのです。
同センターは障がいをオープンにしたときのメリット(ジョブコーチの支援、援護制度の利用)とデメリット(求人数の少なさ)を伝え、最後は本人の判断に委ねます。ただ、緒方昭一郎所長(48)は「障がいを公表しないまま就労した場合、職場に定着しにくいのも事実です。失敗を繰り返し、うつ病やひきこもりになることがあるのです」と顔を曇らせます。
発達障がいの場合、就労後に診断されることもあります。企業がそのつもりで雇っておらず、同センターが就職後にコーチを派遣した例は数件にとどまります。「企業は作業工程を変えてまで雇いたがらないのです」と緒方所長。
同センターは最近、うつ病になって休職した人の復職を支援しました。職場復帰のための「リワーク支援」を行い、うつの背景に発達障がいがあることが医師の診断でわかりました。雇用先の企業と相談を重ね、復職の際にコーチを派遣しました。現在、職場に定着できています。企業の理解があってこそです。
同センター(0835・21・0520)には昨年、障がい者からの就職相談が472件(うち発達障がい者81件)ありました。相談は無料です。
来年4月、障がい者にとって追い風があります。法定雇用率がアップするのです。「従業員56人に1人」から「50人に1人」へ。法律に背中を押されないと雇用が進まないのも残念ですが、忙しいジョブコーチにはもう一頑張りを期待します。
毎日新聞 2012年12月24日〔山口東版〕
山口障害者職業センター(防府市)の相談者には、発達障がいをオープンにするかどうかで悩む人がいます。障がいを受容できていなかったり、障がい者の求人が少ないことからあえて公表しなかったりするのです。
同センターは障がいをオープンにしたときのメリット(ジョブコーチの支援、援護制度の利用)とデメリット(求人数の少なさ)を伝え、最後は本人の判断に委ねます。ただ、緒方昭一郎所長(48)は「障がいを公表しないまま就労した場合、職場に定着しにくいのも事実です。失敗を繰り返し、うつ病やひきこもりになることがあるのです」と顔を曇らせます。
発達障がいの場合、就労後に診断されることもあります。企業がそのつもりで雇っておらず、同センターが就職後にコーチを派遣した例は数件にとどまります。「企業は作業工程を変えてまで雇いたがらないのです」と緒方所長。
同センターは最近、うつ病になって休職した人の復職を支援しました。職場復帰のための「リワーク支援」を行い、うつの背景に発達障がいがあることが医師の診断でわかりました。雇用先の企業と相談を重ね、復職の際にコーチを派遣しました。現在、職場に定着できています。企業の理解があってこそです。
同センター(0835・21・0520)には昨年、障がい者からの就職相談が472件(うち発達障がい者81件)ありました。相談は無料です。
来年4月、障がい者にとって追い風があります。法定雇用率がアップするのです。「従業員56人に1人」から「50人に1人」へ。法律に背中を押されないと雇用が進まないのも残念ですが、忙しいジョブコーチにはもう一頑張りを期待します。
毎日新聞 2012年12月24日〔山口東版〕