相模原市の加山俊夫市長は21日の市議会本会議で、市が運行委託するコミュニティバスについて、4月から精神障害者向けの割引運賃を導入する方針を明らかにした。既に導入済みの身体、知的障害者から対象を広げる形。栄裕明氏(公明)の質問に答えた。
緑区の商業施設「アリオ橋本」から同区の野外体験施設「相模川自然の村」までの約7・8キロを走る「せせらぎ号」が対象。市交通政策課によると、身体、知的障害者と同様、4月1日から運賃を半額に割り引く。
市はこれまで「民間のバス事業者との(運賃の)均衡」の観点から導入を見送っていた。が、国が昨夏、バス事業者の運行ルールなどを示した「標準運送約款」を改正し、割引運賃の対象に精神障害者手帳の被交付者を追加。導入の契機となった。
3月1日にはバス事業者や有識者らでつくる「市地域公共交通会議」で市が導入を提案し、承認を得た。同課は「外出のハードルが少しでも下がれば」と期待する。今後、民間のバス事業者にも割引運賃の導入に理解を求めていくという。
NPO法人で精神障害者の生活支援にあたる村地芳治さん(44)は「精神障害者の中には働けず経済的に困っている人が多い。その負担を軽くする市の方針は大変心強い」と喜んでいた。
カナロコ(神奈川新聞)-2013年3月22日