ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

重度の障害者支えたい/ありのまま舎職員・小松千吉さん

2013年07月07日 02時13分01秒 | 障害者の自立
 電動車いす生活を送る小松千吉さん(65)=仙台市青葉区=は、震災で名古屋市に避難した体験をきっかけに、より重い障害がある人を支援するため働こうと、太白区にある社会福祉法人「ありのまま舎」に就職した。障害者福祉が手厚い名古屋への永住に心が傾きかけたが、「古里のために働こう」と考え直した。ゆくゆくは「自分でヘルパー事業所を運営したい」と夢を膨らませる。

◎ヘルパー事業所新設へ車いすで活動

 太白区茂庭台の「太白ありのまま舎」。昨年5月、知人の紹介で職員に採用された小松さんは、訪問介護のヘルパー事業所新設に向けて、書類を作成する業務を担当する。
 震災により、主に津波被災地では重度障害者を介護するヘルパーが不足。障害者や家族を対象にした相談機能も充実させなければならない。6月、宮城県亘理町にありのまま舎が開設した相談支援センターの設立にも携わった。

<名古屋が契機>
 「私はポリオ(小児まひ)で肢体不自由になって左手は動かないけど、もっと重い障害がある人のために働くことができる。こんな当たり前のことに気付いたのは、名古屋に行ったからでした」
 震災発生時、小松さんは原因不明の腰椎骨折で名取市内の病院に入院していた。日が落ちたころ、多くの人々が避難してきた。「家が流された」「家族と連絡がつかない」。悲痛な声が聞こえた。布団をかぶって一晩過ごした。
 困難は重なる。骨折により介護度が高まったため、一人暮らしをしていたケア付きの県営住宅を出なければいけなくなった。震災の混乱で新たな住居を探すのは不可能だ。
 「これからどうすればいいのか」。手を差し伸べたのは、支援のため被災地入りしていた名古屋市の社会福祉法人「AJU自立の家」だった。
 震災1週間後の3月18日、名古屋市内にあるAJUの障害者入居施設に入った。「カルチャーショックの連続。障害者自身の考え方が、仙台とはまったく違ったからです」

<セミナー参加>
 仙台では障害者はなるべく人の手を借りず、努力して自立することが大切。外出もできる人だけがするという雰囲気だった。
 一方、名古屋ではヘルパーを積極利用して社会参加していた。障害者同士が結婚し、ヘルパーの手を借りながら子育てをするケースもあった。障害者が、自分より障害程度が重い人たちのために事業を起こすのも当たり前だった。
 「障害者は努力して健常者に近づくべきだと、ずっと思い込んでいた。全く違う生き方が名古屋にはあった」
 刺激を受けた小松さんは、AJUが運営するケアタクシー事業所などでの就労体験を通じ、就労施設の在り方を学んだ。障害者の自立支援団体のセミナーにも参加した。
 名古屋の暮らしは魅力的だったが、仙台で障害者の潜在的ニーズを掘り起こし、解決する仕事をしようと心に決めた。昨年4月、仙台に戻った。

<力まず生きる>
 小松さんは授産施設にいた20歳代のころ、障害者自立運動に携わったことがある。「生活圏拡張運動」。1960年代末、仙台の障害者が全国に先駆け、バリアフリー社会実現のため声を上げたムーブメントだった。
 活動を続ける中で、「自分はもっと頑張れる」と信じて授産施設を出て、工場や映画館で働いた。だが、自分を追い込み過ぎて心が擦り切れた。施設に戻ったり、また出たりを繰り返す生活になった。
 「『障害者は頑張らなければいけない』という考えから抜け出せなかった。頑張らなくても達成感を得ながら暮らせる環境づくりを、障害者自らがすればいい」


ヘルパー事業所新設のため書類作成業務に当たる小松さん。「還暦を過ぎて新しい生き方を見つけました」と語る=太白ありのまま舎

河北新報-2013年07月06日土曜日

障害者の3.11銀幕に映す 「逃げ遅れる人々」仙台で上映

2013年07月07日 02時07分38秒 | 障害者の自立
 東日本大震災の被災地で障害者が直面した困難な状況を記録したドキュメンタリー映画「逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者」の上映会と討論会が13日、仙台市青葉区のエル・パーク仙台で開かれる。震災後に障害者と支援者が設立した「被災地障がい者センターみやぎ」が主催する。

<福島県中心に取材>
 「逃げ遅れる人々」は、全国の障害者団体で設立した東北関東大震災障害者救援本部(東京)が製作した。
 監督は横浜市出身の飯田基晴さん。震災で地震と津波、さらに福島第1原発事故に見舞われた福島県を中心に、被災した障害者とその家族らを取材した。
 ある身体障害者は、避難所で横になるスペースがなく、車椅子の上で2週間を過ごした。発達障害児の母親は「周囲に迷惑を掛けるから」と避難所に行けず、家族で自宅にとどまり続けた。
 原発事故でほとんどの住民が町を去り、取り残されてしまった視覚障害者の証言もある。

<備えの大切さ訴え>
 センターは「障害があるというハンディは、災害が起きると普段にも増して大きくなる。避難が難しい現実と、日ごろからの備えの大切さを伝えたい」と話す。
 上映は午後2時からと同6時半からの2回。それぞれ上映後に、映画の出演者と障害者団体の代表ら計4人による討論会がある。映画は字幕付き、討論は手話通訳付き。
 入場料は前売り800円、当日1000円。連絡先は被災地障がい者センターみやぎ022(746)8012



物資の受け取りや避難所生活で困難に直面した障害者の一人(左)。映画に出演し、その苦労を語った=2011年5月、岩手県山田町

河北新報-2013年07月06日土曜日

小郡の障害者施設虐待、被告に有罪判決

2013年07月07日 02時06分16秒 | 障害者の自立
 福岡県小郡市の障害者就労支援施設「ひまわり」で起きた虐待事件で、3件の暴行罪に問われた元管理職坂本静治被告(48)の判決が5日、福岡地裁久留米支部であった。大原純平裁判官は「極めて卑劣な犯行だが、社会的制裁も受けている」と述べ、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)の有罪判決を言い渡した。

 判決によると、坂本被告は2011年5月~12年5月に同施設内で、知的障害がある50歳代の男性通所者に対し、至近距離からエアガンを発射したり、水路に蹴り落としたりしたほか、ダーツの的を描いた段ボールの下にこの男性を座らせ、千枚通しを的に投げつける暴行を加えた。

 判決は、「被害者が驚いたり、水路でずぶぬれになったりした様子を携帯電話で動画撮影できれば面白いと考えたほか、スリル目的で犯行に及んだ」と動機の悪質さを指摘。その上で「強く非難されるべきだが、施設を懲戒解雇され、被害弁償もした。反省の態度を示し、二度と福祉関係の仕事はしないとしている」などと執行猶予とした理由を述べた。

(2013年7月6日 読売新聞)

2013参院選 障害者と投票 政治参加の道筋強固に

2013年07月07日 02時02分43秒 | 障害者の自立
認知症や知的障害などで判断力が不十分なため成年後見人を付けた人が、今回の参院選から投票ができるようになった。

 後見制度を利用すると自動的に失われてきた選挙権と被選挙権が、公職選挙法の改正で認められたからだ。対象となるのは全国で約13万6千人、道内で約5400人に上る。

 憲法はすべての成人に選挙権を保障している。政治参加の道が開かれたのは当然で、改正はむしろ遅きに失した感がある。

 権利を回復したとはいえ、支障なく1票を投じることができなければ意味がない。総務省や選挙管理委員会は制度改正の周知を徹底するとともに、投票が円滑に行われるよう環境整備を急ぐべきだ。

 成年後見人は親族や第三者が後見人となり、本人に代わって財産を守る制度だ。2000年の発足当初から、その利用者が選挙権を喪失するのは筋違いとの指摘が多かった。

 東京地裁が3月に「公選法の規定は違憲」と判断した。改正は原告らに大きな希望を与えたに違いない。

 新制度を定着させるうえでも、不正が生じることのないよう対策の強化が求められる。

 かつて病院や老人ホームの職員が入所者に特定候補への投票を働きかける事件が相次いで起きた。

 改正公選法は、こうした施設での不在者投票について職員が無断で投票しないよう、新たに第三者の外部立会人を配置する努力義務を施設に課した。妥当な措置と言えよう。

 だが、各選管は施設任せにしてはならない。明るい選挙推進委員や選挙業務に精通している職員OBなどに呼びかけて、立会人確保に万全を期してほしい。

 投票所で代理投票をする際も、代筆役は選管職員ら市町村職員などに限定された。

 どの候補に投票したいのか、本人の意思を確認するのが難しいケースもあるだろう。粘り強く聞き取る努力はもちろん、総務省や選管は現場からの問い合わせに丁寧に対応しなければならない。

 法成立から2カ月も経過しておらず、態勢が十分とは言えまい。各選管は選挙後に課題や成果を洗い出し、教訓を次に生かす必要がある。

 今回、選挙権を回復したのは政治の救いの手を最も必要としている人たちだ。候補者もわかりやすい言葉で政策を訴える工夫が欠かせない。

 多様な声を政策に反映させることこそが、暮らしやすい社会を築く礎となる。さらに多くの障害者が投票に加われるよう、政治参加の道筋を一層強固にしたい。

北海道新聞-(7月6日)

参院選挙公報を音訳CDに 岡山県視覚障害者センター

2013年07月07日 01時56分55秒 | 障害者の自立
 音声で訴えを届けます―。参院選がスタートし、岡山県視覚障害者センター(岡山市北区西古松)では、視覚障害者向けに選挙公報を音訳したCD制作に追われている。目が不自由な人にとって、CDは候補者の主張をいつでも繰り返し聞ける貴重な情報源。スタッフたちは「1人でも多くの人の役に立ちたい」と、8日ごろまでに約1300枚を仕上げる予定だ。

 県の委託を受けた社会福祉法人・日本盲人福祉委員会(東京)の視覚障害者選挙情報支援プロジェクトが同センターに制作を発注。CDは選挙区、比例区の2種類あり、選挙区は候補者4人の訴えを収録。比例区は同プロジェクトが作った、九つの政党の主張を収めた音源データをコピーし、それぞれ約650枚を作る。

 作業は2日から始まり、朗読ボランティアの福島五重さん(76)=岡山市中区=が、候補者名や公約などを記した1人当たり3〜5分の原稿を読み上げ、マスターCDを制作。数人のスタッフが一度に3枚書き込める専用のコピー機4台で次々と複製する。

 1枚ずつ、音訳の最初と最後を再生して書き込みができているか確認し、「参議院選挙区選出議員選挙のお知らせ」などと記したラベルを印字して完成。県視覚障害者協会に登録する会員約600人と、県や市町村の選管に発送する。

 県選管によると、県内では2007年の参院選比例区で音訳版の制作を開始。「毎日忙しいが、以前はカセットテープへの複製が主流で、録音と確認に時間がかかった。それよりまだ楽かな」と同センターの川田忠茂所長。「国の行方を決める大切な選挙。CDをぜひ投票に生かしてほしい」と話している。


選挙公報の音訳CD制作に励む岡山県視覚障害者センターのスタッフ

山陽新聞-(2013/7/6 16:00)