ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

消費税対応、介護報酬改定で基本単位数と負担大の加算に上乗せ

2013年12月10日 01時10分15秒 | 障害者の自立
社会保障審議会 介護給付費分科会 介護事業経営調査委員会(第9回 12/4)《厚生労働省》

■資料PDFダウンロードはこちらから■
http://www.care-mane.com/pdf/news/201312/20131205-6.pdf
http://www.care-mane.com/pdf/news/201312/20131205-7.pdf
記事の資料ダウンロード・著作権について
提供:厚生政策情報センター

今回のポイント
●介護給付費分科会の「介護事業経営調査委員会」で介護サービスに関する消費税の取扱い検討
○基本単位数への上乗せを基本としつつ負担が相当程度見込まれる加算についても上乗せ
○従来と同じサービスを利用しているのにも関わらず、区分支給限度基準額を超える可能性を指摘
○保険者のシステムが大規模改修となる負担も考慮しながら、医療保険の動向も踏まえて検討すべきと「介護給付費分科会」に意見

厚生労働省は12月4日に、社会保障審議会・介護給付費分科会の「介護事業経営調査委員会」を開催した。

この日は、(1)平成25年度介護事業経営概況調査結果(2)介護保険サービスに関する消費税の取扱い等(3)平成26年度介護事業経営実態調査の実施―などについて議論した。

(2)の消費税については、介護保険制度発足以来初の消費税増税対応となり、その対応に注目が集まっている。

委員会では、(i)介護報酬への対応(ii)基準費用額、特定入所者介護サービス費(居住費・食費関係)、区分支給限度基準額―の2点を議論した(p15~p19参照)。

(i)の消費税8%引上げ時の介護報酬改定について、厚労省は基本単位数への上乗せを基本としつつ、負担が相当程度見込まれる加算についても上乗せを検討してはどうかとしている(p15参照)。

厚労省当局は基本単位数への上乗せについては、人件費とその他の非課税品目を除いた課税割合を算出し、これに税率引上げ分(108/105-1)を乗じて上乗せ率を算出してはどうかとしている。

具体的な数式は、「課税割合=1.0-人件費比率-その他の非課税品目率」としたとき、「基本単位上乗せ率=課税割合×(108/105-1)」で算定する。

また加算の取扱いについては、まず上乗せ対応を検討すべき加算を整理し、次いで具体的処理方法を検討するという具合に、2段階の検討を行うとしている(p16参照)。

まず次の加算については上乗せが不要ではないかとしている。
●単位数ではなく、基本単位数の割合で設定されている加算
●福祉用具貸与に係る加算

厚労省では基本単位数の割合で設定されている加算は、上乗せされた基本単位数に加算割合を掛ける先述の上乗せで手当てされるため不要としている。また福祉用具貸与に係る離島等での交通費の加算については、「交通費相当額/1単位単価」であり、税率引上げ後に事業者は課税転嫁された交通費相当額を算定できるので不要としている。

他方、上乗せ対応する加算の具体的処理方法については、上記2つの加算を除くすべての加算について、評価内容に占める課税費用の割合が大きいと考えれるものについては、基本単位数への上乗せ率と同じく課税費用に係る上乗せを行うこととしてはどうかとしている。
●評価内容に占める課税費用の割合が小さいもの(サービス提供体制強化加算、個別機能訓練加算等)
●もとの単位数の設定が小さく、上乗せ分が1単位に満たないもの(入浴介助加算、日常生活継続支援加算、療養食加算等)

具体的にはこれらについて、個別に上乗せ分を算出して対応することは困難であるが、報酬全体として見た場合、加算分への影響も含め適切に手当てされることが必要と指摘。このため基本単位数への上乗せに際し、これらの加算に対する消費税負担分も含めて上乗せしてはどうかとしている。

具体的な計算式としては、「基本単位数への上乗せ=基本単位数×(基本単位上乗せ率+加算に係る上乗せ率)」で算定する。

委員からは異論は出ず「最適解がない問題ではあるが、方向性としてこの考え方で対応するべき」と意見の一致をみた。

(ii)では、(a)基準費用額、特定入所者介護サービス費(b)区分支給限度基準額―に分けて、介護事業経営概況調査の結果や、消費税引上げによるサービス利用料への影響を考えた対応が必要として、次の論点が示された(p17参照)。

(a)の基準費用額、特定入所者介護サービス費については、「食費、居住費の実態を調査した結果、現行の基準費用額を設定した際の費用額(介護事業経営概況調査結果)と、消費税引上げの影響を加味した費用額(介護事業経営概況調査結果に「108/105」を乗じた額)に一定の変動が認められるが、当該変動幅をどのように考えるべきか。また、利用者の負担限度額については、入所者の所得状況等を勘案して決めていることをどのように考えるべきか」が論点になる。

千葉委員(福祉医療機構経営支援室経営企画課長)は「コストが足りていて儲かっているから上げなくてよいというわけではない。介護は公共料金であり、公共料金とは上限を設定することだが、それより低い額を設定している事業者はほぼない。事業者が一部のみ負担しており価格メカニズムが働いていないため、上げる必要があるとの説明が必要」と指摘した。

このほか委員からは検討の方向性に異論はなく、介護事業経営調査結果などを精査して議論していくべきとしている。

(b)の区分支給限度基準額は、在宅サービスについて利用者の状況に応じた適正なサービスを提供するため、必要な居宅介護サービスのモデルを用い、要介護度ごとに区分支給限度基準額を設定している。 支給限度額を超えるサービスを受けた場合、超える分の費用は全額利用者負担となる。

厚労省は、区分支給限度基準額は消費税引上げの際の重要な論点であると強調。消費税引上げに伴う介護報酬への上乗せ対応を行った場合、従来と同じサービスを利用しているにも関わらず、区分支給限度基準額を超える可能性を指摘。また27年度予定の消費税率10%への引上げ時には、通常の改定時の対応に加えて今回の消費税引上げ対応と同様のシステム改修が保険者に必要となる可能性があり、大規模改修となる負担も考慮しながら、医療保険の動向も踏まえて検討する必要があると説明した。

委員会では、この点に留意しつつ、結論を得るよう介護給付費分科会に提言することで意見の一致を見た。これを踏まえ、12月10日の社会保障審議会「介護給付費分科会」において、消費税率引上げ時の区分支給限度基準額の対応方針が審議される予定だ(介護保険最新情報Vol.345)(p65~p66参照)。

また委員会では、(1)の平成25年度介護事業経営概況調査結果が厚労省から示され、今後細かい分析を行うことが説明された(p3~p14参照)。(3)の平成26年度介護事業経営実態調査の実施については、より正確で分析に用いることが可能なデータを多く回収するため、調査用紙の項目等について委員から指摘がなされている(p20~p64参照)。

ケアマネドットコムトップ--配信日:2013/12/05

生活保護2法案:成立 受給手続き厳格化

2013年12月10日 00時44分29秒 | 障害者の自立
 就労支援による「脱・生活保護」を鮮明にした生活保護法改正案と、生活困窮者自立支援法案(ともに参院では可決済み)が6日、衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。生活保護法の抜本改正は1950年の施行以来初めて。保護脱却に力点を置く一方、受給手続きは厳格化するとあって「受給へのハードルが上がる」との懸念も出ている。

 8月の生活保護受給者は約216万人と過去最多水準が続く。政府は8月から保護費のうち食費など「生活扶助」の最大10%削減に着手済み。2法の成立で「アメとムチ」の枠組みがそろうが、財務省は今後、家賃相当の「住宅扶助」などにも切り込む構えだ。

 2法のうち、改正生活保護法では「就労自立給付金」を新設する。受給者が働くと控除分を除いた稼ぎが保護費から減額されるため、就労意欲がわきにくいとされる。このため2014年7月からは賃金の一定額を積み立てたとみなし、保護を抜ければ負担が必要になる税金や社会保険料に充てられるようにする。生活困窮者自立支援法は生活保護寸前の人を支えるため、各地の自治体に相談窓口を置くなどの内容だ。

 2法とも就労支援による自立を強く促している。だが、埼玉県の元受給者、高野昭博さん(58)は3年近く就労指導を受けながら就職できなかった。今は知人の紹介先で働くものの「受け皿がないと無理。雇う側に生活保護への差別意識があるのも問題」。ある自治体の担当者は「低賃金の職場に押し込んでも(保護費で暮らせるため)劣悪な就労環境の維持を手助けするだけ」と指摘する。

 改正生活保護法は受給申請時に資産や収入、親族の扶養状況を文書で提出することを義務付けた。「窓口で申請をはねる『水際作戦』の法制化だ」との指摘を受け、口頭申請も認めるとしたが、一連の改革は困窮者を就労指導に招き寄せ、生活保護から遠ざける「沖合作戦」とも批判される。一度保護を抜け、体調を崩して再び受給を始めた千葉県の適応障害の女性(34)は「『助けて』と訴えても救われないのでは。保護から抜けるのが怖くて仕方ない」と話す。【遠藤拓】

==============

 ◆生活保護関連2法 骨子

 ◇改正生活保護法

・健康保持、収入・支出の把握を受給者の努力義務に(2014年1月〜)

・就労自立給付金の創設(14年7月〜)

・自治体の調査権限拡大(同)

・不正受給の罰金を100万円以下に引き上げ、返還金も上乗せ(同)

・申請手続きで書面提出を原則義務化(同)

 ◇生活困窮者自立支援法

・一般的就労への前段階「中間的就労」を制度化(13年12月〜)

・自治体やNPOなどが相談を受け自立を支援(15年4月〜)

・住居確保給付金を支給(同)

毎日新聞 2013年12月07日 東京朝刊