安全や安心など川崎市独自の基準「かわさき基準(KIS)」を満たした福祉製品を活用し、バリアフリーな店舗をつくる取り組みが、JR川崎駅東口の「さいか屋川崎店」で行われている。建物を改修せずに、踏み台や手すりなどの福祉製品でバリアーを除去するという費用負担の少ない取り組み。市などでつくるKIS推進協議会の呼び掛けに同店が応じた。27日には実際に障害者らが参加し、導入によってどれくらい便利になったかをチェックした。
KISは市内の福祉産業の活性化を図り、川崎発の福祉製品を充実させていくことが目的。「人格・尊厳の尊重」「利用者意見の反映」「利用しやすさ」など八つの理念に基づき、同推進協議会が認証している。2008年度の制度創設以来、84製品が認証を受けている。
今回の取り組みは、KISの認知度向上とともに、誰もが生活しやすいまちづくりを進めようと初めて実施。主要な顧客がシニア層で、建物も古い同店と連携して行われた。
この日は、いずれも両足に障害がある女性(76)=川崎区=と、車いすの男性(65)=高津区=が参加。事前に行ったフィールドワークに基づき、店内8カ所に7種類の製品が導入され、利便性をチェックした。
このうち5階のトイレ入り口には、段差を緩和するための「ブロックビルド」と呼ばれる踏み台と、滑り止め加工がされた手すり「プライマ手すり」の2製品を導入。女性は、「便利でうれしい。こういう店が増えれば、外に出ようという気になる」と笑顔で話した。
別のトイレには、手をかざすだけで自動的に紙が折り畳まれてカットされる「紙トール」のほか、柄の長い靴べらなども取り入れられている。男性も「完璧なバリアフリーはないが、こういう製品を導入してくれれば、店に対し困ったときにも助けてくれるんだなという印象になる」と話していた。
市は「たとえ建物が古くてもKIS製品を使えば利用者に優しい店舗になる」としており、今後もほかの商業施設に広げていく方針。
カナロコ(神奈川新聞) 2014年2月28日
KISは市内の福祉産業の活性化を図り、川崎発の福祉製品を充実させていくことが目的。「人格・尊厳の尊重」「利用者意見の反映」「利用しやすさ」など八つの理念に基づき、同推進協議会が認証している。2008年度の制度創設以来、84製品が認証を受けている。
今回の取り組みは、KISの認知度向上とともに、誰もが生活しやすいまちづくりを進めようと初めて実施。主要な顧客がシニア層で、建物も古い同店と連携して行われた。
この日は、いずれも両足に障害がある女性(76)=川崎区=と、車いすの男性(65)=高津区=が参加。事前に行ったフィールドワークに基づき、店内8カ所に7種類の製品が導入され、利便性をチェックした。
このうち5階のトイレ入り口には、段差を緩和するための「ブロックビルド」と呼ばれる踏み台と、滑り止め加工がされた手すり「プライマ手すり」の2製品を導入。女性は、「便利でうれしい。こういう店が増えれば、外に出ようという気になる」と笑顔で話した。
別のトイレには、手をかざすだけで自動的に紙が折り畳まれてカットされる「紙トール」のほか、柄の長い靴べらなども取り入れられている。男性も「完璧なバリアフリーはないが、こういう製品を導入してくれれば、店に対し困ったときにも助けてくれるんだなという印象になる」と話していた。
市は「たとえ建物が古くてもKIS製品を使えば利用者に優しい店舗になる」としており、今後もほかの商業施設に広げていく方針。
カナロコ(神奈川新聞) 2014年2月28日