ゴエモンのつぶやき

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費用も人員も限られる更生保護施設 「切れ目」なく寄り添う難しさ浮き彫り

2015年01月02日 02時03分37秒 | 障害者の自立

「娑婆(しゃば)での生活にようやく慣れてきた」「自分も働いて収入を得たい」

 10月15日午後7時すぎ。関西のある更生保護施設の会議室で、元受刑者の入所者7人が車座に並べたパイプ椅子(いす)に座っていた。軽度の知的障害を持つ入所者の姿もある。日中は各自、仕事や住居を探しに外出するため、集まれるのは夜間ぐらいしかない。

 ただの談笑ではない。対人関係で直面する問題を想定した社会生活技能訓練(SST)の一幕だ。

 この施設はコミュニケーションに時間を割いてSSTを行っている。講師を務める精神保健福祉士の女性(33)が、その狙いを明かした。「刑務所では、安心して正直に話せる機会が少ない。『どんな話でも聴いてもらえる』と思わせることで、やる気を引き出したい」

 原則半年という短い入所期間では、参加者の入れ替わりが激しい。雑談で一人一人の性格や知能レベルを把握し、より効果的な授業をしたいといった思惑もあるという。

1回きりの限界

 更生保護施設による元受刑者への支援は、寝食の提供や職探しの手伝いにとどまらない。この施設は「新しい生き方スタート講座」として、飲酒や薬物などに関する1回1時間の再犯防止教育を全7回設けている。そのうち1回分を、SSTに充てているのだ。

 一見すると充実したプログラムのようだが、精神保健福祉士の女性は意外にもこう語った。「SSTは反復が重要。現状では本来の効果が期待できない」

 PFI刑務所の播磨社会復帰促進センター(兵庫県加古川市)では、SSTは最長34回に及ぶ。知人とすれ違ったときのあいさつから就職試験の模擬面接まで内容は幅広く、実践訓練を重ねることで効果を上げようとしている。

 一方でこの施設では、ごく一部の参加者しか実演に挑戦できない。

 この日は薬物犯罪で服役していた元受刑者の男性が、再び薬物を勧められる場面を想定した練習に臨んだ。が、相手は別の入所者。逃げ場をふさぐようなきわどい言葉はなく、たどたどしいせりふを10分足らず交わしただけで、実演は終わってしまった。

SOSを出す

 刑罰による償いを終えた「累犯障害者」がスムーズに社会の一員となるには、刑務所にいるうちから教育されることはもちろん、出口にある更生保護施設でも切れ目のないプログラムを受けることが理想だ。

 だが、現実は厳しい。法務省によれば、全国の更生保護施設104カ所(当時)のうち、平成24年度にSSTを行ったのは3分の1強の34カ所。この施設でさえ、外部の専門家を講師に招くようになったのはまだ3年ほど前と、歴史は浅い。

 民間の善意をよりどころとする更生保護施設では、教育に充てる費用も人員も限られる。そんな中で、SSTを行うことにどんな意味があるのだろうか。

 精神保健福祉士の女性は言う。「福祉や医療の存在を知ってもらうだけで意味がある。施設を出て、社会で再び罪を犯しそうになったとき、助けを求められることを思いだせるからだ」

 累犯障害者が刑務所に舞い戻り、再び社会から遠ざかる事態を避けたい。これは刑罰の現場で活動する人たちにも共通する願いだ。

 塀の中から出口、そして社会へ。途切れることなく寄り添う福祉の力が、改めて問われている。

2014.12.31      産経ニュース


「卒業後も6時まで支援を」 重度障害者ケア確立へ署名活動

2015年01月02日 01時58分14秒 | 障害者の自立

 特別支援学校に子どもたちを通わせる親たちを中心に、重度障害者の学校卒業後の夕方支援の充実を求める署名活動が展開されている。昨年暮れに桜本で開いた集会では、保護者たちの切実な声が聞かれた。

「仕事で辞めざるを得ない」

 「卒業後の放課後支援を考える会」は、四谷上町在住の伊東悦子さんらが中心となって昨年暮れに発足した。

 障害のある児童・生徒の放課後支援は、タイムケア事業と放課後等デイサービス事業によって午後6時前後まで行われている。ただ、高校を卒業し、生活介護施設などに通うようになると、支援がなくなり、午後3時30分頃には帰宅するようになる。雇用環境を理由に帰宅時間が早まっているという。そのため「学校時代は苦労して何とか協力し合って就労を継続してきたにもかかわらず、卒業後、仕事を辞めざるを得ない」「介護負担が増える」といったケースが後を絶たない。 

 12月23日には桜本で「卒業後の夕方支援を考えるつどい」を開催。子どもを支援学校に通わせる保護者ら40人が集まり、実体験を語った。「進路相談や個人面談は4時以降に行われるので、兄弟のために動ける時間が制限される」「3時から6時は主婦からすると忙しい。少しの間だけでも預かってもらえるといっぱいいっぱいにならなくてすんで助かる」といった切実な声が聞かれた。自身が入院することになり、子どもを誰に預けるか悩んだ話や両親の介護のために苦労した話なども聞かれた。また、「子どもたちにとっても放課後支援の場はリフレッシュする場ともなっている」と指摘する声もあった。

 「保護者にとってはまったなしの問題」と伊東さん。別の発起人の一人は「障害者も人、家族も人。人が人として生きるには親も子も『疲れたね』『頑張ったね』と言い合える当たり前の生活をするためにも、通所施設のケア体制確立が必要ではないか」と訴えた。

 同会ではまずは1月末まで署名活動を展開し、市議会への働きかけを行う。

 署名活動は事務局の社会福祉法人 青丘社高齢者・障がい者生活サポートネットワーク ほっとらいん(【電話】044・270・6127)でも行っている。

2015年1月2日 金曜日       タウンニュース


誰もが働きやすい職場を目指して

2015年01月02日 01時54分25秒 | 障害者の自立

 弁当・総菜・サンドイッチの製造・販売などを行っている市内材木座の手作り弁当店「バニーフーズ」は、「人に優しい、社会に優しい」をモットーに、創業して今年で31年目。バニーグループとして現在働いている約110人の従業員のうち、半数が心や体、発達に障害を持つ人たちで、障害者雇用の先駆的な企業として全国的に知られている。

 高橋良治社長は「障害者雇用を始めてなにより驚いたのが、それまでギクシャクしていた職場が変わったこと。『相手を思いやる』という当たり前のことの大切さを、スタッフ全員が再認識した」と話す。

 正社員は現在18人。ここ数年新卒採用を進めていることもあり、平均年齢は34歳と若くなっている。社内では様々な委員会・部門別会議などの話し合いの場が設けられ、日々「どうしたらもっと良い職場になるか」新しいアイデアが生まれているという。

配達社員募集

 そんな同社では、配達担当の正社員を募集している。できたての弁当を、市内はもちろん逗子市や葉山町の企業、学校、施設などに届ける仕事だ。「お客様に商品を届けるため責任が大きいが、直接『美味しい』や『ありがとう』と言われるポジション。人と接することが好きな人が向いているかも」と話すのは総務部の廣川さん。

 入社4年目、葉山出身の富田信さんは足に障害を持つが、配達担当として1年半勤務。現在は正社員として厨房での仕込みを担当している。

 富田さんは「配達でお客さんとやりとりした経験が今生きている。より美味しいお弁当をどうやって届けるか。皆で話し合い、考えるのは楽しい」と笑顔で話した。

2015年1月1日    タウンニュース


心を診る あなたは何をしてほしいのか

2015年01月02日 01時49分06秒 | 障害者の自立

新年早々に失敗談を打ち明ける。といっても、今から10年以上も前のエピソードだ。

大きな病院の救命救急センターで連日のように自殺未遂の患者さんを診ていた。当時、その施設には年間100人を超える自殺企図患者さんが入院してきた。私は良くない意味で診療に「慣れて」しまっていたのかも知れない。その患者さんは、複雑な社会的事情の中で苦しみ抜いた末に自殺を図った中年の男性だった。

ベッドの脇には白い杖が立てかけてあった。その男性は、幼少時から全盲だった。私はベッドサイドに座り、面接を始めた。

患者さんは、自殺を図るまでに追い詰められた、複雑な事情と苦悩を話してくれた。一通り聴き終えた後で、私は大体こんなことを言ったように記憶している。「目が不自由な上に、そのような苦労が重なって、さぞ大変だったことでしょうね」

ところがその途端、患者さんは起き上がって、声を荒げてこう返してきた。「先生、私は目が不自由だからとはひと言も言っていませんよ。そういうのは視覚障害者に対する、よくありがちな無理解です。今の私は全盲で苦しんでいるのではないですよ。目が見えなくて可哀想だと思ったんでしょう?視覚障害者の気持ちはそうじゃないですよ、先生、よく憶えておいてください。認識を改めてください」。私ははっとしたが、患者さんの言う意味がよく理解できたので、直ちに心からの謝罪をした。

今年、医師になって27年目を迎えるが、多くの患者さんを診療する経験を積んだので、ある程度の勘がはたらくようにもなった。「先生、よくわかりますね、どうしてそんなに人のことがわかるのですか?」などと患者さんや周囲の人から驚かれたり、お世辞を言われたりすることもある。そのようなときには、この視覚障害の患者さんの言葉を思い出して、慢心しないように自分を戒めることにしている。そして次の聖書箇所も思い浮かべる。

マルコの福音書10章51節では、イエスの前に立った目の不自由な人に対して、イエスは「私に何をしてほしいのか」と尋ねている。もし我々がその場に立ち会ったなら、それはさぞ間抜けな質問に思われたのではなかろうか。癒やしの奇跡を起こして様々な病気を治しているイエスの前に、全盲の人が立ったのだ。わざわざ聞かなくとも、目を治してもらいたいのに決まっているではないか、そう思う方が自然であろう。しかしイエスは私がおかしたような間違いをしていない。相手が一見して目が不自由だとわかっていても、「目が見えるようになりたいと望んでいるに決まっている」などと勝手に断定しなかったのだ。先入観を持たず、相手の必要を知るプロセスを省略せずに、丁寧な言葉で尋ねている。イエスは「何をしてほしいのか」と問いかけている。質問は、“yes”、“no”では答えることの出来ない、いわゆるオープンクエスチョンのスタイルだ。相手の考えを相手の言葉で表現させ、正確に捉えるときの基本的な手法をきちんと守っている。

聖書の中には、医療者やカウンセラーなど、全ての援助者がとるべき基本的な態度を教えられる箇所がたくさんある。ここの箇所もその一つだ。相手の本当の必要を知るには、まずは先入観を排して、虚心坦懐に正面から向かい合い、丁寧に相手の言葉に耳を傾けることが大切だ。“yes”、”no”で答えられないオープンクエスチョンを向けることによって、相手の言葉で自由に発言してもらえる。先入観や決めつけは禁物。どんなことを言われても驚かない姿勢、無批判な態度、忙しそうにせず、時間はたっぷりあるように見せ、相手に最大の関心を示して話を聴く態度をとってこそ、深い苦悩を打ち明けようという気持ちになってもらえるのだ。

どんな仕事でもそうかも知れないが、キャリアを積んで勘が磨かれてくると、手間のかかるプロセスを省略したくなるものだ。迅速に結論が出せるので、ベテランならではの冴えたスキルとして光り、実際に役に立つことも多い。しかし経験が長くなってきた今こそ、イエスでさえ基本に忠実だったことを今一度心に覚えて、新たな年、臨床に臨んで行きたい。

宇田川雅彦(うだがわ・まさひこ)

船橋市立医療センター精神科医。医学博士。特定非営利活動法人キリスト教メンタル・ケア・センター(CMCC)理事。医療法人財団シロアム会副理事長。日本同盟基督教団新船橋キリスト教会会員。

2015年1月1日    クリスチャントゥデイ


バリアフリー映画を体験

2015年01月02日 01時46分38秒 | 障害者の自立

 茅ヶ崎市立図書館が市役所分庁舎6階コミュニティホールで1月24日(土)、バリアフリー映画の上映会を開催する。

 時間は午前10時から午後0時30分まで(開場9時30分)。参加無料。一般の申込みは1月7日(水)午前9時から図書館カウンターに直接または電話で申し込む。定員は申込み先着順60人。

 2012年の本屋大賞で1位に輝いた三浦しをんの同名ベストセラーを映画化した「舟を編む」が上映される。

 バリアフリー映画は視覚障害者向けの音声ガイドや聴覚障害者向けの日本語字幕が付いた映画で、同館の企画では初の上映となる。

 問い合わせは図書館【電話】0467・87・1001へ。

2015年1月1日    タウンニュース