下松市は、意思をうまく伝えられない障害者や65歳以上が持ち歩く「ヘルプカード」を作製した。必要な支援や連絡先などを記入しておく。市内在住・在勤学者を対象に2月2日から市役所で無料配布。県内初の取り組みで、「災害など緊急時の手助けがスムーズにできるように、利用してほしい」と呼び掛けている。
首にかけるストラップと透明なカードケースのセットで配布。名刺サイズの表に「カードを開いて記録内容をもとに手助けをお願いします」とあり、提示して支援を求める仕組み。裏面に交通機関を使っての外出時や災害の際に必要な支援を書いておく欄がある。中面に障害・病名、住所、連絡先、かかりつけ医療機関、服薬状況、通所施設、早口は苦手といった「本人の対応についてお願い」などを記入できる。
一般配布を前に下松市役所で20日、施設利用者2人への贈呈式があった。井川成正市長から首にかけてもらった花崎政也さん(43)は「背が低いので、買い物で商品を取ってもらうときに使う」と話した。
市福祉支援課によると、ヘルプカードの配布は2006年、石川県で始まった。東日本大震災以降、取り組む自治体が増えたが、県内では下松市が初めて。発達障害の子を持つ保護者からの要望に応えて、様式を整えた東京都のカードを参考に作製した。
カードの役割について、各自治会の回覧板で周知し、手助けを促す。問い合わせは福祉支援課(0833・45・1835)。
〔山口東版〕 毎日新聞 2015年01月21日