知的障害者自立・就労支援事業所れもん徳島(徳島市新町橋2)が、紙製の米袋を再利用して手作りしたバッグを開発し、販売を始めた。約3年前から試作と改良を重ね、質感や耐久性を高める工夫を施して商品化にこぎ着けた。担当者は「広く受け入れられる魅力的な商品を作りたかった。評価を通じて通所者の就労意欲を高め、自立につなげたい」と話している。
商品名は、米袋を再生させたことにちなんで「コンドワバッグ」(今度はバッグ)と名付けた。試作段階ではホチキスなどで留めていた持ち手や底の結合部分をミシン縫いに改良し、蜜蝋を塗ったり柿渋染めにしたりして上質な仕上がりにした。材質が米袋だけに丈夫で、数キロの荷物を入れても耐えられる。
17人いる通所者のうちミシン縫いを担当する中山綾さん(19)ら3人が、支援ワーカーの折野百合さん(47)とともに米袋の裁断や折り込みなどのパートに分かれて製作している。米袋は折野さん宅が営む米穀店から調達している。
昨秋、完成品を東京の店舗に売り込んだところ評判が良く、折野さんは「いいものを作って評価されれば通所者の自信になる。働く障害者の工賃アップにもつなげたい」と話している。
A4サイズの書類などが入れられる30キロ用米袋を使ったものは柿渋染めが2100円、蜜蝋仕上げが1900円。10キロ用袋を使ったランチバッグサイズは柿渋染めで2千円。
現在は約20個を製作し、25日まで徳島市南新町2のギャラリー「LAKU」で展示販売している。以降の問い合わせは、平日午前8時半から午後5時まで、れもん徳島<電088(679)8824>で受け付ける。
【写真説明】れもん徳島が販売を始めた米袋再生バッグの「コンドワバッグ」=徳島市南新町2のギャラリー「LAKU」
2015/1/22 徳島新聞