障害者などの新しい雇用の場をつくろうとIT関連の企業グループが長崎市に事業所を開設した。
事業所を開設したのはIT関連の企業グループ「アイエスエフネットライフ長崎」。グループは国内外に拠点を持ち、従業員約3000人のうち4割が障害者やニートなどの就労困難な人たちで占めている。長崎市の事業所では事務作業のためのパソコン操作やコールセンター業務のための発声や受け答えなど就労に必要な訓練を行う。2年後までに300人の雇用を目指すという。
エクアドルで開かれる知的障害者スポーツ世界大会「グローバルゲームス2015」(21〜27日)に、秋田市牛島の加藤隆生さん(26)=総合型地域スポーツクラブ勤務=がフットサル日本代表のメンバーとして出場する。日本は21日午前11時(日本時間22日午前1時)からの初戦で、フランスと対戦する予定。加藤さんは「得点に絡むパスを出してチームに貢献したい」と意気込んでいる。
大会は国際知的障害者スポーツ連盟(INAS)の主催。4年に1度の最高峰の世界大会で、フットサルに日本が出場するのは今回が初めて。予選リーグは6カ国の総当たりで行われる。
加藤さんは「もう一つのワールドカップ」と呼ばれる知的障害者サッカー世界選手権に過去3度出場し、GKやMFを務めた
加藤さんは「フットサルの世界レベルがどのくらいのものなのかを知ることができる。とても楽しみ。全力でぶつかってきたい」と声を弾ませた。
知的障害者フットサル日本代表に選ばれた加藤さん
2015/09/21 秋田魁新報
昼時で混み合う中華料理店での話。車いすで入店しようとした客に店員が言う。「混んでいるから午後2時以降に来て」。差別ではないかとの苦情に店員が言い返す。「午後2時以降なら入店できるから差別じゃない」
▼県外での話だが、それぞれが考える差別の認識に差がある。店員は混雑を理由に配慮したつもりだろうが、その時間でのサービスを拒否している
▼障がいを理由にした直接差別は減ってはいる。だがいかにも中立的基準、規則、慣行を装う、こうした間接差別が今もある
▼宜野湾市内で開かれた障がい者差別に関する研修会で内閣府障害者政策委員の佐藤聡さんが言った。「差別かどうかを測る共通の物差しがない」。全国で認識に差のある間接差別が報告されているという
▼ハードな行程を理由に修学旅行への辞退を促された身体に障がいのある生徒。「犬の立ち入り禁止」との規則を盾に盲導犬との入店を拒否された全盲者。精神的発作を起こし解雇された人。そんな幾多の悔しさと悲しみを積み重ねて障害者差別解消法が来年4月施行される
▼間接、関連差別が明記されず、あらが目立つ法律との声も施行前からある。それでも障がい者団体にとっては改善への足掛かりになるという。差別を測る物差しづくりは社会全体の共同作業である。目盛りは細かく鮮明に。差別解消への道筋を描きたい。
2015年9月22日 琉球新報