ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

自分の音楽を大切に 発達障害のピアニストが本出版

2015年09月27日 10時54分41秒 | 障害者の自立

■ピアニスト野田あすかさん(33)

 人の顔を見ても誰だかわからず、表情も読みとれない――。子どもの頃から悩み、隠してきた。でも、言われたことを守るので、小学校の通知表には「素直で真面目な子」と書かれた。

 2歳から家のオルガンで遊び始め、やがてピアノの道へ。宮崎大芸術文化コースに進学したが、過呼吸を繰り返し、2年で退学。宮崎女子短大音楽科(当時)に入り直すが、22歳のとき、留学先のウィーンで再び過呼吸を起こし、広汎(こうはん)性発達障害と診断された。

 帰国後、パニックとなって自宅2階から飛び降り、足の骨を粉砕骨折した。ピアノをやめたくなったが、恩師から「感情がそのまま出てて、すてきな音よ」と言われ、自信が持てた。27歳で出場した「国際障害者ピアノフェスティバル」で、銀メダルとオリジナル作品賞、芸術賞を受賞した。

 いまは宮崎市内の自宅でピアノ教室を開き、県内外の老人施設や学校へ演奏に出向く。「挑戦すること、見守ってくれる人がいること。ピアノさんが教えてくれた」

 5月、そんな胸の内をつづった本「発達障害のピアニストからの手紙」(アスコム)を、CD付きで出版した。自作の一曲「生きるためのメロディ」で、こう歌う。

 みんなとは少し違うけど私だけの音楽 この音楽を大切にしよう 人と自分が違っても それがきっと 生きるということ

写真・図版

2015年9月26日      朝日新聞デジタル


人と仲良くなりたい 知的障害ある女性がメッセージ

2015年09月27日 10時45分14秒 | 障害者の自立

知的障害にもいろいろある。鳥取市気高町勝見の山本秀美さん(22)は一見、障害があるようには見えない。その場の空気を読むこともできる。だから傷つきやすい。駅の階段を下りるのが怖くて足取りが重く、後ろの人に舌打ちをされた。悔しくて家に帰ってから泣いた。お金の計算も苦手なので、家でドリルを使って勉強している。米子市で今月開かれた県民総合福祉大会で、知的障害について知ってもらい仲良くなりたい、という山本さんのメッセージが代読され、聴衆の心を打った。山本さんを訪ねた。

 山本さんは、うぶみ苑多機能型事業所(鳥取市湖山町)に所属し、4月からは平日の週5日間、仲間4人と養護老人ホーム・鳥取市なごみ苑(同市的場2丁目)で終日、清掃作業をしている。

 仕事場では「人とのコミュニケーションに気をつけている」と話す。入所のお年寄りには「体調はどう」「元気にしてる」などと声を掛ける。お礼を言われるとうれしいという。

 うぶみ苑の山根美代子職業指導員(50)によると、体調のよくない仲間に「休んどきんさい。私たちが頑張るけん」と気遣うことも。山本さんは「表情とかでしんどそうだと分かる」と話す。

 県民大会に寄せたメッセージについて聞くと「いろんな障害があることを知ってもらいたい」と答えた。

 自宅で母るり子さん(52)に話を聞いた。山本さんは小さい時から人が好きで、活発だった。小学校高学年になると、自分が周りの人とちょっと違うことに気付き、恥ずかしがり屋になった。

 山本さんがつづったメッセージについて「人の迷惑にならないよう、こんなにも気にしているとは思わなかった」と振り返る。

 レジでお金を支払うときは、時間がかかって後ろの人の迷惑にならないよう、紙幣を出すようるり子さんが助言した。時計の2時40分を8時10分や2時8分に間違えたりするので、家で時計のドリルもする。頑張り屋さんだ。

 「今の清掃の仕事がもっと上手にできるようになってほしい。正義感が強く潔癖過ぎるところがあるので、広い心でくよくよ気にせずに楽しく過ごせるように」と願う。

 障害への社会の理解については「いろんなタイプの障害者がいる。直接関わらなくても、何か事情があるのだと、おおらかな気持ちで接していただければ」と話した。

■自分なりに頑張っています 山本秀美さんのメッセージ(要約)

 私は、たきのうがたじぎょうしょにかよって4年目です。まいにち、しょくどうのそうじや、はこおりのしごとをいっしょうけんめいがんばっています。

 私は、こんなけいけんをしました。えきのかいだんをおりるのがこわく、ゆっくりとしかおりれなくて、うしろの人に、「おそい。」といって、したうちをされたのです。くやしくて、いえにかえってから、なきました。

 また、かいもののときには、レジでお金をはらうのがむずかしく、じかんがかかって、うしろにぎょうれつができてしまいました。はずかしさとくやしさでいっぱいになりました。

 そんなけいけんがあって健常者のかたに知的障がいについてしっていただきたいとおもったのです。そして、いっしょになかよくなりたいです。

 私は、レジでスムーズにはらえるようにおさつを出して、おつりをもらうようにしています。いえでは、けいさんドリルやとけいのドリルをして、べんきょうしています。人にめいわくをかけないようにしたいからです。

 わたしは、こうしてじぶんなりにがんばっています。そのことをまわりの人びとにもわかってもらいたいとおもいます。

仕事場での清掃作業の合間、仲間に笑顔を見せる山本さん=鳥取市的場2丁目の養護老人ホームなごみ苑

2015年9月26日       日本海新聞