ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

複雑な救済制度…視覚障害者の「門前払い」を防ぐには

2018年01月12日 16時03分57秒 | 障害者の自立

無理解、誤解…「門前払い」のダメージ

 これまで、このコラムで何回か指摘してきましたが、視覚障害者に対する日本の救済制度は複雑です。急に障害者になった人が、生活に不自由さを抱える中、自分だけでこの救済制度を利用できるところまで到達するのは容易ではありません。

 しかも、障害を持った当事者が最初に相談するのは、おそらく医師や病院・医院のスタッフだと思いますが、これらの人たちは診断・治療に関する専門家ではあっても、複雑な救済制度を理解したうえで患者に適切な情報を提供できるほどの知識を持っている人は少数です。結局は、当事者が自分で見つけてくるしかないのです。

障害者に寄り添うよりも…行政側は不正申請チェック?

 最近の年金支給漏れのニュース「 年金機構のミス2万5426件…現在も月平均100件 」をみても、当の年金機構側が制度への誤解などからミスを発生させています。素人である一般の国民にとって、現在の社会保障制度が複雑すぎるという欠陥があることは明らかです(「 年金支給漏れ どう確認…改定通知書に振替加算額 」)。

 いったい、省庁、地方自治体、年金事務所など行政機関の窓口担当者は、相談者に寄り添い、少しでも社会保障のセーフティーネット(安全網)を機能させようという姿勢で、最新の知識や制度を勉強して対応しているのでしょうか。

 それらの担当者は多忙なこともあるかと思います。しかし、当事者が実際どれだけ不自由な生活を送り、どれだけ困っているのかについて考えて対応することよりも、制度を運用する法律などの文字面(づら)を睨(にら)んで、障害者からの申請がそれに合致するかどうかや、不正に申請しようとしていないかを厳密に調べることを求められているように見えてしまいます。

 私の患者さんの中にも、明らかに障害にあてはまるのに、申請先の窓口担当者が勉強不足で、法改正などによる最新の考え方・取り組みを知らないために、救済制度の「適応外」と判断されてしまうことがありました。

 まぶしさや痛み、目の渇きなどがおこる眼瞼(がんけん)けいれんという病気のため眼を開けて生活することが難しい人が、障害年金を申請しようとした時のことでした。

 当時の窓口担当者は、この病名を初めて聞いたとのことで、以前に取り扱ったことはもちろんありませんでした。結局、この担当者の無理解や誤解によって、この患者の申請は門前払いされてしまいました。

 私はそんな時、「それはおかしいから、もう一度別の人に話してみたらどうか」などと、勧めることがあります。しかし、いったん窓口で門前払いされた患者は、我々が想像するよりも数倍の心理的ダメージを受けており、なかなか次の行動に移せなくなります。

 そうなることで、患者が自分の障害を受け入れるまでの時間が余計にかかってしまうだけでなく、国や自治体に対する不信感や諦めの気持ちを募らせることにさえなってしまうのです。

「小さな幸せ感」が生まれれば…

 逆に、患者が円滑かつ迅速にセーフティーネットの支援を受けることができれば、「たとえ治らなくても、病気と共存して生活していこう」と前向きに人生を歩めるだけでなく、「良い国に生まれた」という感慨を持つでしょう。その周囲の人たちにも「小さな幸せ感」が生まれるに違いありません。

 患者たちの申請がどうすれば通るのか、行政の窓口担当者が親身になって丁寧に説明すること、申請が通るまで支え続けることは、時間も労力もかかるかもしれません。しかし、当事者に寄り添うことは社会的に大きな価値をもたらすはずです。

 窓口がそんな雰囲気になっていくには、どうしたらいいのでしょうか。まず政府が、障害者を交えた日本社会全体に温かい目を向けていることがわかる施策を行うことが大切なのだろうと思います。

 このような「小さな幸せ感」は、必ずや、日本の社会や経済への大きな効果をもたらす「種」になるのではないでしょうか。

 私の患者さんの中にも、明らかに障害にあてはまるのに、申請先の窓口担当者が勉強不足で、法改正などによる最新の考え方・取り組みを知らないために、救済制度の「適応外」と判断されてしまうことがありました。

 まぶしさや痛み、目の渇きなどがおこる眼瞼(がんけん)けいれんという病気のため眼を開けて生活することが難しい人が、障害年金を申請しようとした時のことでした。

 当時の窓口担当者は、この病名を初めて聞いたとのことで、以前に取り扱ったことはもちろんありませんでした。結局、この担当者の無理解や誤解によって、この患者の申請は門前払いされてしまいました。

 私はそんな時、「それはおかしいから、もう一度別の人に話してみたらどうか」などと、勧めることがあります。しかし、いったん窓口で門前払いされた患者は、我々が想像するよりも数倍の心理的ダメージを受けており、なかなか次の行動に移せなくなります。

 そうなることで、患者が自分の障害を受け入れるまでの時間が余計にかかってしまうだけでなく、国や自治体に対する不信感や諦めの気持ちを募らせることにさえなってしまうのです。

2018年1月11日      読売新聞

 

「音のVR」が視覚障害者の安全をサポートする!

2018年01月12日 15時55分17秒 | 障害者の自立

仮想空間内での聴覚訓練

 視覚障害児や視覚障害者にとって、音によって周囲の状況を認知する技能の獲得は不可欠である。この技能には、自動車など音を発する物体を察知するだけではなく、壁のように音を発しない物体を反射音などで把握するといった高度なものも含まれる。

 しかし、視覚障害教育・リハビリテーションでの訓練では、実際の環境で経験を積み重ねる以外に有効な方法がないのが現実であった。これでは、訓練に慣れていない視覚障害者が訓練時に危険に遭遇したり、限られた生活環境の中での訓練しか行えないなど、安全性・多様性の面で改善すべき余地があった。

 このような背景を踏まえ、産総研は2003年より国立障害者リハビリテーションセンターと共同で、3次元音響と呼ばれる音のバーチャルリアリティー(VR)技術を活用し、仮想空間内で多様な訓練を安全に行える技術の研究開発を開始した。そして、05年に最初の訓練システムを世界に先駆けて完成させた。

ストレス軽減


 実証実験の過程で、音のVRを用いたこのシステムを利用すると、歩行訓練時のストレスの軽減効果や、訓練生が本来の歩行経路から外れて歩いてしまう現象についての軽減効果があることも明らかにした。

 さらに08年より、東北大学などと共同で、訓練システムの小型化、低コスト化の検討を進めた。従来の3次元音響技術では高価な専用半導体素子を用いていたが、これを普通のパソコンとソフトウエア処理だけで実現することができた。

計測精度向上


 VRに必要な、利用者の頭部位置の計測については、高価格・高精度の位置センサーの代わりに、低価格のゲームコントローラーに内蔵された低精度の位置センサーを用い、ソフトウエア処理によって位置計測の精度を向上させた。これらの改良により、この訓練システムを、特殊な装置が不要のパソコンのソフトウエアとして実現し、利用者の経済的負担を大幅に低減して、容易に導入できるようにした。

 開発した訓練システムのソフトウエアは、10年にβ版、13年に正式版を公開し、視覚障害関係団体に無償で提供している。現在も改良を継続しており、17年12月までに5回のアップデートを行い、公開してきた。提供実績は国内外90件に達している。今後も利用者からのフィードバックをもとに、改良研究を継続してアップデートを続ける予定である。

【一言メッセージ/産総研人間情報研究部門身体適応支援工学研究グループ上級主任研究員 関喜一】
北海道出身。四半世紀に渡り、視覚障害者が音によって周囲の様子を把握する能力の研究に従事。研究成果を基に、視覚障害教育・リハビリテーションで使用する聴覚訓練システムの開発と運用、視覚障害生活訓練専門職員の育成、国土交通省バリアフリー法ガイドラインの作成、情報アクセシビリティーに関する標準化などを行う。

日刊工業新聞     2018年1月11日


障害者雇用 短時間の精神障害者のカウントは

2018年01月12日 15時47分56秒 | 障害者の自立

Q

4月から障害者雇用率の引上げとともに、精神障害者が対象に含まれることになるといいます。週の所定労働時間が短い短時間労働者として雇用したときのカウントですが、身体障害者、知的障害者を含め、どうなっているのでしょうか。

A

障害者雇用促進法43条では、雇用する労働者数に、障害者雇用率(平成30年4月から民間企業は2・2%、障雇令9条、障雇令平29附則2)を乗じた数以上であるようにしなければならないとしています。

法43条3項で、短時間労働者について規定しています。短時間労働者は、0・5人(則6条)とカウントします。短時間とは、週30時間未満とされています(平6・3・8労働省告示12号)。厚労省「障害者雇用実態調査」等では、週所定労働時間が20時間以上30時間未満を短時間労働者としています。

そのうち精神障害者で雇入れの日から起算して3年を経過するまでの間にある等の要件を満たす場合に、0・5人から「1人」へ引き上げる方針が示されています。

2018.01.11    労働新聞社


日田市成人式 障害介助者の入場を断る 説明不十分で出席断念も

2018年01月12日 15時36分32秒 | 障害者の自立

 日田市の成人式(7日・パトリア日田)で、知的障害のある新成人に介助のため同行した保護者が入り口で入場を断られていたことが10日、分かった。別の知的障害者は保護者の付き添いに関して十分な説明を受けていなかったことから出席を断念していた。市は「配慮が不足していた」と、関係者に謝罪した。
 市教委によると、入場を拒否されたのは女性6人の母親。本来、介助の付き添いは認められている。昨年、会場に定員以上の人が入り、今年は安全対策として保護者の入場を制限したため、入り口の職員が勘違いしたという。
 6人のうち1人は姉が連れ添うことができたが、5人は同伴者がいなかった。母親の一人(53)は「知らない人が多い場所に1人で行かせるのは心配だった。本人も不安だったと思う。障害者への理解が浸透していない」と批判した。
 出席を断念した男性は、父親(50)が昨年、市の障害者福祉担当部署に式の参加について相談していた。父親によると、「市職員の付き添いはできない」と言われ、保護者の同伴に関する説明はなかったという。市は9日に自宅を訪問し、成人証を渡した。
 市教委社会教育課の池田寿生課長は「事実を重く受け止め、関係者におわび申し上げる。障害に応じた支援策や分かりやすい事前案内、職員間の連携強化を進める」と話した。

 ※この記事は、1月11日大分合同新聞朝刊21ページに掲載されています。    2018/01/11

 


日経リサーチ、障がい者の視点に立った新しい調査サービス 「ユニバーサルデザイン(UD)リサーチ」をリリース

2018年01月12日 15時19分46秒 | 障害者の自立

 株式会社日経リサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三宅誠一)は障がい者や高齢者の視点に立った新しい調査サービス「ユニバーサルデザイン(UD)リサーチ」を始めます。「UD」とは年齢や性別、国籍、障がいの有無などにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるように意図されたデザインのことです。障がい者や高齢者が暮らしやすい社会はすべての人にとっても暮らしやすい社会であり、障がい者や高齢者が日常生活で感じる不便や気づきは、すべての人が暮らしやすくなるための示唆を含んでいると考えます。日経リサーチは各種調査活動を通じて企業にこの示唆を提供し、真のサービス向上に貢献していきます。

 日経リサーチが提供するのは次の3つのサービスです。
1.ユニバーサルな観点から現状を把握するためのUD定量調査
 障がい者や高齢者を対象とした郵送、電話、インターネットなどを使った定量調査です。調査票にUDフォントを使用するのはもちろん、対象者のご不便にあわせて「見やすさ」「答えやすさ」を考慮し、調査を設計します。

2.ユニバーサルな観点からの気づきを得るUD対面調査
 対象となる方の障がいやご不便に沿った座談会や1on1のインタビュー調査、会場テスト(CLT)を設計・実施し、そこから様々な気づきを提供します。異なる障がいがある方を一度に集めた座談会などにも対応します。

3.ユニバーサルな観点から検証するUDミステリーショッパー
 障がい者や高齢者の方が調査員となって、ユニバーサルな観点から設備やサービスをチェックするUDミステリーショッパーです。調査終了後に調査員による座談会やインタビュー調査などを実施することも可能です。

 日経リサーチのUDリサーチサービスには次のような特徴があります。
1.総合調査会社ならではの調査設計・レポートのご提供
 総合調査会社として長年にわたる各種調査活動で蓄積した豊富な知見とノウハウがベースになっています。ここに障がい者や高齢者の視点をプラスし、調査設計からレポーティングまで幅広くご提供。今までになかった気づきを得られます。

2.複数のパートナーとの提携で難易度の高い調査も実現
 障がい者とネットワークを持つNPO法人や企業など複数のパートナーと連携することで、一般のマーケティングリサーチではモニターや調査員になっていただくことが難しい障がい者や高齢者の方へのリーチを実現。難易度の高い調査にも対応できます。

【主なパートナー】
・NPO施無畏(せむい)「Co-Co Life(ココライフ)☆女子部」編集部
障がい者を対象としたコミュニティー雑誌「Co-Co Life☆女子部」を発行するNPO法人。 700人以上の障がい者で構成する読者モニターのネットワークを形成している。会場調査やグループインタビューの実績もある。

・NPO法人 実利用者研究機構
ユニバーサルデザインコーディネーター資格の認定機関で、UDの研究機関として各種調査・商品開発の実績もある。障がい者だけでなく、ユニバーサルリテラシーを有する健常者のネットワークも有する。

・有限会社 ジャコ(代表取締役 小梨由美氏)
小梨氏はマーケティングプランナー、グループインタビューのモデレーターとして当社との付き合いが長い。氏自身も脳性まひによる障がい者で、ユニバーサル社会の実現をビジネステーマに加えて活動中。

3.UDリテラシーを習得したリサーチャーが調査を担当
日経リサーチの担当リサーチャーは全員が3級ユニバーサルデザインコーディネーターの資格を取得しています。同時に、障がい者を対象とした調査を実際に重ねることで、調査におけるUDリテラシーを高めるよう日々努めています。

▼詳しくはこちらをご覧ください。
リンク

UDが注目される背景
 2016年4月に「障害者差別解消法」が施行され、国の行政機関や地方公共団体および民間事業者には、障がい者に対する「不当な差別的取り扱いの禁止」が法的に義務付けられました。同時に、障がい者が社会の中のバリアを感じずに生活できるような「合理的配慮の提供」も国と地方自治体には法的義務、民間事業者には努力義務とされました。
 さらに、2020年夏には東京でオリンピックとパラリンピックが開催されます。開催地である東京やその周辺地域には、海外から多数の外国人や障がい者が集まることが予想され、各種施設や設備、サービスなどの整備が必要となります。この時、重要になるのが、ユニバーサルデザイン(UD)の思想です。
 また、2025年に日本は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となります。将来的にUDの対象はますます拡大する可能性があります。

株式会社日経リサーチ     2018年01月11日

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