ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

相模原事件の植松聖被告とは、何者か? 

2018年01月03日 02時19分07秒 | 障害者の自立

ラジオドキュメンタリー『SCRATCH 線を引く人達』

2016年7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設で元職員・植松聖被告が入所者19名を殺害した「相模原事件」は、異常な人間が起こした異常な出来事として、もはや忘れ去られようとしています。

異常な出来事であることは間違いありませんが、背景は「異常な人間」と「異常」だけなのでしょうか?

重度障害児の父である記者・神戸金史さんが、事件から受けた衝撃、植松聖被告と会ってみようとするまでのとまどい、面会して交わした会話、そしてその後の思いの変化を描くラジオドキュメンタリー『SCRATCH 線を引く人達』(TBSラジオ・RKB毎日放送 共同ドキュメンタリー企画)は、事件そのものならず、事件の真の背景である「現代」を生きることそのものを、深く静かに問いかけてきます。

放送されたのは2017年12月29日ですが、2018年1月5日まで radico.jp で聴けます

人間の価値を決めるのは誰なのか?

2016年7月26日の事件直後、植松被告が衆議院議長に宛てた手紙の

「障害者は不幸を作ることしかできません」

という一節が、大きな反響を呼び起こしました。障害児者と親しい人々の「そんなバカな」「なんということを」という反応もあれば、「その通り、障害者はお荷物だ」という反応もありました。

相模原事件の政治利用についていけない

私自身は、この後、相模原事件とは最低限の関わりをしていました。

この直後の2016年8月、厚労省に「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」が設置されました。チームは8回の検討の後、2016年12月、ざっくり言えば「医療と警察との連携」「簡単に措置入院を解除しない」「措置入院解除後は警察も含めて状況把握を怠らず」という内容の結論をまとめました。精神医療の目的が「治療」ではなく「危ない人を閉じ込めておく」であることを示しているも同然のこれらの内容を含めて、2017年に精神保健福祉法改正案が提出されました。いったん廃案となりましたが、本年2018年、国会に再提出される見通しです。

事件の衝撃も生々しい間に始まった行政による政治利用、その政治利用に対抗する立場のいたし方ない政治利用に、私は正直なところ、「ついていけない」「受け止めきれない」という思いしかありませんでした。

共感や同情は期待できるものなのか

事件直後、重度障害児を持つ放送記者の神戸金史さんが、障害のある息子さんへの思いをフェイスブックに綴った文章が話題になりました(後に書籍化 Amazon書籍ページ)。そして、大きな共感を呼び起こしました。

私は当惑しました。世の中にこんなにも障害児・障害者やその家族の思いへの想像力や共感があるのなら、なぜ、日本の障害者福祉は、現在のような状況なのだろうかと。そして「期待するな」と自分に言い聞かせました。どうせ一時的なものだろう、と。

そういうわけで私は、神戸さんのご著書や作品は、見られないままでした。「見ようとすることが辛い」としか言いようがない感情がありました。

この動画は、神戸さんの文章を歌詞とした在日韓国人ミュージシャン・趙博さんの歌に、多数の障害児の生まれた時と現在の写真を重ねあわせたものです。

太い線で分けられようとしている今だからこそ、聴いてみた

しかしその間にも、障害者政策・施策はどんどん、障害者を「働ける」「働けない」で区分けするようなものになりつつあります。

しかも問題は、「働ける」と「働けない」の間に、超えようとしても超えられない大きなギャップがあることです。そして、超えて「働ける」側に行ってしまうと、生きること・暮らすことを支える障害者福祉が利用しづらくなります。一気にギャップを乗り越えた上、どのような福祉も必要としないレベルに達しない限り、「働けない」障害者の世界に押し込められてしまうというわけです。

その「働けない」障害者には生活保護がありますが、年々、最低限度ではあるけれど「健康で文化的な」生活という建前をかなぐり捨て、「生かさず殺さず」「まだ死んでない」という方向に進みつつあります。

でも、今回の神戸さんたちの作品のタイトルは、地面に線を引く「scratch」という行為から取られています。

そういう説明を読んで、私は「聴いてみよう」と決意しました。

私自身が、「太い線やギャップによって、世の中から見えないところに押しやられようとしている」というプレッシャを感じ続けているからです。

植松被告がいう「心失者」とは

植松被告は、殺すべき障害者を「心失者」と呼びます。人の心を失っているから「心失者」。人の幸せを奪い、不幸をばらまく存在なので、安楽死させるべきなのだそうです。

自身も重度障害児の親である神戸さんは、植松被告に手紙を書きました。すると返事があり、

「楽しい存在である子どもの心失者を人間として70年間養うために、どれだけの金と人手が必要なのだろうか? 泥水をすすり飲みながら死ぬ子どもがいるのに」

という内容の記述があったといいます。

私はギョッとしました。これは、相対的貧困状態にある日本の子どもに対してしばしば浴びせられる「途上国の絶対的貧困の子どもよりマシ、ゼイタク言うな」という言葉そのものではありませんか。

そして確信しました。植松被告の考え方は、おそらく、日本の「ふつう」なのだと。

ただし、「死ね」「殺せ」と声に出したり書いたりすることと、実際に殺傷事件を起こすことは、大きく異なります。植松被告は手紙の中で、「殺すべき人がいたら殺すことは、いたし方ない」とも記しています。そして、神戸さんが重度障害児の親であることを承知しつつ、

「自分の子どもが可愛いのは当然かもしれませんが、いつまで生かしておくつもりなのでしょうか」

と記すのです。番組では、神戸さん自身の動揺が語られています。

私自身もこの箇所で大きく動揺しました。「障害者には長く生きてほしくない」というメッセージが、行政から発せられ続けているも同然だからです。ここ数年、「障害者65歳問題」が障害者にとっての深刻な問題となっています。障害者は65歳になると、健常者に対しては75歳から適用される後期高齢者医療制度・介護保険(障害者福祉ではなく)が原則となります。ここにも「線引き」があります。

誰が線を引けるのか?

そして神戸さんは、植松被告と面会します。緊張感漂うやりとりは、ぜひ『SCRATCH 線を引く人達』を聴いていただきたいところですが、驚くべきことは、植松被告のいう「心失者」の内容です。

植松被告によれば、「心失者」とは「意思疎通が出来ない人」です。「意思疎通が出来ない」とは、「自分の氏名・年齢・住所が言えない」です。事件は真夜中のことでした。起こして「おはようございます」と答えた人は刺さなかったということです。

植松被告が「心失者」という存在に気づいたきっかけは、「津久井やまゆり園」入所者のお葬式を所内で行ったときのことだったそうです。お葬式の最中に入所者の一人が「おやつは?」と言ったことから、「心がない」と考えたのだそうです。仲間の死を悲しむ感情と「おやつは?」は、両立する可能性があります。もちろん神戸さんも、そこを鋭く質問しています。しかし植松被告は、その人々に「人間の心がない」とする見方を変えず、我が子の様子から心の存在や意思疎通の可能性を語る神戸さんに

「人としての感情がないのは、分かります。家族が、感情があると思おうとするのは分かります」

と答えます。

やり取りを通じて、神戸さんは、植松被告を「ふつうの青年」と感じたそうです。浅はかで、薄っぺらな知識で重大なことを判断している、平凡で気弱そうな若い青年。

「時代の子」の一人として

神戸さんは最後に、ホームレスなどマイノリティ支援を30年以上行っている奥田知志氏(東八幡キリスト教会牧師)に意見を求めます。

奥田氏は相模原事件に対して、「いつかこういう時代がくると思っていた嫌な予感が当たった」と語り、「これからが恐ろしい」という気持ちもあるといいます。その一方で、植松被告自身の「社会から認められていない」という気持ちを指摘します。

奥田氏は、職を失っていた26歳の植松被告が、働いていないことに感じていた大きなプレッシャと、自分の意義を発見するために「日本と世界の経済を救う」という論理を発見したこと、そこには、加害被害関係を巻き込む形で経済の渦があることを指摘します。

結局、生きづらいのは全員なのです。施設や精神科病院に障害者を隔離すれば、「自分たちは安心して生き延びられる」というわけではないのです。

「助けて」と言うことは社会のために必要

そして奥田さんは、「人間は一人では生きていけない」ということを強調します。

どんな人にも、いずれ、高齢になり病人になり、あるいは障害者になる可能性があります。だから、今の誰かの「助けて」という声を大切にすることが、将来のあなたのために必要だ……それは、「自己責任論」の方を含め、多くの人に届く可能性のある論理です。

しかし奥田さんは、「人間は一人では生きていけない」からこそ、助けを求めることは必要なのだと言います。

発想の転換です。自分が助けを求めることそのものが、社会の力になるという発想です。助けを必要とする人々は、社会のお荷物ではないのです。

すべての人が実際に、そんなふうに実感しながら生きることを、公共や制度が支える世の中に。それは、私が自分の仕事を通じて近づきたい境地でもあります。

番組末尾、神戸さんは植松被告との面会を通じて、「彼との間に自分が引いていた線が、少し薄まった」と語ります。そして、彼も自分も「時代の子」なのだと認識したと。

私も、重度障害児の親である神戸さん(なにしろ私は結婚も出産も育児もしてませんから)、有名メディア企業に勤務する由緒正しい記者である神戸さん、日本のみならず世界に大きな共感のうねりを起こした神戸さんに対して何となく引いていた線が、少しだけ薄まったのを感じました。

『SCRATCH 線を引く人達』は、2018年1月5日まで、radico.jpで聴けます。

Yahoo!ニュース 個人    みわよしこ  | フリーランスライター


倉敷市がA型利用者数2割削減 18年度方針、初のマイナス改定

2018年01月03日 02時09分26秒 | 障害者の自立

 倉敷市が障害者の働く就労継続支援A型事業所の利用者数を2018年度は現状から約200人(2割)減らして652人に抑える意向を固めたことが、分かった。昨夏に市内のA型事業所5カ所が閉鎖し、障害者224人が一斉に解雇された問題を受けて、今後の利用見込みを盛り込む計画の改定を慎重に進めている。06年度に開設以来、増え続けているA型事業所の利用者を減らすのは初めて。

 市の第5期障害福祉計画(18~20年度)の素案に明記した。大量解雇後の38カ所の計845人(17年9月)の利用者を、18年度は2割減らしてその後も抑制する。

 障害者とA型事業所を橋渡しする市内の相談支援事業所12カ所から運営に関する実態報告を受け、「いま、A型事業所で働いている障害者のうち、3割程度が適性を欠いているとみられるが、将来の新規需要を考慮し、2割減が妥当」(市障がい福祉課)と判断した。

 利用者の適性について、同課は「一般企業での就労を目指せる人」としている。該当しない人には雇用契約を結ばないB型事業所に移行を促す場合が多いとみられる。

 第5期計画の素案では、18年度のB型利用者を17年9月比で310人(3割)増の1334人と見込んでいる。

 市はこれまで、3年に1回のペースで計画を改定し、A型事業所で働く障害者を増やしてきたが、大量解雇を受けて18年度以降は減少に転じる。一方、岡山県内でA型事業所を所管する県、岡山、新見市はニーズが増加傾向にあるとして、18年度の利用者を引き続き増やす予定。昨秋にA型事業所の障害者106人を解雇した一般社団法人のある福山市は横ばいとする意向だ。

岡山、広島、香川の障害者、再就職決定は6割

 岡山、広島、香川県の労働局が昨年12月末までにまとめた集計によると、3県の就労継続支援A型事業所で大量解雇された障害者計389人のうち、再就職が決まったのは230人で6割にとどまっている。再就職先はA型事業所が多い。

 一般社団法人「あじさいの輪」などグループ2法人(倉敷市片島町)から昨年7月に倉敷、高松市の計7事業所を解雇された283人のうち、再就職が決まったのは208人(73・5%)。一般社団法人「しあわせの庭」(福山市曙町)の福山、府中市の計2事業所では同11月に解雇された106人のうち、再就職が決まったのは22人(20・8%)で、8割がまだ職を探している。

 新しい職場で働きだしても辞めたケースがあり、定着できるかも課題となっている。

 就労継続支援A型事業所 一般企業で働くのが難しい障害者らに就労の機会を提供する事業として、2006年施行の障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)で制度化された。利用者は事業者と雇用契約を結び、最低賃金以上が保証される。事業所数はここ数年で急増、全国に約3700カ所ある。しかし、事業普及のために設定された行政からの手厚い補助金を目当てにするケースもあり、その対策が課題となっている。

 


脳性まひハンディ越え華道の先生

2018年01月03日 01時59分54秒 | 障害者の自立

経済的自立目指し稽古励む

 脳性まひで手足に障害のある福井市の男性が華道に打ち込み、他人に教えられる免状(資格)を取得、自宅で生け花を教えている。弟子には同じ脳性まひの男性もおり、華道の楽しみを周りの人に伝えていくとともに、障害年金などに頼らない経済的自立を目指して稽古と指導に励んでいる。

 この男性は同市の安田喬さん(40)。幼いころから脳性まひによる障害があり、車いすで生活している。約20年前に実家のある福井県敦賀市内で生け花の作品展を訪れた際、女性指導者に誘われて入門。先生の立ち居振る舞いや言葉遣いにも引かれ、華道にのめり込んでいった。

 家庭の事情でいったん華道を離れたが、福井での1人暮らしを機に2012年に再開した。障害のハンディを埋めようと、華道家元池坊福井支部長の佐々木憲乗さん(71)の出張個人指導を月に2~4回受けるようになった。

 「泣きたくなるほど難しいが自分に負けたくない」。厳しい教えに挫折しそうになりながらも、佐々木さんも太鼓判を押す「真面目さと向上心」でめきめきと上達。人に教えられる「脇教授3級」の免状を昨年7月に取得した。インターネットで知識を仕入れるだけでなく、握力の弱い左手をゴムボールで鍛えるなど努力が支えになった。

 現在の3人の弟子のうち、同じ脳性まひの広瀬久幸さん(59)は、「安田さんに教えてもらえるなら」と華道を始めたという。「教えること自体が自分の勉強になる」と熱っぽく語る安田さんは、教室が持てるさらに上の免状「正教授」取得を目標とする。「将来は弟子を増やし、華道の先生として自立したい」。社会保障に頼らない生活を目指している。

 佐々木さんは「安田さんの頑張りは、障害者に対してだけでなく、社会全体の刺激になる」と話す。「花が好きだから」という安田さんに、佐々木さんは「これからも精進し、日本の伝統文化を支える一人に」と期待を寄せている。

華道家元池坊の佐々木憲乗支部長(左から2人目)の手ほどきを受ける安田喬さん(左)

2018年1月1日     福井新聞


高齢者や子ども安全に、見守りステッカー刷新 京都・南丹

2018年01月03日 01時49分58秒 | 障害者の自立

 京都府南丹市の園部町民生児童委員協議会が、子どもや高齢者の見守りに使うステッカーを新調した。「安心安全の目印にしてほしい」と呼び掛けている。

 ステッカーは横約50センチ、縦約30センチのマグネット式。イラストは委員がデザインし、子どもと高齢者が手を取り合う姿を描いた。

 同協議会は、本年度から子育て環境の整備に関する活動を重点的に取り組んでおり、その一環として刷新した。委員43人の自家用車に貼り付け、子どもの登下校や高齢者宅への訪問などに活用する。

 大坪洋子会長(74)は「ステッカーを目にすることで、見守っていると感じてもらいたい」と話している。

園部町民生児童委員協議会が約15年ぶりに刷新した見守り用のステッカー(京都府南丹市園部町)
園部町民生児童委員協議会が約15年ぶりに刷新した見守り用のステッカー(京都府南丹市園部町)

 2018年01月01日   京都新聞


時間に「さわれる」腕時計。健常者と障害者の垣根をなくすデザイン

2018年01月03日 01時29分13秒 | 障害者の自立

視力がなくても、目は見えるものだ。むしろ視力がないからこそ、周囲の光景をはっきりと感じ取ることができるのかもしれない。

音楽界の巨人スティービー・ワンダーは、自らの目で光を見た経験がない。しかしだからこそ、世の現象を肌で感じる能力に彼は特化した。スティービーはアメリカ国内で深刻化する人種問題や銃犯罪問題をはっきりと捉えている。目で見たのではなく、全身でその風を受け止めたのだ。そのスティービーが愛用する腕時計、eoneのBradley Timepieceは「時間にさわれる」時計だ。

この時計は二つのボールで時を表す。文字盤のボールは「分」、側面のボールは「時間」だ。これに触れるだけで、目で見なくとも時刻が分かるようになっている。WatchではなくTimepieceと名付けられている理由もそこにある。だが、Bradley Timepieceは「視覚障害者用の腕時計」ではないということは明言しておく必要がある。現にユーザーの多くは健常者だ。「障害者に向けた製品」ではなく「健常者と障害者の垣根をなくす製品」と表現するべきだろう。

Bradley Timepieceは、パラリンピック競泳選手のブラッドリー・スナイダーが開発に関わっている。ブラッドリーは米軍人としてアフガニスタンに従軍していたが、爆弾処理作業の失敗で両目を失った。だがそこから立ち直り、わずか1年後のロンドンパラリンピックで3つのメダルを手にしたのだ。不屈の英雄の名を冠したBradley Timepieceは、フォーマルにもカジュアルにも馴染む洗練されたデザインが特徴だ。

eoneの創業者であるキム・ヒョンス氏がBradley Timepieceを開発したきっかけは、MITのMBA在学時に起こった出来事に遡る。授業の際に、隣りに座っていた視覚障害者の友人がこう質問した。

「ヒョンス、今何時だい?」

一度や二度、そう聞かれることはザラにある。だがその友人は、何度も同じ質問をする。ヒョンス青年は疑問に思った。友人に腕には視覚障害者用の腕時計がちゃんとはめられているからだ。

「その時計を使えばいいじゃないか。」だが、授業の最中の教室で読み上げ式の時計を使うわけにはいけない。それに気づいたヒョンス青年は、やがて自分自身が視覚障害者用腕時計を作ろうと思い立つ。

ところが、開発の半ばであることに気づいた。障害の有無に関わらず、人はデザインやカラーで製品を見るという事実だ。視覚障害者は自分の着ている服の色を意識しないというのは大きな間違いだ。そうでなければスティービー・ワンダーは国際的なトレンドセッターになっていなかったはずだ。健常者でも振り向くようなデザイン性を製品に与えなければ、決して普及することはない。当たり前の話だが、偏見はその「当たり前」を見えなくしてしまう。

そして今月、Bradley Timepieceは新たな時を刻もうとしている。ブラインドサッカー日本代表の加藤健人とコラボレーションしたモデルが、10月24日に発売される。ブラインドサッカーとは、転がると音が鳴るボールを使った視覚障害者競技だ。選手は視覚以外の感覚を総動員してボールを追いかける。健常者は視覚障害者を「暗闇の中の住人」と捉えがちだが、実はそうではない。視力の代わりに全身の神経を使って物の存在を特定し、聞こえたもの、触れたものを決して逃さない。その極致がブラインドサッカーという競技である。そこにあるのは、どこまでも広がる「自由」という名のフィールドだ。

視力がなくても、目は見えるものだ。むしろ視力がないからこそ、周囲の光景をはっきりと感じ取ることができるのかもしれない。

音楽界の巨人スティービー・ワンダーは、自らの目で光を見た経験がない。しかしだからこそ、世の現象を肌で感じる能力に彼は特化した。スティービーはアメリカ国内で深刻化する人種問題や銃犯罪問題をはっきりと捉えている。目で見たのではなく、全身でその風を受け止めたのだ。そのスティービーが愛用する腕時計、eoneのBradley Timepieceは「時間にさわれる」時計だ。

10月 24, 2017