ゴエモンのつぶやき

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難病カルテ:患者たちのいま/10 「難病サポーター」に聞く /佐賀

2011年08月29日 01時45分35秒 | 障害者の自立
 ◇一歩踏み出す勇気を--患者や障害者を受け入れる作業所を運営する江頭邦子さん

 連載「難病カルテ」はこれまで、生活や就職、症状の進行に不安を抱えながら、懸命に生きようとする患者の姿を伝えてきた。そんな患者たちを支えようと、さまざまな活動をしている人たちがいる。そこで連載10回ごとに「難病サポーター」の人たちに、思いや課題を聞くインタビューを掲載する。1回目は、膠原(こうげん)病の一種、混合性結合組織病を持つ一方、難病患者を受け入れる作業所を設立した江頭邦子さん=佐賀市=に話を聞いた。

 --難病患者向け作業設立のきっかけは。

 膠原病の患者会で活動していたのですが「ただ集まるだけでなく、何か収入を得る方法はないか」と考え始めました。私は有職者でしたが、仕事が無い患者が多かったのです。そこで、自宅を活動拠点に、02年に準備会を始め、翌年に3人で、ツルを使った手作りのリース製作・販売から始めました。

 --現在は難病患者に限らず、障害者を受け入れている。

 知的、身体、精神障害者の方々も受け入れています。自動車部品の組み立てなどを通し、就職の足がかりとする作業所、交流と簡単な作業を中心にする場所など、3カ所を運営しています。現在、利用者計30人のうち、難病患者は3人です。

 --就職に結びついた難病患者もいる。

 作業所で生活のリズムを作ることで、一般就労に結びつくこともあります。実際、今年も膠原病や重症筋無力症の患者2人が就職できました。

 --一方で、就職には課題も多い。

 受け入れ先の理解が広がりません。病気を明かさずに就職しても、体調を崩して結局離職する、というケースも多い。「疲れやすい」ということは本人しかわからず、外見からは見えにくい。サボっている、怠けていると思われ、理解を求めても「また言うの」と思われる。

 --必要なことは。

 一つは「障害者枠」との線引きをなくすこと。難病患者は障害者手帳などを持っていない人も多く、そのために、支援メニューが限定的になっています。20年前から、同じことを訴え続けているのに、なぜ改善しないのか、納得できません。

 --難病患者へ呼びかけたいことは。

 お茶を飲みに来るだけでもいい、作業所に来てみてほしい。勇気を持ち、一歩を踏み出してほしい。難病を持ち、多くの苦しみを受け「心の壁」を作っている患者も多いと思うけど、家の中で一人で苦しんでいるより、きっと、先が開けると思うから。

毎日新聞 2011年8月28日 地方版


東日本大震災:グループホーム型仮設住宅、規模限定で用地確保できず /岩手

2011年08月29日 01時39分21秒 | 障害者の自立
 ◇社福法人、整備申請を断念

 東日本大震災で被災した高齢者や障害者向けの「グループホーム(GH)型仮設住宅」を巡り、県が規模の大きい「定員10人」のタイプに整備を限ったため、地元の複数の社会福祉法人が用地確保ができないことを理由に、整備申請を断念していたことがわかった。一方、宮城県はニーズに合わせ定員に幅を持たせており、専門家は「岩手も柔軟な対応で建設できたはず」と指摘している。

 GH型仮設住宅は、バリアフリー対応や共同生活向きの間取りが特徴。国が示す「標準プラン」を基に各県が定員や広さなどを決め、社会福祉法人の整備申請を受けて建てる。適当な公有地がないなどの場合、法人が自ら用地を探さなければならないこともある。

 県建築住宅課によると、国からは大小2通りのプランを示されたが、整備のスピードや効率を優先し、一つのタイプに限定。5月ごろ「定員10人、用地は32メートル×9メートル」と決め、高齢者向けと障害者向けを各6棟建設した。

 入居間近だった定員5人の障害者GHを津波で流された、釜石市の社会福祉法人「豊心会」の菊池久仁彦施設長は「大型のものが収まる土地は見つかるはずもなく、申請はあきらめた」と話す。「早く障害者施設から出たい」「介助者が亡くなったので利用したい」といった要望が相次いでいるが、再開のめどは立たないという。

 定員5人の障害者GHを失った大船渡市の社会福祉法人「大洋会」は、定員5人の小型タイプなら建つ用地を県に示したが認められなかった。県が建てた定員10人タイプのうち、1棟を運営するあすなろ会(陸前高田市)の西條一恵施設長も「大きな用地が必要だったため、地権者に無理を言って用立ててもらった。小さいものを建てられるよう融通を利かせてほしかった」と話す。

 GHの調査研究をしている「日本グループホーム学会」(事務局・横浜市)によると、GHは高齢者向けなら定員10人前後、障害者向けは同4~6人が一般的。宮城県は定員9~10人と5~7人の複数のタイプを建てている。県内には一般の仮設住宅に空きが出ており、室津滋樹事務局長は「GHへの活用を検討すべきだ」と話している。

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 ■ことば

 ◇グループホーム
 少人数の認知症高齢者や障害者が、介護サービスや生活援助を受けながら共同生活する住まい。主に介護保険法に基づく認知症高齢者グループホームと、障害者自立支援法に基づくグループホーム・ケアホームとに分類される。障害者グループホームは地域における自立生活を支える目的が大きいため、三陸沿岸部では市街地の一軒家を借りるケースが多い。岩手、宮城の2県では計18カ所が津波で流失または地震で全壊した。

毎日新聞 2011年8月28日 地方版


ボランティア 今年も「夏の家」に  重症障害者とふれあい合宿

2011年08月29日 01時37分04秒 | 障害者の自立
 多摩区で活動する市民団体「市重症心身障害者を守る会」(山崎健一会長)の主催で、車いす利用の重症心身障害者が、二十六日から二泊三日の合宿「夏の家」を川崎市宮前区の市青少年の家で行っている。

 外出の機会が少ない障害者の家族に息抜きの時間を持ってもらおうと企画された合宿で、今年で十四年目だ。

 市内外に住む十一~三十六歳の重症心身障害者は十七人が参加。二十六日はボランティアたちとゲームや打楽器演奏を楽しんだ。

 ボランティアの大半は高校、大学生や学生時代から続けている「リピーター」の社会人。リピーターの一人の男性ボランティア(23)は「居心地のいい世界。外とは違うこの世界が楽しい」。

 山崎代表も「ボランティアは合宿参加者と同年代。感性のふれあいを通して影響し合っている」と目を細める。合宿を経験して、福祉の道に進んだボランティアも多いという。

東京新聞

知的障害者が障害者グループホーム運営 NPO「ピア」島原で

2011年08月29日 01時34分59秒 | 障害者の自立
 知的障害者の生活支援や電話相談などに取り組んでいる知的障害者の当事者団体、NPO法人「ふれあいネットワーク・ピア」(本部諫早市福田町)が、障害者向けのグループホームの運営に乗り出した。障害者自らが福祉事業に参入するのは全国でも珍しい。

 「ピア」は障害者向けの福祉事業を展開する社会福祉法人南高愛隣会(雲仙市瑞穂町)の利用者で組織している。1989年に発足し、2005年にNPO法人化。県内に5支部あり、会員は約400人。重度障害者の自宅に出向いて話し相手になったり、家事の手伝いをする人材派遣事業や電話相談事業(いずれも有償)などを行っている。

 発足当初から会員間で福祉事業への参入を望む声が強く、05年には社会福祉法人化を試みたが「能力的に難しい」と県に認可されなかった。しかし今回、万が一運営面でトラブルが起きた場合、愛隣会が「後ろ盾」となることで、7月1日付で福祉事業開始について県の認可が下りた。現在、愛隣会から移管された島原市有明町のグループホーム・ケアホーム「ありあけ」(定員26人)の運営に当たっている。

 事業主体の変更を機に、「ありあけ」の職員は全員愛隣会をいったん退職。軽度の知的障害がある「ピア」の理事らが面接を行い、「障害者に寄り添うことができる人か」を見極めた上で、再雇用する職員を決めた。運営が軌道に乗れば、今後、日中の生活支援など他の福祉事業にも手を広げたい考えだ。

 「ピア」の辻浩一郎理事長(31)は「運営する側も障害者なので、利用者と対等の目線でサービスを提供できると思う」。南高愛隣会の田島良昭理事長(66)は「当事者自らが福祉事業を手掛けるのは全国でも異例。障害者同士が支え合う仕組みをバックアップしたい」と話している。

長崎新聞 -

接客 自立への一歩 知的障害者のカフェ

2011年08月29日 01時31分48秒 | 障害者の自立
  知的障害者が働くカフェやフラワーショップなどの複合施設「ほほえみ工房 ぱれっと道後」(松山市道後町2丁目)が今月、オープンした。接客を通じて地域住民と触れ合い、知的障害者への理解を深めてもらうと同時に、知的障害者への就労支援につなげるのがねらい。


  ぱれっと道後は元々、県の知的障害者訓練校として、フラワーショップやクリーニング店などを営んでいた。 障害者自立支援法で定められた就労継続支援事業所(B型)になったのを契機に「ぱれっと道後」に改称し、今月4日、カフェ「花楽里(か・ら・り)」をオープンした。


  37人の入所者が利用していた食堂を改装し、テーブル12席とカウンター4席のカフェスペースと、県産品のアンテナショップコーナーを設置。 入所者が調理補助や接客を担当し、調理やレジはぱれっとの職員が受け持つ。


  メニューはコーヒーなどのドリンク(150円)のほか、専属のパティシエが作ったシュークリーム(150円)やシフォンケーキ(250円)などのスイーツを提供。県産食材にこだわり、ランチタイム(午前11時~午後2時)には地元産のナスやカボチャを使った旬の野菜カレー(500円)や、宇和島水産高校の実習船で水揚げしたマグロのネギトロ丼(500円)もある。


  アンテナショップには、系列の授産施設で作ったジャムや雑貨のほか、県立農業・水産高校で作った缶詰や、県内農家から仕入れた無農薬野菜などが並ぶ。


  オープニングイベントがあった4~6日には地元住民など計1千人あまりが訪れたという。


  県障害福祉課によると、県内で認可を受けている就労継続支援事業所は95件(6月1日現在)。 大半は清掃や組み立てなど、接客を伴わない業種だ。


  「花楽里」のスタッフも、オープン当初は慣れない接客業に戸惑っていた。 お客さんの前であいさつや笑顔ができなかったり、アイスコーヒーに氷を入れ忘れたり。 それでも、徐々にコツをつかみ、進んでテーブルを拭くなど、動きに余裕も出てきた。 ホールで接客する野沢朋子さん(38)は「慣れない立ち仕事で初めはしんどかったけど、なじみのあるお客さんに『ありがとう』と言ってもらえるのがうれしいです」と話す。


  徳永一彦所長は「接客を通じ、地域の方々とじかに触れ合うことで、コミュニケーションに自信をつけてもらい、就労への動機付けとなってくれれば何より」と話す。
 「ぱれっと道後」ではカフェの他、従来のフラワーショップやクリーニング店も営業、清掃業務の委託事業も行っている。 午前10時~午後6時、日曜祝日休み。 問い合わせは県社会福祉事業団(089・924・0111)。 

朝日新聞