観・環・感

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恐るべきツボカビ症

2007年06月12日 | 自然・環境
今日の朝日新聞に、米国や中南米、アフリカ、欧州などで猛威を振るっているツボカビが日本でも確認されていると報じられていた。アジアでは初の確認らしい。
日本野生動物医学会、日本爬虫両棲類学会、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなどが今日6月12日に、「検疫の強化や販売・流通の監視などを訴える緊急事態宣言を共同で出した。」ということだが、何が怖いかと言えば、人などには感染しなくても、ひとたび、野外に広がると根絶する方法が全くないので、生態系に深刻な影響を及ぼす恐れがある。という点である。
どのくらい凄いかというと、感染すると致死率は、90%以上。
ツボカビは水の中で数週間生き続け、野外へ広がってしまうと根絶は不可能で、渓流が多い日本では繁殖しやすいと指摘されている。
今回、国内の両生類132匹を調べたところなんと、イモリやアマガエルなど42匹にがツボカビ症に感染していることが分かった。そのうち、38匹は、売買等による人の手を経ている両生類だが、残りの4匹は純粋な国内種でないウシガエルだったらしい。
例年、今頃は、家の周りはウシガエルの音でうるさいのだが、なんだか、音をあまり聞かなくなったようにも思えてくる。
爬虫類や両生類のペットブームなので、自然感染のほか、飼育によって感染が広がる可能性も高い。
両生類以外には感染しないのなら、大したことないと思いがちだが、実際は、カエルが全滅すると、自然生態系の食物連鎖に大きな影響が出るということだ。つまり、カエルの数が減ると、カエルを餌としている動物の数も減るので、カエルの絶滅が他の動物の絶滅を招く可能性に繋がるのだ。たとえば、カエルを食べるサギなどの鳥類やヘビなどの爬虫類が減る。また、ヘビをよく食べるタカ類などは、食物がなくなるので、数が激減する。
さらに、カエルは、水田の害虫である虫を多量に食べる益獣なので、カエルが減ると、農業へ深刻な被害を与えることになる。また、日本にいる世界最大の両生類で天然記念物のオサンショウウオも絶滅するかも知れない。
ところで、最近、エイズの話題もあまり出なくなったが、確実に増えているらしい。このツボカビ症の問題も大いに気になるニュースだ。