言葉のクロッキー

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映画「暁に祈れ」

2018-12-10 | 映画 音楽
原題「A PRAYER BEFORE DAWN 」。なにやらストイックななタイトルに魅かれる映画。
内容的に崇高さを感じさせる映画かと思いきやそうではなく暴力、闘争、過酷、不潔、残酷・・・的な映画だった。
所はタイの国、イギリス人のボクサーくずれ?はドラッグに溺れ、ある日警察に捕まり、タイの刑務所に収監されてしまう。映画はこの刑務所内の出来事が主なストーリーと言ってもよい。全身刺青だらけのタイ人犯罪者が詰め込まれた獄舎で夜、昼何が起こるのか、映画は実に克明に写し取ってゆく。現実はおそらくもっと物凄い現実があるのだろうが、そこは映画なので、そこそこに描かれている。それでも喧嘩、いじめ、強姦、自殺、殺人などなど映し出すのだ。音が凄い。タイの言葉を理解しない主人公が、凶暴なタイ人の集団の中に投げ込まれたときどうなるか。タイ語の字幕は出ないので、彼らの発する強烈な言葉が声だけで表現される。加えて効果音、腹に響くような音楽などが重なって、見る方も体力がないと続かない。刑務所内でムエタイに活路を見出した主人公。ドラッグから抜け出せないままに過酷な練習、トレーニングに耐える肉体。これ以上吐血したら命の保証はないと言われながらも試合に出場、どうにか勝ちを得る。そんなこんなのストーリーなのだが、このイギリス人ボクサーはビリー・ムーアと言って実在する人物だというから驚きである。映画はビリーの自伝小説が原作としている。読めばもっと物凄いことが書かれているのだろうが、映画はのっけから暴力的に観客に迫ってくる。こんな映画もたまにはアリかと思った。
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