2012年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が、2011年度比6267億円増(1・6%増)の39兆2117億円だったと厚生労働省は先月発表したそうです(共同通信)。国民1人当たりでは5600円増(1・9%増)の30万7500円で、いずれも6年連続で過去最高を更新したそうです。高齢化に加え、医療技術の高度化や薬の高額化で費用が膨らんだことが主な要因だそうで、入院・受診日数は減ったため、総額の増加幅は前年度の3・1%から圧縮されそうです。国民医療費が国民所得に占める割合は11・17%ということです。労災分などを除いた国民医療費の98%程度をカバーする概算医療費は、既に13年度分が公表され、39兆3千億円。今後も増加が続くとみられています。国民医療費を年齢別でみると、65歳以上の医療費が22兆860億円で全体の56・3%。このうち75歳以上は13兆5540億円で全体の34・6%。1人当たりでは65歳以上が71万7200円、75歳以上は89万2100円。この数値、どう考えますか。国民的な議論が必要ですね。この国民医療費は、保険診療の対象となる病気やけがの治療にかかった費用の推計。保険外の診療や健康診断、正常な出産などは含みません。
明日から第69回日本体力医学会大会が長崎大学文教キャンパスを会場に開催されます。会期は3日間です。日本体力医学会は、毎年国体の開催地で9月に開催されています。今年の国体は長崎が開催地ですので、日本体力医学会も長崎での開催ということです。国内のスポーツ科学・スポーツ医学・健康科学・リハビリテーション医学やこれらの関連領域の研究者が集まります。今日は、学会の各種委員会や関連研究会が開催され、まずは編集委員会に出席します。明日からの学会大会でどんな研究に巡り合えるか楽しみです。
研究により得られた結果をどのように分析するか。本来は、仮説を立証するために研究するのですから、得られた結果はその仮説を立証できるもののはずですので悩む必要はありません。つまり、予め結果に対する分析方法を含めて計画が練られているはずだからです。しかし、しばしは少し疑問に思うような解析方法に出くわすことがあります。まずは、相関関係の分析について考えてみたいと思います。
2つ要素が結果として得られた場合の分析方法として、両要素間が相関関係にあるかどうかを調べるというのをよく見かけます。ここで注意したいのは、相関関係があるということと因果関係があるということは明確に区別すべきであるということです。つまり、相関関係にあったからと言って因果関係
があるとは限らないということです。
以下のような2つの仮説を例に考えてみましょう。
仮説1
「リハビリテーション部の成績を上げるには研修に参加する」
この仮説は、「研修への参加」と「リハビリテーション部の成績」の間に因果関係があるというものです。
つまり、両因子間の因果関係を検証することになります。
ですので、この仮説を検証するには
⇒①実際に研修に参加して、リハ成績を評価する
⇒②研修に参加した人のリハ成績を評価する
仮説が今一つ曖昧なので、検証方法が複数になってしまいますが、仮説が成立するか否かについて、いくつか検証する方法があることがわかります。
仮説2
「リハビリテーション部の成績を上げるには、リハビリテーション開始前にリハビリテーションの神様にお祈りをする」
この仮説は「御先祖様にお祈りをする」ことと「リハビリテーション部の成績」の間に因果関係があるというものです。
同様に、両因子間の因果関係を検証することになります。
ですので、この仮説を検証するには
⇒・・・・・
現代の科学では無理ですね
なぜなら、そもそもリハビリテーションの神様の存在を証明できないからです
でも・・・・・
毎日、リハビリテーションの神様にお祈りしたら、リハビリテーションの成績が上がることもあるでしょう。この時、お祈りした人数や日数を調査し、一方でリハ成績を調べて、両者の相関関係を調べてみたら、有意な相関関係が認められることもありうるのです。
ですが、これは偶然に生じた単なる相関関係に過ぎないということに注しなければなりません。なぜなら、証明できないからです。また、再現性や普遍性もないでしょう。
これは極端な例ですので、実際にはあり得ない話ですが、相関関係を統計処理して有意差が出たものを因果関係と取り違えている場合があるのは事実です。
もちろん、相関関係が因果関係を示す場合もあるでしょう。ですが、相関関係では因果関係は証明できません。因果関係を証明するには、何らかの別の手法を用いる必要があるはずです。
2つ要素が結果として得られた場合の分析方法として、両要素間が相関関係にあるかどうかを調べるというのをよく見かけます。ここで注意したいのは、相関関係があるということと因果関係があるということは明確に区別すべきであるということです。つまり、相関関係にあったからと言って因果関係
があるとは限らないということです。
以下のような2つの仮説を例に考えてみましょう。
仮説1
「リハビリテーション部の成績を上げるには研修に参加する」
この仮説は、「研修への参加」と「リハビリテーション部の成績」の間に因果関係があるというものです。
つまり、両因子間の因果関係を検証することになります。
ですので、この仮説を検証するには
⇒①実際に研修に参加して、リハ成績を評価する
⇒②研修に参加した人のリハ成績を評価する
仮説が今一つ曖昧なので、検証方法が複数になってしまいますが、仮説が成立するか否かについて、いくつか検証する方法があることがわかります。
仮説2
「リハビリテーション部の成績を上げるには、リハビリテーション開始前にリハビリテーションの神様にお祈りをする」
この仮説は「御先祖様にお祈りをする」ことと「リハビリテーション部の成績」の間に因果関係があるというものです。
同様に、両因子間の因果関係を検証することになります。
ですので、この仮説を検証するには
⇒・・・・・
現代の科学では無理ですね
なぜなら、そもそもリハビリテーションの神様の存在を証明できないからです
でも・・・・・
毎日、リハビリテーションの神様にお祈りしたら、リハビリテーションの成績が上がることもあるでしょう。この時、お祈りした人数や日数を調査し、一方でリハ成績を調べて、両者の相関関係を調べてみたら、有意な相関関係が認められることもありうるのです。
ですが、これは偶然に生じた単なる相関関係に過ぎないということに注しなければなりません。なぜなら、証明できないからです。また、再現性や普遍性もないでしょう。
これは極端な例ですので、実際にはあり得ない話ですが、相関関係を統計処理して有意差が出たものを因果関係と取り違えている場合があるのは事実です。
もちろん、相関関係が因果関係を示す場合もあるでしょう。ですが、相関関係では因果関係は証明できません。因果関係を証明するには、何らかの別の手法を用いる必要があるはずです。
1日に4マイル(約6.4キロ)以上走ると、健康的ではない、つまり「運動のやり過ぎ」になるかという論文が先日発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究は、心臓発作を経験したことのある2400人を対象に行われ、運動量と比例して心臓発作による死亡リスクが減少することが確認。しかし「ある点」を境に、運動によって得られる恩恵が少なくなることがわかったというもの。研究によると、週30マイル(約48キロ)以上のランニングおよび週46マイル(約74キロ)、1日6.5マイル(約10キロ)以上のウオーキングがその「境界線」だったそうです。つまり、ランニングやウオーキングは無限に恩恵をもたらすのではなく、一定レベル以上になると、例えば週30マイル(約48キロ)以上のランニングは、危険性を大幅に高めるというもの。競技のランニングも急性事象のリスク増加を示しているとしています。同時に、この研究は心臓発作の生存者を対象にしたものなので、統計結果は集団全体には一般化できない可能性があるとも。一般的に、週2時間30分程度の適度な運動、または週75分程度の激しい運動を心臓および体の健康のために奨励されているとも。さて、どこから運動のし過ぎなのでしょうか?興味深いですね。
メキシコ政府は先日(7月15日)、蔓延する肥満問題に取り組む一環として、清涼飲料水やスナック菓子、その他の高カロリー食品のテレビ広告を規制する方針を発表したそうです(AFPBB NEWS)。規制は直ちに発効したそうです。平日は午後2時30分~同9時30分、週末は午前7時~午後7時の間、対象となるコマーシャルは一般の地上波放送やケーブルテレビから締め出されることになったそうです。映画館での広告上映も規制対象となるとも。メキシコ政府によると、同国の国民のうち成人では70%、子どもでは30%が過体重もしくは肥満だそうです。また甘味飲料水の1人当たりの年間消費量が163リットルと世界で最も多く、同国料理には揚げ物が非常に多いとも。さらにメキシコは、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国中、糖尿病の発症率が最も高いそうです。各国、いろいろな対策を考えていますね。日本では必要ないでしょうか。
ゾウはこれまで生物種で確認された中で最も強力な嗅覚の持ち主の可能性があるとする論文が、先日発表されたそうです(AFPBB NEWS)。アフリカゾウのゲノム(全遺伝情報)には、においを感じ取る嗅覚受容体の遺伝子が2000個近く含まれており、これは動物の中で最多だそうです。これは、ゾウの嗅覚能力が人間の鼻の5倍、イヌの鼻の2倍で、動物界でこれまで最も優れた嗅覚の持ち主とされていたラットの嗅覚さえもしのぐことを意味するものだそうです。嗅覚受容体遺伝子がどのように機能するかについてはよく分かっていないそうですが、ゾウが長年にわたり生息環境の中で生き抜き、進むべき道を選ぶ助けになってきたと考えられるそうです。ゾウの嗅覚受容体遺伝子を、ウマ、ウサギ、モルモット、ウシ、ネズミ、チンパンジーなど13種の動物の遺伝子と比較したところ、霊長類と人間が持つ嗅覚受容体遺伝子の数は、他の動物種に比べて非常に少ないことが分かったそうです。これは人間の視力が向上したために、嗅覚への依存度が減少した結果かもしれないそうです。
コマーシャルやテレビ番組の試験版を少数のグループに見せて脳内の活動をスキャンすることで、より幅広い層の視聴者がどのような反応を示すかを予測できるとする研究成果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、19歳~32歳までの被験者16人にテレビを視聴させ、脳信号を記録したそうです。被験者には、米人気テレビシリーズ「The Walking Dead」の2010年のエピソードと、アメリカンフットボールの2012年と2013年のスーパーボウルで初めて放映された複数のコマーシャルを視聴させたそうです。脳波記録センサーを被験者に装着して、脳内のさまざまな部位の電気的活動を観察し、同時に脳血流の位置を特定して脳活動のマッピングを行う機能的磁気共鳴断層撮影法(fMRI)を用いて被験者の脳をスキャンしたそうです。その結果、見ているものに対して被験者が完全に集中または「熱中」していることを示す強い相関関係が、脳信号のいくつかのパターンに存在することが分かったというもの。被験者の興味レベルは、より幅広い範囲の大衆が番組やコマーシャルに示した反応と一致したそうです。いろいろなことが分かるようになるのは・・・・・。
2012年に全世界で計4400万人だった肥満児と過体重児が今後急増し、2025年には計7500万人に達する恐れがあるとの調査報告を、世界保健機関(WHO)が先日発表したそうです(AFPBB NEWS)。WHOによると、肥満児と過体重児合わせて全世界で3100万人だった1990年以降、2012年までにアフリカだけでもその数は400万人から1000万人に増加。今後、増加のペースはさらに加速するというのです。過体重の子どもは、糖尿病やがんなどの重い病気を発症する可能性が高いですが、今すぐに行動を起こすことで将来、医療制度にかかる多大な負担を回避できるかもしれないそうです。社会科学者、公衆衛生専門家、臨床科学者、経済学者などが一丸となり、入手可能な最良の証拠を組み合わせて一貫性のある計画を策定する予定があるということです。考えさせられますね。
イヌは、飼い主が他のイヌに見える物と遊んでいると焼きもちを焼くとの研究論文が、先日PLOS ONEに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この研究結果は、嫉妬の感情が生存本能に根差している可能性があることを示唆しているそうです。研究は、イヌ36匹とそれぞれの飼い主を対象に、イヌの前に置かれた3つの異なる物と遊ぶよう飼い主に指示。1つ目は、ボタンを押すとほえたりしっぽを振ったりするおもちゃのイヌ。飼い主には、本物のイヌと遊ぶのと同じようにイヌのおもちゃと1分間接するよう指示されたそうです。2つ目は、ハロウィンカボチャのおもちゃのバケツ。これも同様に、飼い主には本物のイヌと遊んでいるように演技させたそうです。3つ目は、開くと絵が飛び出し、曲が流れる子ども向けの絵本。飼い主にはあたかも小さな子どもに対して、お話を読み聞かせるよう絵本を音読させたそうです。その結果、飼い主がおもちゃのイヌと遊ぶ場合、その他の物と比較して、イヌにはある特定の行動がはるかに多くみられることが確認できたというもの。例えば、かみつく、飼い主やおもちゃのイヌを押す、飼い主とおもちゃのイヌの間に割り込もうとするなどの行動は、他の2つに比べて発生する割合が高かったというのです。イヌが飼い主を押す行動は、飼い主がおもちゃイヌと遊んだ場合の78%でみられたが、これはハロウィンカボチャの場合は42%、絵本では22%。また飼い主とおもちゃのイヌの間に割り込もうとする行動は全体の約30%でみられ、おもちゃのイヌにかみつく行動は25%だったそうです。実験では、ダックスフント、ポメラニアン、ボストンテリア、マルチーズ、パグを含むさまざまな犬種を対象としたそうですが、半数近くは雑種だったそうです。
昨日、驚きのニュースがラジオから聞こえてきました。理化学研究所の笹井博士が自殺したというニュースでした。すぐにネットで確認すると、ニュース速報が出ていました。まだ、救命処置中であるとか情報が錯そうしていましたが、結局自殺したという確定した情報が報道されていましたご冥福をお祈り申し上げます。STAP細胞の渦中にある研究者に起きた出来事なので、STAP細胞の件が関係したものと憶測できます。でも、なぜ。ショックです。レベルは全然違いますが、同じ研究者として非常に考えさせられます。多くの研究者はもちろん雑誌ネイチャーもコメント出しています。それほど科学界に大きな衝撃を与えた大きなニュースであることは間違いありません。