プラスチックを消化分解する酵素を作製したとする研究論文がPNASに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。世界の海に投棄されるプラスチックは毎年800万トンを超えるそうです。そのため、石油に由来するプラスチック製品の有毒な残留物が人の健康や環境に与える影響をめぐり懸念が高まっているとのこと。リサイクルの取り組みも進められてはいますが、大半のプラスチックは長期にわたって環境に残存する恐れがあり、研究者らはプラスチックを除去するためのより効果的な方法を模索し続けているそうです。この問題の解決に向けて、数年前に日本で発見された自然環境に存在する細菌に着目。「イデオネラ・サカイエンシス(Ideonella sakaiensis)」として知られるこの細菌は、プラスチック製容器に広く使用されているプラスチックの一種「ポリエチレン・テレフタレート(PET)」のみを常食とするとみられているそうです。現在のプラスチックが発明されたのは1940年代のため、日本の研究者らは、この細菌が廃棄物リサイクル場でかなり最近に進化したと考えているそうです。研究では、サカエンシスが持つ酵素の一つ「ペターゼ(PETase)」の構造を明らかにして、作用の仕組みを理解することでしたが、結果的にさらに一歩先を行き、PETプラスチックの分解能力がさらに優れた酵素を偶然作製したというのです。この成果は今後、深刻化するプラスチック汚染問題を解決に導く助けになる可能性があるものだそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3171442?page=2
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