健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

iPSによるパーキンソン病治療

2014-02-28 08:30:42 | 研究
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ったパーキンソン病治療の臨床研究に向け、京都大学が今年6月にも、再生医療安全性確保法(昨年11月成立)に基づく第三者審査委員会の設置を厚生労働省に申請することがわかったそうです(YOMIURI ONLINE)。パーキンソン病は、脳の「黒質」と呼ばれる部分で、神経伝達物質のドーパミンを放出する神経細胞が減少することで発症します。これまでに人のiPS細胞からドーパミンを分泌する神経細胞を大量作製することに成功し、パーキンソン病のサルの脳に移植する実験で効果を確かめています。手続きが順調に進んだ場合、来年1月ごろから第三者委員会による審査が始まる見通しだそうです。これを通過すれば、厚労相の承認を経て、早ければ来年夏には臨床研究に着手できるとも。ただ、患者の選定に時間が必要で、細胞の培養などに最短でも9か月はかかるために、移植手術の実施は16年になる見込みだそうです。
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ポリオに似た病気

2014-02-27 08:30:36 | 研究
米国カリフォルニア州で、手足のまひが生じるポリオに似た珍しい症状が5人の子どもに確認されたそうです(AFPBB NEWS)。治療法はまだ確立されていないそうです。発症した5人の子どもたちからは、ポリオウイルスは検出されていないそうで、過去に予防接種も受けていたそうです。5人はいずれも、四肢のうち1本あるいは複数の動きが突然失われるなどの似た症状を示し、おおむね2日以内にまひが現れたというのです。うち2人からは、以前の研究でポリオに似た症状に関連があるとされていた珍しいウイルス「エンテロウイルス68型」の陽性反応が出たというのですが、残り3人は陰性で、現在も原因の究明に努めているそうです。
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マダニによる感染症

2014-02-26 08:30:03 | 研究
厚生労働省は25日、マダニによって感染し、死亡することもある重症熱性血小板減少症候群のウイルスが、北海道、岩手、宮城、栃木、群馬など7道府県で新たに見つかったと発表したそうです(YOMIURI ONLINE)。ウイルスの検出は計30道府県となり、患者が発生した西日本だけでなく、全国的に分布していることが分かったそうです。厚労省は野山では肌の露出を避け、マダニにかまれないように呼びかけているそうです。同ウイルスには昨年から、兵庫県や徳島県など西日本の13県で41人が感染し、うち13人が死亡しているそうです。患者は春から秋にかけて高齢者を中心に発生。調査では、国立感染症研究所などと、各地で採取したマダニや寄生するシカ、犬の血液などを分析。ウイルスの保有状況や感染歴を調査。また、国内の患者で見つかったウイルスは中国で流行するタイプと遺伝子の配列が異なり、以前から国内に存在していたことが判明したとも。新たにウイルスが見つかった7道府県は、北海道、岩手、宮城、栃木、群馬、滋賀、京都だそうです。ご注意ください。
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座る時間と健康リスク

2014-02-25 08:30:36 | 研究
座って過ごす時間が長いことは、普段どれほどの運動をしているかにかかわらず、60歳以上の人にとりわけ危険である可能性があるとの研究結果が、先日発表されました(AFPBB NEWS)。研究によると、高齢者では、毎日の座っている時間が1時間増えるごとに「体が不自由になる」危険性が倍増したというのです。例えば、65歳の女性が2人いるとして、1人は1日12時間座っていて、もう1人は1日13時間座っているとすると、体が不自由になる危険性は後者の方が50%高いというもの。体が不自由になることとは、食事や衣服の着用、入浴、ベッドからの出入り、部屋を横断するなどの基本的な活動が制限されることと定義されています。研究は、米全国健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey、NHANES)に参加した60歳以上の2286人から集められたデータに基づいたものだそうです。高齢者は、どれほどの運動をしているかにかかわらず、テレビの前であれコンピューターの前であれ、座っている時間を減らす必要があるそうです。
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インフルエンザ流行のピーク

2014-02-24 08:30:17 | 研究
先日、インフルエンザの今季の流行はピークを過ぎたとみられるという発表がありました(YOMIURI ONLINE)。1医療機関あたりの患者報告数が今月10日からの週で28・18人となり、1月末の週(34・44人)以降、2週連続で減少したそうです。ですが、まだ16道県で警報レベルの30人を超えているそうです。都道府県別では、大分県で50・21人、北海道で42・6人、愛知県で36・74人と高いそうです。東京都は28・46人。全国の推計患者数は147万人で、前週から11万人減少したそうです。ウイルスのタイプでは、2009年に新型として流行したH1N1型の患者が最多で、B型、A香港型(H3N2型)が続いているそうです。
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ウナギの安定供給への一歩

2014-02-23 08:30:47 | 日記
1000リットルの大型水槽で、ニホンウナギを稚魚のシラスウナギまで成長させることに成功したと、独立行政法人水産総合研究センターが発表したそうです(毎日新聞)。シラスウナギになる前の仔魚(しぎょ)の管理は非常に難しく、従来は5~20リットルの小型水槽でしか飼育できなかったそうですが、今回の成功でシラスウナギの大量生産の実現に近づいたということです。ウナギの値段が少しは下がるのでしょうか。
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「よく遊ぶ子は賢くなる」

2014-02-22 08:30:07 | 研究
いわゆる「難関大学」に合格するなどした経験がある人は、そうでない人に比べて、小学校に入学する前に思い切り遊んだり好きなことに集中したりしていた割合が高いとする調査結果がまとまったそうです(NHK NWES WEB)。この調査は、20代の社会人の子どもを持つ保護者1000人余りを対象に行ったものだそうです。この中で、「小学校入学前の子育てで意識していたこと」について尋ねたところ、偏差値68以上のいわゆる「難関大学」に合格するなどした子どもの保護者の35.8%が「思いっきり遊ばせること」と回答したのに対し、そうでない子どもの保護者では23.1%にとどまっていたそうですの。また、難関大学合格者などの保護者の24.1%が「好きなことに集中して取り組ませること」と回答したのに対し、そうでない子どもの保護者は12.7%となっていたとも。さらに、「子どもの遊ばせ方」について、難関大学合格者などの保護者の28.8%が「自発性を大切にした」と回答したのに対し、そうでない子どもの保護者は16%となっていて、小学校入学前の時期に遊びを通じて自発性や集中力を養うことがその後の学力向上につながる傾向を示す結果となっていたそうです。
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ヨーグルトと糖尿病リスク

2014-02-21 08:30:08 | 研究
ヨーグルトやローファット(低脂肪)チーズを摂取すると、全く食べない場合と比較して糖尿病発症リスクが約4分の1低減するとの研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この研究は、英ノーフォーク(Norfolk)州在住の男女3500人を11年間追った長期健康調査に基づくものだそうです。調査期間中、753人が2型糖尿病を発症したそうですが、ヨーグルトやフロマージュ・フレ(未熟性チーズ)、低脂肪のカッテージチーズなど低脂肪の発酵乳製品を食べていた人たちは、全く食べていない人たちと比べて糖尿病発症の確率が24%低かったというもの。低脂肪の発酵乳製品を種類別に調べたことろ、ヨーグルトのみでの糖尿病リスク低下率は28%だったことが分かったそうです。このカテゴリに属する人たちはカップ入りヨーグルト(125グラム)を平均で週4.5個食べていたそうです。さらに、おやつとしてポテトチップの代わりにヨーグルトを食べていた人では、実に47%もリスクが低減していたとも。一方、発酵乳製品の中でリスク削減と関連していたのは低脂肪製品のみで、牛乳や高脂肪の発酵乳製品では糖尿病リスク削減の効果はみられなかったそうです。
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ぜんそくは抗生物質で悪化も

2014-02-20 08:30:53 | 研究
抗生物質を服用することで腸内細菌のバランスが乱れ、ぜんそくの症状が悪化することが確認されたそうです(毎日新聞)。ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの発症には、腸内細菌が影響していることが知られているそうですが、その仕組みはわかっていないそうです。マウスに5種類の抗生物質を2週間投与した後、人工的にぜんそくを発症させて詳しく調べたそうです。そのうち、感染症治療に使われる抗生物質を投与したマウスは、投与しないマウスに比べて気管支での炎症細胞の数が倍増し、ぜんそく症状が悪化したというのです。腸内を調べたところ、乳酸菌が減り、代わりにカンジダというカビの一種が異常に増殖していたそうです。カンジダを抑える薬を投与することで症状は改善したそうです。抗生物質により腸内細菌のバランスが崩れ、ぜんそくが悪化することを証明したもの。今回は動物実験ですが、ヒトにも同じ仕組みがあると考えられるそうです。また、アレルギー発生のメカニズムは基本的に同じなので、花粉症やアトピー性皮膚炎など、他のアレルギー性疾患の治療にも役立てることができるとも。
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糖尿病と血管再生能力

2014-02-19 08:30:38 | 研究
下肢切断にもつながる重傷下肢虚血は糖尿病患者の10~15%に認められる病態だそうで、有効な治療法の確立が求められているそうです。これまでの研究から、糖尿病患者が下肢に虚血(当該部位に流れ込む動脈血の量が減少することで生じる局所の貧血)をきたし、重症化しやすい理由として、虚血に反応して新たな血液を作り血流回復させるための能力(血管新生能)が大きく減弱していることが関与していることが分かっていたそうですが、その原因は不明だったそうです。こうした糖尿病に伴う血管内皮機能障害および血管新生能異常の原因が、細胞内のエネルギー産生を促進させる働きをもち、遺伝子情報をもとにタンパク質を作り出す効率を調節する分子「PGC-1α」が高血糖によって増加することによるものであることが明らかになったそうです(マイナビニュース)。また、「PGC-1α」は、糖尿病患者では肝臓にて、その量が持続的に上昇する結果、血糖値の上昇につながること、ならびに骨格筋ではインスリンの作用が減弱する原因にも関与することなどが報告されており、糖尿病の発症進展において重要な役割を担うことが示唆されていましたが、血管の細胞における役割は明らかではありませんでした。今回の研究では、薬剤性(ストレプトゾシン)、食餌性(高脂肪食)、遺伝性(db/dbマウス、ob/ob マウス)による種々の糖尿病マウスを用いて検討を実施し、それらすべてのマウスにおいて、血管内皮におけるPGC-1αの量が健常マウスに比べ約1.5~3倍に増加していることを確認したほか、2型糖尿病患者の血液から採取した血管内皮へと分化する力をもつ「内皮前駆細胞」でも、健常者に比べPGC-1αの量が増加していることを確認したそうです。また、内皮細胞に高濃度の糖を加えるとPGC-1αが増加したことから、糖尿病で内皮細胞のPGC-1αの量が上昇する主な原因が血液中の糖濃度によるものであることが明らかになったそうです。さらに、糖尿病マウスの内皮細胞および糖尿病患者の内皮前駆細胞を培養したところ、内皮細胞運動能の低下が確認されたことから、健常なヒトおよびマウスの内皮細胞にPGC-1αを強制的に増加させる操作(過剰発現)を行った結果、糖尿病の内皮と類似した運動能の低下が確認されたそうです。また、内皮でPGC-1αを過剰発現させた血管を培養したところ、内皮細胞の動きを止める細胞膜分子Notchが活性化され、新たな毛細血管を作り出す能力(血管新生)が抑制されることも確認され、PGC-1α欠損マウスの内皮では、内皮運動能が上昇し、強い毛細血管形成能が示されることも確認したそうです。さらに、遺伝子操作を用いて血管内皮のPGC-1αを強制的に増加させたマウスを作成して研究を行った結果、糖尿病で認められる症状である「頸動脈の内皮を機械的に傷害した後の内皮再生速度低下」、「背中の皮膚に創傷を作成した後の治癒速度低下」、「大腿動脈摘出による下肢虚血後の血流回復能力低下」といった症状が確認されたとも。また、血管内皮におけるPGC-1αの量を正常の3割程度に減少させたマウスを用いた実験では、糖尿病を発症させても糖尿病のないマウスとほぼ同様の健常な速度で創傷が治癒したほか、下肢虚血術後においても健常マウスと同等の正常な血流回復力を持っていることを確認したそうです。今後、血管内皮のPGC-1αを標的とすることで、糖尿病血管合併症の新たな治療法開発につながることが期待されるそうです。
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