男性が持つ性染色体であるY染色体はどんどん小さくなっていずれ消滅し、「男は絶滅する」といわれてきたそうです。しかし、「そういうことは起きそうもない」などとする論文が発表されたそうです(ASAHI.COM)。女性はX染色体を2本、男性はX染色体とY染色体を1本ずつ持っているが、男性であることを決める遺伝子を含むY染色体は1本しかないため、突然変異などに弱いと考えられていたようです。実際、Y染色体は人類が生まれる前の時代を含む過去3億年ほどで、数百の遺伝子を失ったとされているそうです。現在のY染色体はX染色体よりかなり短くなっており、「このままではいずれなくなってしまう」との説が広がっているそうです。でも、どうでしょう?周りで赤ちゃんは女の子が多いですか?
刺激のある環境で育つと、記憶力や学習能力が向上するとされています。その時に脳で起きる変化をマウス実験で捉えることに成功したそうです(ASAHI.COM)。その変化とは、神経細胞の中で分子の運び役をするたんぱく質が増えて、神経細胞のつなぎ目「シナプス」の形成を促していたというものです。実験では、おもちゃや遊具を置いて刺激の多い環境にした箱と、何も置かない箱でそれぞれマウスを飼育し、記憶力や学習能力をみるため、マウスをプールで繰り返し泳がせ、島にたどり着くまでの時間を調べたところ、刺激のある環境で育った方が回を重ねるほどより早くたどり着いたそうです。この2種類のマウスの脳の変化を調べると、刺激の多い環境で育ったマウスは、神経細胞間の情報伝達に欠かせない物質を輸送する「KIF1A」というたんぱく質が増え、働きも活発になり、シナプスの量が増えていたというものです。遺伝子操作によってKIF1Aを少なくしたマウスは、刺激の多い環境で育てても、学習能力の向上は見られなかったそうです。もちろん、このKIF1Aは人間にもあるそうで、もしこのKIF1Aの機能を増強できれば、記憶や学習障害を改善できるのではと。薬で賢くなるとは・・・・・・。
米国で4月にも、抗肥満薬「キューネクサ」が承認される見通しになったそうです(ASAHI.COM)。米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、承認を求める勧告を賛成多数で可決したそうです。キューネクサは、日本でも承認されている食欲抑制薬と抗てんかん薬を混ぜ合わせたカプセル剤だそうです。申請をしていた製薬会社によると、肥満の人を対象にした臨床試験では1年間で平均10%の減量効果が認められたそうです。驚きですね。ちなみに、2010年には心臓へのリスクなど副作用に関するデータ不足から承認勧告が一度否決されていた。製薬会社では、将来は米国外での展開を視野に入れているが、今のところ日本で承認を目指す動きはないそうです。肥満と一言で言っても、レベルがいろいろあります。特に米国人は日本人には見られないような肥満が・・・・・。どれくらいの肥満者が対象なのでしょうか。
過剰摂取で心疾患のリスクが高まるとされるトランス脂肪酸について、内閣府食品安全委員会の専門調査会は「通常の食生活では健康への影響は小さい」として、国内での規制は不要とする内容の評価書をまとめたそうです(YOMIURI ONLINE)。トランス脂肪酸は動脈硬化などを起こす悪玉コレステロールを増やし、予防効果のある善玉コレステロールを減らす作用があるとされています。世界保健機関(WHO)はトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満とする目標基準を設け、欧米を中心に規制の動きが広がっています。日本でも過剰摂取への不安や規制を求める声が出ていることから、リスク評価を実施したところ、多くの日本人の摂取量は1%未満だと結論付けたものです。しかし、脂肪の多い食事をしている人は摂取量が基準を超過する可能性があるので気をつける必要があるとし、製造業者に対しては食品中の含有量を減らす努力を続けるよう求めているようです。ちなみに、食品成分中のトランス脂肪酸の表示義務化は先送りされているので、どの程度含まれているか一般消費者は分かりません。
大学生の4人に1人が、「平均」の意味を正しく理解していないという衝撃的なニュースが報道されました(ASAHI.COM)。これは、数学教員らでつくる社団法人日本数学会が初めて実施したテストで分かったことだそうです。国公私立の48大学に依頼し、1年生を中心とした5934人にテストを解いてもらったそうです。その結果、「100人の平均身長が163.5センチ」の場合、(1)163.5センチより高い人と低い人はそれぞれ50人ずついる(2)全員の身長を足すと1万6350センチになる(3)10センチごとに区分けすると160センチ以上170センチ未満の人が最も多い――のそれぞれが正しいかどうかを聞いた。正解は(1)は×、(2)は○、(3)は×だが、全問正答率は76%にとどまったというものです。ちょっとひねってあるといえばあり、数学的な問題?かもしれませんが・・・・・。 記事のタイトルを見たときは、平均を求めることができない大学生が25%もいるというように解釈してしまったのですが、そうではありませんでした。ちょっと一安心。
先日、握力が強いほど長生きする傾向があることが、厚生労働省研究班の約20年間にわたる追跡調査で明らかになったという報道がありました(YOMIURI ONLINE)。死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていたそうです。したがって、健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるという。調査は、福岡県久山町在住の2527人(男性1064人、女性1463人)を対象に行われ、男女別に握力が弱い順から人数が均等になるように各4組に分け、年齢や飲酒状況などを補正し、死亡原因との関係を調べたそうです。握力の最も弱い組(男性35キロ・グラム未満、女性19キロ・グラム未満)を基準に各組を比べたところ、男女とも握力が強いほど死亡リスクが下がる傾向があったそうです。最も握力の強い組(男性47キロ・グラム以上、女性28キロ・グラム以上)の死亡リスクは、最も弱い組より約4割も低かったそうです。でも、この結果の解釈には注意が必要だと思います。握力を鍛えたからと言って、長生きになるとは限らないのです。おそらく、様々な因子が日常生活の行動パターンなどに影響を与え、その結果として握力に差が出たのだと思います。ですので、握力を鍛えるトレーニングをしても、あるいは握力を使うような仕事をしている人たちが長生きするとは考えにくいでしょう。
先日、ビフィズス菌を使って抗がん剤の副作用を大幅に抑える新薬を開発したというニュースが報道されました。ビフィズス菌と言うとヨーグルトをイメージしてしまいますね。この新薬は、薬効を患部に効果的に届けるドラッグデリバリーシステム(DDS)という技術を活用するそうです。ビフィズス菌が低酸素状態を好む点と、がんの患部が低酸素状態になっている点に着目したものだそうです。治療の対象は胃がんなどの固形がんで、〈1〉がん患者に新薬を静脈注射する〈2〉ビフィズス菌の作用で新薬ががん患部に集積する〈3〉新薬と組み合わせて初めて抗がん作用を発揮する抗がん剤を口から飲む(経口摂取)〈4〉がん患部のみで抗がん作用を発揮する――ことになるそうです。もちろん、動物実験で効果を確認済みで、3月にも米国で臨床試験を始めるということです。3年半程度をかけて新薬をがん患者60人に投与し、人体への有効性や安全性を確認する予定だそうです。
ついに夢のやせ薬が実現するかも。そんな期待を抱かせる研究結果が発表されました(ASAHI.COM)。食事の脂肪分が多いと肥満になりやすくなる原因遺伝子を発見したというものです。この遺伝子は、脂肪酸を結合するたんぱく質「GPR120」を合成する遺伝子だそうです。このたんぱく質をつくる遺伝子を働かなくしたマウスをつくり、普通のマウスと約40匹ずつで比べた結果、脂肪分が13%と少ないえさでは違いが出ないが、60%のえさを食べさせた場合、遺伝子が働かない方は体重が15%多かったそうです。皮下脂肪の重さは1.5倍、内臓脂肪と肝臓の重さは1.9倍だったとも。つまり、この遺伝子が働かないマウスは、高脂肪のえさを食べると肥満や脂肪肝を発症するということになります。もちろんヒトにもこの遺伝子があることは分かっています。すると、肥満の予防や治療薬の開発が期待できるかも。朗報ですね。
先週(2012年2月17日(金)~2月18日(土))に、パラボリックフライト実験に参加しました。パラボリックフライト実験とは、航空機が放物線飛行した際に発生する短時間の無重量環境を利用した実験です。宇宙飛行士が実際に宇宙に行く前に無重量環境を体験する等の訓練や今回のような実験、そして様々な疑問などに応えるテレビ番組などに利用されています。この実験が可能なのは、日本国内では愛知県営名古屋空港に隣接するダイアモンドエアサービス(DAS http://www.das.co.jp/new_html/index-static.html)です。DASは様々なサービスを提供していますが、その中の1つに微小重力(μG)実験というものがあり、今回の実験はこのサービスを利用したものです。実験に利用できる航空機は2機ありますが、今回利用したのはガルフストリー
ムII(G-II)という航空機で、約20~25秒間の無重量環境が得られます。1日1回のフライトで、1回のフライト中に10回程度の放物線飛行が行われます。回数は、その日
の様々な条件によって変わります。今回は通算2度目の参加で、前回はもう数年前になります。今回参加した実験は大阪大学大学院が主体となって行われたもので、共同研究という形で参加しました。他に、国士舘大学からの参加もありました。
ムII(G-II)という航空機で、約20~25秒間の無重量環境が得られます。1日1回のフライトで、1回のフライト中に10回程度の放物線飛行が行われます。回数は、その日
の様々な条件によって変わります。今回は通算2度目の参加で、前回はもう数年前になります。今回参加した実験は大阪大学大学院が主体となって行われたもので、共同研究という形で参加しました。他に、国士舘大学からの参加もありました。
先日、マウスのiPS細胞(新型万能細胞)を使って歯のエナメル質の元になる細胞を作り出すことに成功したというニュースが報道されました(YOMIURI ONLINE)。歯の元になるラットの歯原性上皮細胞とマウス由来のiPS細胞を混ぜて培養した結果、iPS細胞をエナメル質を構成しているたんぱく質の一つ、アメロブラスチンを含む細胞に分化することができたというものです。この細胞をエナメル質に変化させることができれば、歯の再生につながる可能性があるそうです。歯で悩んでいる方は非常に多いと思います。朗報ですね。この研究グループは、すでにiPS細胞から歯の象牙質の元になる細胞を作り出すことに成功しており、全身のどの細胞からも、歯を作り出せる可能性が高まったとしています。もう少しのようですね。