健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

妊婦の血液でダウン症診断

2012-08-31 08:30:48 | 研究
妊婦の血液で、胎児がダウン症かどうかがほぼ確実にわかる新型の出生前診断を導入するそうです(YOMIURI ONLINE)。染色体異常の確率が高まる35歳以上の妊婦などが対象で、日本人でのデータ収集などを目的とした臨床研究として行うそうです。保険はきかず、費用は約20万円前後の見通しということです。検査は、米国の検査会社「シーケノム」社が確立したもので、米国では昨年秋から実施しているそうです。妊婦の血液に含まれるわずかな胎児のDNAを調べるもので、23対46本ある染色体のうち、21番染色体が通常より1本多いダウン症が99%以上の精度でわかるほか、重い障害を伴う別の2種類の染色体の数の異常も同様にわかるそうです。羊水検査に比べ5週以上早い、妊娠初期(10週前後)に行うことができるそうです。妊婦の腹部に針を刺して羊水を採取する従来の検査に比べ格段に安全で簡単にできる一方、異常が見つかれば人工妊娠中絶にもつながることから、新たな論議を呼びそうだとも。
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遺伝子導入による心筋梗塞の治療

2012-08-30 08:30:35 | 研究
心筋梗塞になると心臓では、拍動する心筋細胞が失われ、拍動しない繊維芽細胞に置き換わってしまいます。これが、心臓の収縮機能を低下あるいは失わせ、心不全に至る大きな原因となります。細胞に遺伝子を導入して別の細胞に変える「ダイレクト・リプログラミング」技術を使い、心筋誘導遺伝子と呼ばれる3種類の遺伝子を、心筋梗塞のマウスに導入したところ、病巣部にある繊維芽細胞を、心筋細胞に変えることに成功したと発表がありました(YOMIURI ONLINE)。生体内で行うこの方法は、もともと心臓にある細胞を心筋細胞にするため、移植の手間が省けるなど利点があります。しかし一方で、心筋細胞への変換効率は現在のところ1%未満にとどまっているということで、さらに効率を高める研究が必要ということです。心筋梗塞の新たな治療法につながる成果です。
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体内時計

2012-08-29 08:30:37 | 研究
1日周期でリズムを刻む「体内時計」の時刻を、12時間あけた2度の採血で測定する手法が開発されたそうです(YOMIURI ONLINE)。現在、体内時計の時刻は、日内変動するホルモン量を1~2時間おきに24時間以上採血して測定し、決めているそうです。研究では簡便な手法を探ろうと、健康な男性3人に光量や室温が一定の部屋に36時間滞在してもらい、2時間おきに採血して、1日周期で変化する複数のアミノ酸やホルモンなどの血中物質を追跡したそうです。その結果、体内時計の変化によって物質の増減が一定のパターンを示すことをつかみ、これをもとに「時刻表」を作成したというものの。ずれてしまった体内時計を簡便に把握し、睡眠障害の治療や効果的な薬剤投与の時間を決めることを可能にする成果だそうです。すでに案内しましたが、本研究科でも来月に第4回健康科学セミナー『宇宙のリズムとヒトのリズム』を開催します。まさに、体内時計の話です。
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スポーツの適性を遺伝子検査で

2012-08-28 08:30:42 | 研究
とうとうこういう時代がやってきたのでしょうか。自分の体質に合ったスポーツ・トレーニングを見つけられる「スポーツ関連遺伝子検査」の運用を開始されたそうです(マイナビニュース)。検査はスポーツショップ「スーパースポーツゼビオ」内、スポーツドラッグストア「Xiasis」にて行うそうです。検査によって、「速筋の発達と遅筋の形成に関わる遺伝子のタイプ」「どんなスポーツが自分に向いているか」「スポーツでより高いパフォーマンスを出すための、トレーニング方法」が分かるそうです。適性からスポーツを限定するのではなく、その中でもより適したポジション・役割を見極めることができ、より有効なトレーニング方法を見つけることができるのが特徴とのこと。検査は店頭で検査の申し込み受付し、その場で綿棒を使って簡単に口腔粘膜を採取し、検査機関に送り検査を行う。検査は約2~3週間かかり、検査結果を基に作成された報告書が依頼者に渡されるそうです。検査では「ACTN3遺伝子」を調べるそうです。ちなみにサービス開始は9月1日からだそうで、料金は5,800円。さて、どうのくらいこの検査を受けるのでしょうか。
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新たな子どもの突然変異は父親の年齢に比例して上昇

2012-08-27 08:30:01 | 研究
子どもの遺伝子変異で親から受け継いだものではない、まったく新たな変異が起きる最大の要因は、受胎時の父親の年齢にあるとする研究論文が発表されたそうです(AFPBB NWES)。研究は、親の遺伝子にはないゲノム配列の変化を見つけるために、両親と子どもの親子3人計78組と対照群数百組のゲノム解析を行ったもの。その結果、遺伝子に起こる新生突然変異の発生率の増加は、要因の97.1%が受胎時の父親の年齢にある可能性が示されたそうです。一方、新生突然変異の発生率の増加と、受胎時の母親の年齢には関連は見いだされなかったとも。現在の新生児は平均して約60の小規模な新生突然変異を持って生まれてくるそうです。父親が20歳の場合、新生突然変異の平均数は25だったが、40歳の場合では65なのだそうです。新生突然変異が起こる確率は受胎時の父親の年齢が上がるほどに上昇し、父親の年が16歳違うと発生率は倍になったということです。つまり20歳の父親に比べて36歳の父親のほうが、子どもに新生突然変異が起こる確率が2倍になるということに。今回研究が行われた新生突然変異は精子が生成される際など細胞分裂の過程で起きるもので、ダウン症など母親の年齢と関連付けられている染色体疾患における変異過程とは異なるそうです。新生突然変異とは対照的に、親から受け継ぐ遺伝子変異の確率は父親からも母親からも等しくなっています。また良い面から見れば、新生突然変異は人間の進化に不可欠で、われわれが環境の変化に適応していくことを可能にしているとも。
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65歳以上の10%が認知症

2012-08-26 08:30:04 | 研究
認知症高齢者は現時点で300万人を超え、2002年の149万人から、この10年間で倍増しているという調査結果が明らかになりました(YOMIURI ONLINE)。65歳以上人口の10人に1人にあたり、従来の予測を大幅に上回る急増だそうです。厚生労働省は来年度から新たな認知症対策を始めるそうですが・・・・・・。この調査は、2002年段階の推計以来のもので、今回は2010年時点での介護保険の要介護認定のデータから、日常生活で何らかの支援が必要な認知症高齢者数を推計したそうです。2010年時点では、その数は280万人(65歳以上人口に占める割合=9・5%)で、2012年段階では305万人に達しているとみられるというのです。さらに将来推計では、2015年は345万人(同10・2%)、2025年は470万人(同12・8%)と見込んでいます。前回の調査結果による推計では、2010年は208万人(同7・2%)、2025年は323万人(同9・3%)だったそうです。前回の推計を大幅に上回った背景には、急速な高齢化に加え、認知症の啓発が進み、受診者が増えたことが大きいと見られるそうです。
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肥満と炎症

2012-08-25 08:30:34 | 研究
肥満と炎症は炎症の原因になることに関しては多くの報告があります。さらに両者はさまざまながんと関連することが分かっているそうです。今回、これらの関係性をサポートする研究成果を紹介します。5%以上の減量を成功した過体重または肥満の閉経後女性では、いくつかの炎症マーカーが減少したという研究結果がが報告されました(Medical Tribune)。つまり、肥満を解消すれば炎症が抑えられるというのです。ちなみに、運動の単独介入では炎症マーカーに大きな変化はなかったそうです。
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加齢に伴う手の震えの遺伝子特定

2012-08-24 08:30:44 | 研究
体を動かす際の手足の震えは、日本人では65歳以上の5人に1人が発症しているそうで、日常生活に大きな支障となる場合がありますが、根本的な治療法はありません。 こうした手の震えを止めることが可能となる治療法が開発されるかもと期待される研究結果です。高齢者が字を書いたり歩いたりする際に手足が震える原因となる遺伝子の一つを特定したという発表がありました(時事通信)。この遺伝子がないマウスでは、神経細胞間で情報を迅速に伝達するのに不可欠な物質が作られなかったというのです。人間の震えの治療にも応用が期待できるそうです。
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パーキンソン病の発症を抑える遺伝子

2012-08-23 08:30:34 | 研究
パーキンソン病は、体が震えたり、動きが不自由になったりする難病で、このうち遺伝性のパーキンソン病は、異常を来した「ミトコンドリア」を含む脳細胞が多くなっていくことが原因であることがわかっています。異常を引き起こしたミトコンドリアを含む細胞を使って実験したところ、特定の種類の遺伝子がミトコンドリアの異常を検知し、活性化することを解明したそうです(NHK NEWS WEB)。通常は、別の種類の遺伝子が異常なミトコンドリアを分解するそうですが、これらの遺伝子の連携がうまくいかないと遺伝性のパーキンソン病につながることが明らかになったということです。遺伝性のパーキンソン病の患者は、国内で15万人と推定されるパーキンソン病の患者のおよそ1割で、患者の早期発見につながると考えられているそうです。
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早産が後年の精神障害のリスクに

2012-08-22 08:30:40 | 研究
早産は様々な精神障害の独立した危険因子であることが発表されました(Medical Tribune)。研究は1973~1985年にスウェーデンに出生登録され、16歳の時点で同国に居住していた全ての人(約130万人)のデータと同国の退院登録を分析し、精神障害の初発で入院した全ての人を同定したものそうです。その結果、在胎32週未満で生まれた児では、在胎37~41週で生まれた正産児に比べて若年成人期に精神疾患、うつ、双極性障害を発症するリスクが、それぞれ2.5倍、2.9倍、7.4倍高かったというのです。これは未熟な神経系は出生時の合併症で脳に損傷を受けやすいからではないかと考えているようです。スウェーデンでは毎年新生児の約6%が早産児だそうです。医療の発達で命は助かって一見健康的な生活を起こっているが、高い確率で精神障害を発症しているというのです。人種差はあるのでしょうか。気になりますね。
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