健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

飽和脂肪酸より炭水化物の方が悪影響

2014-11-30 08:30:56 | 研究
心臓病など多岐にわたる健康上の問題に関連するとして長きにわたり悪者扱いされてきた飽和脂肪ですが、摂取量を2倍~3倍近くにしても、その血中濃度は上昇しないとする研究論文がPLoS ONEに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。一方、炭水化物については、糖尿病と心臓病のリスク増に関連がある脂肪酸の血中濃度上昇に関係していることが、同じ研究で示されたそうです。摂取する飽和脂肪は必ずしも体内に蓄積されず、脂肪に関して考慮すべきの主要な因子は、食事に含まれる炭水化物だということだそうです。
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失われた言語の痕跡

2014-11-29 08:30:40 | 研究
海外へ養子縁組に出された子どもたちは、たとえ生まれて間もない頃に聞いた言葉を覚えていなくても、脳の中にその言葉が刻まれ続けているとした研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、9歳~17歳の少女48人を対象に実施。少女達は、それぞれ「フランス系住民の家庭で生まれ育ち、フランス語だけを習得」、「中国で生まれてフランス系住民の家庭に引き取られた後、フランス語だけを習得」、「中国で生まれてフランス系住民の家庭に引き取られた後に中国語とフランス語を習得」の3つのグループに分類。ちなみに、養子に出された時期は平均で12.8か月だったそうです。33グループ全ての子どもたちの脳を磁気共鳴画像(MRI)を用いてスキャンを行いながら、異なった声調で発せられる中国語の音声を聴かせたそうです。例えば「ママ」といった言葉は、中国語を話さない人たちにとってはどの声調でも同じ音として聞こえるそうですが、中国語の知識がいくらかでもある人は、その声調によって「マ」が母親、麻、馬、罵りなど異なる意味があることを認識できるそうです。研究では、被験者たちに複数の音声を聞いてもらい、その声調の違いが認識できるか否かをボタンを押して答えてもらったそうです。その結果、参加者の正答率は非常に高かったというもの。フランス語だけを話す被験者には右脳の活動がみられ、一方の中国語とフランス語を話す被験者と幼い頃に聞いた中国語を忘れた被験者には、右脳および左脳で活動がみられたそうです。これは赤ちゃんの頃に中国語を聞いていた子どもたちは、たとえ覚えていなかったとしても、聴いた音声を言葉、もしくは何かしらの意味を有するものと判別できていることを示しているというのです。
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不快な刺激に慣れるとはどういうことか?

2014-11-28 08:30:10 | 研究
動物が不快な刺激に馴れる際の仕組みの一端が解明されたそうです(財経新聞)。動物は、不快で嫌な刺激でも、さらされ続けることで馴れていきますね。研究では、302個の神経細胞しか持たないシンプルな神経系の線虫C.エレガンスを用いて、飼育プレートに振動を与えた時の後ずさり行動について調べたそうです。その結果、6時間の振動を与え続けた線虫集団と振動を与えなかった線虫集団に、18時間後に再び振動を与えたところ、振動を与え続けていた方の集団は明らかに移動量が減少していたそうです。また、振動を記憶する神経について詳しく調べたところ、AVAとAVDという2つの神経細胞が記憶に関与していること、そしてこれら両方の神経細胞に異常が起きた時のみ、記憶に異常が発生するということが分かったというもの。認知機能障害やストレス体験がもととなるPTSDなどの疾患の理解とその分子標的薬の開発につながることが期待されるそうです。
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オゾン層破壊物質が増加している!?

2014-11-27 08:30:38 | 研究
オゾン層の破壊につながる大気中の塩化水素が、北半球では近年増えているとする観測結果が、ネイチャーに発表されたそうです(47 NEWS)。大気の循環が一時的に弱まったのが原因とみられるそうです。気候なども関係するため、直ちに北極圏のオゾン層破壊が拡大しているわけではないというのです。地球規模では大気中の塩化水素は減り続けているそうで、塩化水素を生じさせるフロンの規制が有効ではと考えているそうです。
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長寿遺伝子は存在しない!?

2014-11-26 08:30:06 | 研究
110歳以上まで生きた17人の遺伝子を解析した結果、長寿の秘訣となる共通の特徴は見つからなかったとの論文が、PLOS ONEに発表されたそうです。世界で確認されている110歳以上の人は現在74人で、うち22人が米国内に居住しているそうです。研究チームがゲノム配列の解析を行った17人の平均死亡年齢は112歳で、最も長寿の人は116歳まで存命。このうち14人は欧州系、2人がヒスパニック、1人がアフリカ系米国人だったそうです。今回は少数のサンプルだったためか遺伝子に関する手掛かりは発見できなかった可能性も。環境要因の方が寿命に対して影響が大きいのかもしれません。今後の研究のための資料として、今回の分析結果は一般公開する方針だそうです。
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気候変動で2100年までに落雷が50%も増える!?

2014-11-25 08:30:10 | 日記
森林火災や死亡事故の原因となり得る落雷の発生件数は、気候変動が原因で今世紀末までに50%ほど増加する可能性があるとの研究論文が、Scienceに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この論文は、地球温暖化が2100年までにどのように進行するかを予測する11種類の異なる気候モデルに、降水量と雲の浮力の測定値を適用した結果に基づくものとなっているそうです。温暖化が原因で、大気中に含まれる水蒸気の量は増加する。このことは、『燃料』が増えるほど、点火した時に爆発の規模が大きくなる可能性があるのと同じだというのです。雷が受ける影響についてのこれまでの推算では、降水量との密接な関連性がない間接的な手法が用いられていたそうで、そこから導き出された結果は、温暖化で気温が1度上昇するごとに、雷の発生数が5~100%の範囲で増加するというものだったそうです。一方、今回の最新研究では、大気中の空気を上昇させるエネルギーと降水率とを合わせて考慮する手法に基づいているそうです。降水量と対流有効位置エネルギー(Convective available potential energy、CAPE)という2つのパラメーターを複数の気候モデルに適用した結果、世界の平均気温が1度上昇するごとに、落雷が約12%増加することが分かったそうです。気温が今世紀末までに4度上昇すると、落雷は50%近く増加することになるということです。落雷の発生数が増加すると、死傷者が増える可能性がある上、自然や野生動物に破壊的な影響が及ぶ恐れも。また、落雷率の増加が原因で、乾燥した森林地帯で起きる山火事の件数が増加し、多数の鳥や他生物が全滅したり、近隣の住民が危険にさらされたりする結果を招く恐れもあるとのこと。
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嗅覚刺激による禁煙

2014-11-24 08:30:40 | 研究
眠っている間に嗅覚を刺激することで禁煙できる可能性を示した論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。睡眠中の「条件付け」が人間の行動を変化させる可能性について研究している研究チームは、感覚刺激の中で唯一、人を眠りから目覚めさせない嗅覚を利用したそうです。禁煙を望んでいる喫煙者66人を3つのグループに分類。第1のグループには睡眠実験室で一夜を過ごしてもらい、睡眠中に2種類の悪臭を嗅がせたそうです。一つは腐った卵の臭い、もう一つは魚の臭いで、どちらもたばこの煙と混ぜてあったそうです。翌朝、被験者たちには悪臭を嗅いだという記憶は残っていなかったが、実験後の1週間に吸ったたばこの本数はいつもよりも少なくなったと回答。第2のグループには目覚めているときに同じ悪臭を嗅がせ、第3のグループには睡眠中に腐った卵、魚、たばこの煙の臭いを別々にかがせたが、両グループともに実験後の1週間に吸ったたばこの本数は減らなかったというもの。最良の禁煙結果が出たのは、ノンレム睡眠のステージ2の時に悪臭とたばこの煙が混ざった臭いを嗅がされたグループで、実験後に喫煙量は30%減少。この研究では、睡眠中に禁煙する方法を発明したわけではないそうで、『条件付け』は睡眠中にも可能で、その条件付けによって行動が変化し得ることが示されたものということです。
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HIVの自然治癒の遺伝子メカニズム解明

2014-11-23 08:30:25 | 研究
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した男性2人の「自然治癒」に関する遺伝子メカニズムを解明したとの研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。発表された研究論文は、HIVに感染してもエイズの症状が現れなかった男性2人を対象とした研究に基づくものだそうです。HIVは2人の免疫細胞内にとどまっているものの、遺伝情報に変異が生じたために不活性化されているそうです。抽出したHIVのゲノム(全遺伝情報)を解読したところ、一般的な酵素「APOBEC」の変異に関連している可能性があることが分かったようです。
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シフト制勤務による脳機能の低下

2014-11-22 08:30:30 | 研究
シフト制勤務を10年以上続けている人は、脳の記憶力や認知力が低下する可能性があるとする研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。低下した脳機能は回復可能だが、それには少なくとも5年かかる可能性があるとも。体内時計を混乱させるシフト制勤務については、これまでにも潰瘍や循環器疾患、一部のがんと関連が指摘されています。しかし、シフト制勤務が脳機能に与える影響についてはあまり知らていません。研究では、フランス南部で1996年、2001年、06年の3回にわたり、さまざまな職業分野の現役労働者、退職者合わせて3000人以上の長期記憶、短期記憶、処理速度、認知能力全般について検査。被験者は初回検査時の年齢が32歳、42歳、52歳、62歳のいずれかで、うち半数の勤務形態は、夜勤、あるいは朝昼晩を順次交代するシフト制勤務だったそうです。シフト制勤務のグループとそうでないグループの検査結果の経年変化を比較したところ、シフト制勤務と「慢性的な認知機能障害」に関連性が認められたというもの。この関連性は、シフト制勤務が10年間を超える場合により強く、加齢による衰えの6.5年分が追加された状態に相当するそうです。またデータでは、シフト制勤務を止めた後に認知機能が回復するには少なくとも5年かかることが示されたとも。
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未成年者へのエナジードリンク販売禁止

2014-11-21 08:30:54 | 研究
リトアニアでは、未成年者(18歳未満)へのエナジードリンクの販売を禁じる法律が施行されたそうです(AFPBB NEWS)。同国議会が今年5月に可決した法律に基づき、未成年者に栄養ドリンクを販売した者には400リタス(約1万6300円)以下の罰金が科されるそうです。最近の調査でリトアニアの学齢の児童・生徒のうち、約10%が少なくとも週に1回は栄養ドリンクを飲んでいることが明らかになっているそうです。こうした飲料に含まれる高濃度のタウリンやカフェインは活発性過度や依存症を引き起こす可能性があり、科学者の間では、違法薬物乱用のきっかけになり得るとの指摘もあるそうです。同国内でも賛否両論あるようですが、米国医師会は昨年、子供や10代の若者へのエナジードリンクの販売禁止を呼び掛けているそうです。サウジアラビア政府も今年3月、エナジードリンクの広告を全面的に禁止するとともに、教育・スポーツ関連および政府施設内でのエナジードリンク販売を禁じたそうです。
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