健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

トランスジェンダー女性が授乳可能に

2018-02-28 08:30:53 | 研究
乳の分泌を誘発するホルモンを使ってトランスジェンダー女性が授乳できるようになったとする初の科学的な臨床研究結果が、Transgender Healthに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。これは、男性として生まれた30歳のトランスジェンダー女性に関する研究報告 報告によると、このトランスジェンダー女性は6年間にわたって女性化ホルモン療法を受けていたが、性器や胸の手術は受けていなかったそうです。パートナーの女性が妊娠したものの授乳する意思を示さなかったため、生まれてくる乳児の最初の栄養源となる役割を自分が担いたいと希望し、医学的アドバイスを求めたとそうです。このトランスジェンダー女性は、卵胞ホルモンのエストラジオールや黄体ホルモンのプロゲステロンなど、乳の分泌を誘発するホルモンを使った療法を継続する一方、搾乳器を1日3回、5分ずつ両胸に使用するよう指導を受けたそうです。さらに、乳の分泌量を増やす用途外の効果を求めて吐き気止めの薬ドンペリドンをカナダから取り寄せ、使用。ドンペリドンは、心不全を誘発する懸念を米食品医薬品局(FDA)が指摘し米国では認可されていないそうです。授乳される乳児へのリスクも不明だそうです。研究報告によると、ホルモン療法の開始から3か月半後にパートナーが出産し、このトランスジェンダー女性は6週間にわたって自分の乳のみを乳児に与えたそうです。その後、乳の分泌量が足りないとの懸念から栄養補助として粉ミルクを併用するようになったそうです。乳児の成長や摂食機能は全く正常だったということですが、乳の栄養価や子どもの安全面については、さらなる研究が必要だと専門家は指摘しているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3162732
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

WHOが分娩の基準見直し

2018-02-27 08:30:23 | 研究
世界保健機関(WHO)は、必要のない場合にまで帝王切開などの介入が行われる分娩の事例が大きく増加していることを受け、世界中で用いられている医療基準を見直したことを発表したそうです(AFPBB NEWS)。1950年代以降、子宮頸部の開大が1時間に1センチより遅い分娩は「異常」と見なされ、それよりも進行が遅い場合には、帝王切開を実施するか、分娩促進効果があるオキシトシンなどの薬剤を使用して対応が取られる傾向があるそうです。過去20年余り、女性に対する不必要な医療介入が増え続けており、一部の女性に対して無用の介入があまりに多く行われているのが現状だそうです。先日発表されたWHOの新たな指針は、1時間に1センチという基準の適用をやめるよう勧告。全ての出産に当てはまる基準はないとしながらも、初産の場合は12時間未満、2人目以降の出産では10時間未満の分娩は正常と見なすべきだとしているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3162639
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シングルファーザーの寿命は・・・・・

2018-02-26 08:30:21 | 研究
パートナーがいる父親やシングルマザーと比較して、シングルファーザーは早死にするリスクが2倍以上になるとするカナダの研究結果が、Lancet Public Healthに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、カナダ全土のシングルマザー4590人、シングルファーザー871人を含む4万500人を11年間にわたって追跡調査。調査開始時の平均年齢は40代前半で、対象者の700人が調査期間終了までに亡くなったそうです。この中で、パートナーがいる父親およびシングルマザーと比較して、シングルファーザーの死亡率は約3倍高かったというのです。シングルファーザーは年齢が高い傾向があること、がんや心疾患の罹患率が比較的に高いことを考慮しても、死亡リスクは依然2倍ほど高いと結論。好ましくない生活習慣やストレスなどがその原因として考えられ、シングルファーザーには偏った食生活や運動不足、過剰飲酒などより不健康なライフスタイルを送る傾向がみられたと指摘しているそうです。また、シングルマザーでは婚外出産の割合が高かったが、1人で子育てをしている男性では、別居、離婚、パートナーと死別しているケースがより多く見られたそうです。離別体験は精神的健康に対するリスク要因でもあるそうです。さらに2016年の研究によると、シングルファーザーはたとえ身体的・精神的に不健康な状態にあることを自覚していても、専門家の助けをあおぐことが女性よりも少ない傾向があったそうです。ひとり親家庭は近年、先進国全体でますます一般的になっているそうです。例えば米国では、1960年には8%だったシングルマザーと住む子どもの割合は、2016年には23%となっているそうです。一方、同じ時期、シングルファーザーと住む子どもは1%から4%に増加。欧州では、ひとり親家庭の割合が最多なのはデンマークで30%。経済協力開発機構(OECD)によると、そのうち23%の世帯主は女性で、7%が男性となっているそうです。世界の子ども人口23億人のうち14%に当たる3億2000万人がひとり親世帯に暮らしているとのデータもあるそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3162581
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

低脂肪ダイエットと低炭水化物ダイエット

2018-02-25 08:30:01 | 研究
ダイエットに関するアドバイスでは、炭水化物か脂肪の摂取量を減らすことが強調されることが多いようですが、実際には糖質制限も脂質制限も似たり寄ったりだとする研究論文がJAMAに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、18~50歳の被験者609人(女性が57%)を低脂肪ダイエットか低炭水化物ダイエットのどちらかのグループに無作為に割り当てて、そのダイエット方法を1年間継続して実行。最終的に、減少した体重の平均値は両グループともに約5.9キロだったそうです。被験者の中には平均よりはるかに痩せた人(最高で27キロ減)もいた一方、9キロほど太った人も。ですが、「ダイエット法」と「より優れた減量効果」との間には何の関連性も見いだせなかったそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3163373
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

慢性的な大量飲酒と認知症

2018-02-24 08:30:38 | 研究
慢性的な大量飲酒は、あらゆる種類の認知症、特に早期発症型の認知症の主要な危険因子であるとする論文が、Lancet Public Healthに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。フランスの早期発症型認知症の5万7000件以上の症例を調査した結果、半分を優に超える数がアルコール関連、またはアルコール乱用の診断が追加されたものであることが判明。全体として、アルコール摂取障害は、あらゆる種類の認知症でリスクが3倍高くなることに関連付けられたそうです。従来の研究では、認知機能に対するアルコールの影響については結論が出ていなかったそうです。一部の研究では、少量から中量の飲酒には利点がある可能性を示しているが、他の研究では、大量飲酒は認知症のリスクを上昇させると。世界保健機関(WHO)は「慢性過剰飲酒」の定義として、男性で基準量の6杯かそれ以上である1日当たり純アルコール60グラム以上(アルコールドリンク約6杯以上に相当)、女性で40グラム以上としているそうです。今回の研究は、フランス全土の病院の6年間にわたる患者の退院記録に基づいたもので、稀な認知症と関連する疾病の患者や若年の精神障害の人々は対象者から除外されているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3163384
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アリは「製薬工場」?

2018-02-23 08:30:21 | 研究
アリは細菌や真菌類に対する強力な殺菌剤を自ら生成しているとの研究論文がRoyal Society Open Scienceに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この研究は、働き者の昆虫であるアリを人間のための製薬工場として利用可能かを調べる目的で行われたそうです。アリは体にある特殊な分泌腺で抗菌性化合物を生成するそうです。この分泌腺をめぐっては、アリの「化学工場」とも呼ばれているそうです。アリはこの腺の分泌物で体の表面を覆っており、中には人が部屋の中で殺菌洗浄剤を利用するのと同じように抗菌性物質を巣の周囲にまくアリもいるとのこと。研究では、アリが作り出した化学物質を表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)で試験。人の皮膚表面の常在菌である表皮ブドウ球菌は、通常は無害な細菌です。異なる種のアリが生成した化合物には細菌を殺傷する有効性に差があることも分かったそうです。ちなみに今回見つかった化学物質で、人の病気を引き起こす細菌を対象とした試験はまだ行われていないということです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3162208?cx_position=5
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海面上昇のペース加速

2018-02-22 08:30:13 | 研究
世界の海面上昇のペースが加速しており、今世紀末までに66センチ上昇する可能性があるとの研究報告書が先日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この数値は国連(UN)の推定値とほぼ一致しているそうで、沿岸部の都市への重大な影響も懸念されるそうです。報告書によると、過去の海面上昇のペースは年約3ミリだったが、2100年までに3倍以上の年10ミリとなる可能性があるということです。25年に及ぶ衛星データを基にまとめられた報告書では、海面上昇の加速は、主にグリーンランドおよび南極大陸の氷床融解の加速に起因するもので、2100年までの総上昇量は、海面上昇が一定のペースで進むと仮定した場合の約30センチではなく、2倍の60センチを超える可能性があるとしているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3162180?cx_position=6
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ISSの民営化を検討

2018-02-21 08:30:01 | 宇宙
米国紙ワシントン・ポストは先日、米国政府が国際宇宙ステーション(ISS)の予算を2025年までに打ち切り、民営化することを検討していると報じたそうです(AFPBB NEWS)。同紙が入手した米航空宇宙局(NASA)の内部資料は、連邦政府によるISSへの直接的な支援が2025年に打ち切られても、軌道から離脱されるわけではないと指摘。民間企業が将来、商業目的でISSの装置や機能の一部を引き継いで運営することは可能だと述べているそうです。民営化を円滑に進めるため、米政府は民間企業に市場分析と開発計画を提出させるだろうと、同紙は伝えているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3162078?cx_position=7
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

乳がん転移とアミノ酸制限

2018-02-20 08:30:46 | 研究
アミノ酸の体内の生成量や食物からの吸収量を抑えると、乳がんの転移を阻止できる可能性があるとする研究結果が、Natureに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。がん細胞が肺、脳やその他の臓器や骨に拡散し、腫瘍を形成する「転移」は、がんによる死亡につながることはよく知られています。マウスを使った今回の実験では、非必須アミノ酸の「アスパラギン」が乳がん拡散でのカギとなっている可能性があることが明らかになったそうです。タンパク質の構成単位であるアスパラギンは、がん細胞を含む人体内のあらゆる細胞で産生される他、牛肉、乳製品、鶏肉、魚介類やアスパラガス、大豆などの食物から吸収されるそうです。マウスに与える餌に含まれるアスパラギンを減らすと転移が半減したというのです。また、アスパラギンを制限するその他の方法と組み合わせることで、転移は約20分の1に抑えられたとも。

http://www.afpbb.com/articles/-/3161627
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不妊化した蚊

2018-02-19 08:30:37 | 研究
米国フロリダ州マイアミの保健当局は、デング熱などの感染症を媒介する蚊を減らすため細菌で不妊化したネッタイシマカを大量に放つ試みを進めているそうです(AFPBB NEWS)。同地では外来種であるネッタイシマカは、デング熱やジカ熱、チクングニア熱などを媒介するそうです。2016年、ジカ熱の拡大を受けて世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、同年11月に解除。フロリダ州当局は、殺虫剤の空中・地上散布を実施してきたそうですが、住民から健康被害や効果のなさを指摘する声が上がっていたため、州は保健局が推進するネッタイシマカの不妊化プロジェクトに410万ドル(約4億5000万円)の予算を承認。放虫されるネッタイシマカは遺伝子操作されているわけではなく、同種の蚊の雄だけを不妊化する共生細菌「ボルバキア」に感染させてあるそうです。ブラジル・リオデジャネイロでも昨年8月、同じ細菌に感染させたネッタイシマカを大量に放す試みが行われたそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3161942
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする