健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

農場のちり

2015-09-30 08:30:18 | 研究
農場で子どもを育てると、アレルギーを予防できるように思われることは、研究者らの間で長年知られているそうです。そして、その秘密は農場の「ちり」にあることを突き止めたとする研究結果が、Scienceに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。農場のちりは「A20」と呼ばれるタンパク質をい誘導し、このA20の作用によって、チリダニ類などのアレルギー誘発物質に対する気道内粘膜の反応を低減させることを発見。農場で育った人2000人を対象とした調査で、アレルギーやぜんそくに悩まされている人がほどんどいないそうです。また農場育ちでも、アレルギーやぜんそくにかかりやすい人々は、保護効果を持つタンパク質が欠乏していることが分かったそうです。
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血中がん細胞をインプラントで捕捉

2015-09-29 08:30:13 | 研究
米国の研究チームが、体内で拡散するがん細胞を捕捉する極小の体内埋め込み型医療機器(インプラント)を開発したことがNature Communicationsに発表したそうです(AFPBB NEWS)。一般的に「転移」と呼ばれるプロセスでは、最初に発生したがんの部位から細胞が移動して他の臓器でがんが発生。この発見の遅れによって、患者が命を落とすケースは少なくないそうです。血流に含まれる「血中循環腫瘍細胞(CTC)」の早期発見は、診断と救命治療を迅速化する可能性があるとされますが、CTCはごく少数単位で、多くの場合長期間にわたって血中を循環してから新たな部位に定着するため、発見することが非常に困難となっているそうです。今回はマウス実験によるものだそうですが、人への応用も不可能ではないそうです。
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成人の約半数が糖尿病か予備軍

2015-09-28 08:30:57 | 研究
米国の成人人口の約半数が糖尿病、または糖尿病予備軍であることが、JAMAに発表された論文で明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。ただし、糖尿病患者の数は、過去数十年にわたって増加を続けていたそうですが、現在は横ばいの傾向にあるとも。論文によると、2011~2012年に、米国の成人人口の40%近くが糖尿病の前段階にある「予備軍」で、12~14%が糖尿病に罹患。糖尿病患者の割合は、ヒスパニック系が22.6%と最も高く、その後にアフリカ系の21.8%、アジア系の20.6%と続くそうです。白人の調査対象者の糖尿病有病率は11.3%だったそうです。また、1988~1994年には、米国人の9.8%が糖尿病を患っており、2001~2002年には同10.8%、2011~2012年には同12.4%に増加しているとも。しかし、最近の増加率はわずかであり、糖尿病の有病率が頭打ちになった兆候であるとも考えられるそうです。
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ビタミンで暴力抑止

2015-09-27 08:30:46 | 研究
オランダの刑務所で、怒りの制御に問題を抱える受刑者にビタミンやミネラルを処方し、所内の暴力行為の抑止を目指す研究が実施されるそうです(AFPBB NEWS)。オランダ治安・法務省によると、来年早々に開始されるこの研究では、国内7か所の施設に収容されている、暴力的な傾向を示す受刑者に、追加のビタミン、ミネラル、魚油などを投与する予定だそうです。刑務所の食物に栄養補助食品を追加すると、所内の暴力事件が25%以上減少することが、1990年代後半に実施された英国の研究で明らかになっているということを基にしているようです。
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10代少年の心拍数の低さ

2015-09-26 08:30:58 | 研究
安静時心拍数が低い10代後半の少年は、成人後に暴力犯罪に関わるリスクが高まることを示唆する研究結果が、JAMA Psychiatryに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究の成果は、特定の人々が犯罪行為に及ぶ前に阻止する方法の改善につながる可能性を示すものと考えられます。安静時心拍数の低さは、心理的覚醒水準の慢性的な低さや、嫌悪刺激やストレス刺激に対する反応の弱さを示すとも考えられます。心理的覚醒水準の慢性的な低さは、刺激的な体験の要求につながる可能性があり、また嫌悪刺激やストレス刺激に対する反応の弱さは、向こう見ずな行動に駆り立てる要素となり得るそうです。この研究は、1958年~1991年生まれのスウェーデン人男性71万264人を対象とした、最大35.7年間に及ぶ追跡調査のデータを調べたものだそうです。安静時心拍数と血圧を測定した時の平均年齢は18歳。その結果、調査対象のうちの4万93人が追跡調査期間中に暴力犯罪で有罪判決を受けていることが分かったというもの。そして、安静時心拍数が最も低かった(毎分60回以下)男性13万2595人は、安静時心拍数が最も高かった(毎分83回以上)男性13万9511人に比べて、暴力犯罪で有罪判決を受ける確率が39%高く、非暴力犯罪で有罪判決を受ける確率が25%高かったそうです。
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生活習慣に起因する死者が増加

2015-09-25 08:30:24 | 研究
世界で高血圧や喫煙など回避可能な健康リスクとの関連による死者数が1990年以降、約23%増加したとする研究論文が、Lancetに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究は世界188か国を対象としたもので、世界保健機関(World Health Organisation、WHO)や世界銀行(World Bank)などの各種データに加えて、100か国を超える国々の科学者約1000人から提供された統計を基にまとめられたものだそうです。79の健康リスクによって2013年に3080万人が死に至ったとの結論に。人口増加と高齢化を考慮した場合でも1990年比で570万人も増えているとのこと。2013年に危険度が最も高かった健康リスクは診断も治療も容易な高血圧で、計1040万人の死亡の一因となっていたそうです。高血圧に続く健康リスク上位の4つは喫煙、肥満、高血糖、塩分の過剰摂取で、世界全体の死者数を22.7%押し上げているそうです。最も危険な健康リスクは1990年以降、欠乏に起因するものから過剰摂取を原因とするものへと著しく変化。死亡につながる健康リスクの上位グループは、すべて食習慣に関連したものだったそうです。赤身肉や糖分を含む飲料を多く摂取する一方で果物や野菜の摂取量は少ない食生活が一因で死亡した人は、2013年の死者のうち21%を占めているそうです。このほかに、性別によって疾病の発症や死亡に大きな違いが生じることも明らかに。例えば喫煙は、男性では死につながるリスク要因の第2位で2013年には440万人が死亡。しかし、女性で喫煙を原因とする死者は男性よりも6割ほど少ないそうです。またアルコール摂取についても、男性ではリスク要因の上位10内に入るそうですが、女性の場合は主な死亡原因ではなく塩分の過剰摂取など食生活に起因するリスクが最も高くなっているそうです。
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超高齢化

2015-09-24 08:30:42 | 研究
9月21日は敬老の日でした。その日のニュースで、65歳以上の高齢者数は3384万人で、日本の人口の26.7%を占め、過去最高になったという総務省の統計が報道されていました。前年(3295万人、25.9%)と比べると、89万人、0.8ポイント増と大きく増加し、人口、割合共に過去最高だそうです。男女別では、男性は1462万人(男性人口の23.7%)、女性は1921万人(女性人口の29.5%)と、女性が男性より459万人多くそうです。人口性比(女性100人に対する男性の数)を年齢3区分別にみると、0~14歳では105.0、15~64歳では101.9と男性が多いのに対し、65歳以上では76.1と女性が多く、また、70歳以上では70.0、75歳以上では63.0、80歳以上では54.0となっているそうです。年齢階級別にみると、70歳以上人口は2415万人(総人口の19.0%)で、前年と比べ33万人、0.3ポイント増、75歳以上人口は1637万人(同12.9%)で、47万人、0.4ポイント増。また、80歳以上人口は1002万人(同7.9%)で、前年と比べ38万人、0.3ポイント増となり、初めて1000万人を超えたそうです。主要国の中で高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(26.7%)が最も高く、次いでイタリア(22.4%)、ドイツ(21.2%)。これを平成52年(2040年)の将来推計値でみても、日本(36.1%)が最も高く、次いでイタリア(33.8%)、ドイツ(31.3%)と、我が国の高齢者人口の割合は、主要国の中でも、今後とも高い水準で推移すると推計されているそうです。また、厚生労働省によると、9月15日時点で100歳以上の高齢者は6万1568人と初めて6万人を超えたそうです。
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オキシトシン投与

2015-09-23 08:30:34 | 研究
発達障害の一種で、相手の意図をくみ取ることが苦手な自閉スペクトラム症患者のコミュニケーション障害が、ホルモンの一種「オキシトシン」で改善することが行動や反応で確認されたと発表があったそうです(YOMIURI ONLINE)。オキシトシンは脳で分泌され、陣痛や母乳分泌を促す薬として使われているようです。研究では、自閉症の男性患者20人に、オキシトシンと偽薬を1日2回6週間、鼻に噴霧して効果を比較。患者へのインタビューや、パズルやゲームを共同で行った際の表情や視線、会話などをチェックして点数化し、判定。その結果、オキシトシンを噴霧した方が、重症度を示す数値が偽薬より約2割低かったといううことです。オキシトシン投与の効果が実際の対人場面で確かめられたのは初めてだそうです。
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喫煙する酒好きながん患者

2015-09-22 08:30:06 | 研究
喫煙し、酒好きのがん患者が10年以内にたばこに関係する別のがんを発症するリスクは、喫煙も飲酒もしないがん患者より5倍高いとの論文が発表されたそうです(YOMIURI ONLINE)。喫煙や飲酒は様々ながんの原因になると言われていますが、今回の研究で一度がんになった後に別のがんを発症させる危険性も高めることを示したというものだそうです。この研究は、1985~2007年に大阪府立成人病センターでがんと診断され、10年以内に転移や再発ではない別のがんを発症した1904人を分析したものだそうです。肺や食道、口腔、膵臓などのたばこ関連のがんを発症した1163人について、最初のがんが診断された時の喫煙や飲酒の習慣との関連を調べた結果、明らかになったそうです。がんになった方は、禁煙と禁酒あるいはお酒は控えめにということだそうです。
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血管の硬さと認知症

2015-09-21 08:30:05 | 研究
血管が硬くなるほど、認知機能の低下が起こりやすいとの研究結果が発表されたそうです(YOMIURI ONLINE)。この研究は、群馬県に住む65歳以上の高齢者982人を対象に、健康状態や生活習慣などを調べ、認知症が疑われる人などを除いた526人を平均3・4年間、追跡調査したものだそうです。動脈硬化の度合いを示す検査値によって対象者を「低い」「普通」「高い」の三つの群に分け、認知機能を調べるテスト(30点満点)で2点以上低下した割合を調べたところ。様々な要因の影響を調整した結果、高い群は低い群に比べて、認知機能の低下が約3倍も起こりやすかったというもの。動脈硬化は、認知症になるリスクの指標の一つとして活用できる可能性があるとのことです。
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