健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

ナマケモノの内臓

2014-04-30 08:30:30 | 研究
ナマケモノの内臓。と言うっても、ヒトの怠け者ではなく、動物のナマケモノの話です。ミツユビナマケモノの内臓は下位肋骨に固定され、逆さまにぶら下がるときに肺を圧迫しないような独特の構造になっているという研究報告が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この中南米に生息するミツユビナマケモノは、後ろ脚で木にぶら下がり、枝の先にある若く柔らかい葉を食べて一生の大半を過ごすそうです。代謝が非常に低いため、1枚の葉を消化するまでに1か月かかることもあるそうで、体重の3分の1程の尿とふんをためておくことが可能で、排せつは週に1回ほどとも。つまり、胃と腸の内容物が体重の大きな部分を占めることになるというのです。そして、マナケモノの肝臓や胃、腎臓などの腹部の器官が肋骨に固定され、ナマケモノが逆さまになったときも横隔膜を圧迫しないような構造になっていることが明らかに。この構造により、ナマケモノのエネルギー消費量は13%削減されていることになるそうです。
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心拍動の規則性の仕組み解明

2014-04-29 08:30:30 | 研究
心臓はリズミカルに規則正しく拍動しています。しかし、この心拍動リズム形成の分子機構は明らかではありませんでした。心臓の拍動は、心臓の右上部(右心房基部)にある「洞結節」と呼ばれる部位が発信源になっていることは教科書に載っています。この洞結節では規則的に活動電位を発生していますが、洞結節の細胞は1つではなく複数あり、それらが各々活動電位を発生し、それが心臓全体に伝導してして、心臓として規則正しいリズムで拍動しているそうです。こうした活動電位の発生源が複数あるのにもかかわらず、洞結節として統一した1つのリズムを形成して、心臓全体に伝導する詳しい仕組みは分かっていなかったそうです。そこで、大きさや電気的な性質が微妙に違う洞結節の細胞モデルをコンピューター上でシュミレーションシして、約1千通りの組み合わせで、電気信号の発生と伝わり方を解析した結果、その詳細が明らかになったそうです(朝日新聞デジタル)。
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頭頸部がん臨床試験

2014-04-28 08:30:30 | 研究
放射線を使った次世代のがん治療法「ホウ素中性子捕捉療法」で、喉頭がんや舌がんといった「頭とう頸けい部がん」に対する世界初の治験(臨床試験)が始まったそうです(YOMIURI ONLINE)。この療法は、がん細胞を狙い撃ちするため、従来の放射線治療に比べて副作用が少ないとされているようです。早ければ5年程度で薬事法上の承認を受け、実用化したいということのようです。点滴でがん細胞にホウ素を取り込ませ、弱い中性子線を当てることで、ホウ素が崩壊して放射線を発し、がんを内側から破壊する仕組みだそうです。放射線は細胞一つ分程度しか広がらず、正常な細胞は傷つけにくいため、副作用が少ないと期待されています。頭頸部がんは、手術で切除すると会話や食事に支障が出ることもあり、患者は放射線治療を選ぶことが多いようです。ですが、従来の方法では正常な細胞も傷つけてしまい、皮膚がただれるなどの副作用が問題でした。今回の臨床試験では、通常ならがん細胞が減るのに1か月かかるところを、2、3日に短縮できると期待されているようです。
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米国の高血圧ガイドライン改定

2014-04-27 08:30:43 | 研究
高血圧治療のガイドライン改定により、米国では今後、60歳以上の高血圧患者の4人に1人が薬による治療の対象から外れる可能性があるそうです(AFPBB NEWS)。今回の改定では、60歳以上の降圧目標値が150(最高血圧)/90(最低血圧)mmHgに緩和されたそうです。これまでの目標値は、140/90mmHg。
ちなみに、この高齢者の降圧目標の緩和についてはすべての専門家が賛同しているわけではないそうです。米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)が実施した米全国健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey、NHANES)を用いて、2005~10年のデータ(1万6000人が対象)を分析した結果、治療の対象となる成人はこれまで40.6%だったそうですが、ガイドライン改定後は同31.7%となることが分かったというもの。1350万人(大半が60歳以上)が、危険な血圧水準のグループから除外され、うち580万人は降圧薬による治療が不要と判断されることになるということです。これはあくまでも米国での話です。さて、日本では・・・・・。
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関節リウマチ特効薬!?

2014-04-26 08:30:01 | 研究
関節リウマチの症状緩和に関して、中国の伝統薬の原料となる植物タイワンクロヅル(学名:Tripterygium wilfordii Hook F)の方が広く処方されている製薬よりも効果が高いとする研究が成果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。別名「雷公藤」(らいこうとう)とも呼ばれるタイワンクロヅルは、主に手足の関節が侵される自己免疫疾患の関節リウマチに対して薬効があるとして、中国では古くから用いられているそうです。この植物の抽出成分には、炎症や免疫反応を和らげる効果があると考えられているジテルペノイドなど、数百の化合物を含んでいることから、以前から薬学研究者たちの関心を呼んできたそうです。中国・北京協和医院(Peking Union Medical College Hospital)に所属するリウマチ専門医、張烜(Xuan Zhang)氏が率いた今回の研究は、関節リウマチの患者207人を集め、「リウマトレックス(Rheumatrex)」または「トレクサール(Trexall)」の名称で市販されている抗リウマチ薬メソトレキセートか、タイワンクロヅルのどちらか一方、もしくはこの二つの混合薬を与え、6か月後に医師が診察して症状の変化を検討。その結果、この試験を最後まで終えた174人のうち、関節リウマチの活動性を評価する指標ACRで症状の50%改善を示すACR50に達したのは、メソトレキセートのみを服用したグループで46%、タイワンクロヅルのみを服用したグループでは55%だったとそうです。しかし、最も劇的な効果がみられたのは、タイワンクロヅルとメソトレキセートの混合薬を服用したグループで、77%近くがACR 50を達成したそうです。その一方で論文は、今回の調査にいくつかの限界があったことを認めているとも。第一に、治療の効果を判定する審査委員は外部から招かれたものの、試験に参加した医師たち、さらに患者自身も投薬治療の内容を知っていたこと。第二に試験期間が短すぎ、症状を実際に和らげたのか、それとも単に病気の進行を食い止めただけなのか判断がつかなかったそうです。そして、第三にメソトレキセートの服用は、週当たり12.5ミリグラムまでに制限されたそうです。欧米ではより多くの量を服用するのが一般的だそうです。さて、効果は・・・・・・。
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特定保健指導でメタボ改善

2014-04-25 08:30:43 | 研究
検診結果からメタボリックシンドロームと判定されると特定保健指導が行われます。実際に、指導を受けている方も多いかと思います。この特定保健指導の効果についての中間報告が厚生労働省「特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのワーキンググループ」より先日発表されました(薬事日報)。40~74歳の特定保健指導が終了した人について、翌年度の健診結果からメタボリックシンドロームの改善状況を見たところ、積極的な支援によって男性の約3割、女性の約4割がメタボリックシンドロームから脱出していたことが明らかになったというのです。腹囲や血糖、血圧等の検査値等が改善したというのです。今回は、2008年度から11年度の4年間分のデータを用いたそうです。でも、残りの弾性7割、女性6割は・・・・・。半分以上は改善できないというのはどこに問題があるのでしょうか。
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はしかの流行

2014-04-24 08:30:30 | 研究
今年1月から4月6日までのはしかの患者数が253人に達し、昨年1年間(232人)を上回ったそうです(YTOMIURI ONLINE)。海外渡航者以外の患者が急増しているそうで、流行がさらに拡大する恐れがあるとして、ワクチン未接種の人や接種歴が不明な人へ注意を呼びかけているそうです。今年初めにはフィリピンなどはしかの流行国に渡航した人が帰国後に発症するケースが目立ったがそうですが、その後は渡航歴がなく国内で感染したと推定される患者が増えたそうです。現在の患者数は昨年同時期の2・8倍に。はしかの感染力は強く、季節性インフルエンザの6倍、昨年大流行した風疹の2倍。39度前後の高熱や全身の発疹に加え、3~4割の患者は重症化して、肺炎や脳炎などで入院。有効な治療薬はありませんが、ワクチンで予防できるものです。
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日本の総人口

2014-04-23 08:30:34 | 研究
先日、総務省が発表した人口推計によると、去年10月1日現在の日本の総人口は1億2729万8000人で3年連続の減少となり、15歳から64歳の「生産年齢人口」も少子高齢化の影響で32年ぶりに8000万人を下回ったそうです(NHK NEWS WEB)。日本人と3か月以上住んでいる外国人を合わせた去年10月1日現在の日本の総人口は、男性が6190万9000人、女性が6538万8000人で、合わせて1億2729万8000人。総人口は前の年より21万7000人減り3年連続の減少。このうち、15歳から64歳の「生産年齢人口」は7901万人で、昭和22年から24年の第1次ベビーブームに生まれた、いわゆる「団塊の世代」が65歳以上に次々と達したことなどから、前の年より116万5000人減って、昭和56年以来32年ぶりに8000万人を下回ったそうです。65歳以上の人口は3189万8000人と前の年より110万5000人増えて、総人口に占める割合が25.1%となり、比較が可能な昭和25年以降では初めて総人口の4人に1人が65歳以上に。一方、0歳から14歳の「年少人口」は1639万人で前の年より15万7000人減り、総人口に占める割合は12.9%と過去最低に。都道府県別では39の道府県で人口が減っていて、最も減少率が高かったのは秋田県の1.18%、次いで青森県の1.04%、山形県の0.90%。また、東日本大震災で被災した3県では、宮城県が減少から増加に転じたほか、岩手県と福島県でも減少幅が縮小しているそうです。
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ボストンマラソン

2014-04-22 08:30:32 | 日記
昨年、ボストンマラソンで爆弾テロがありました。3名が死亡し、260名以上が負傷したと報道されています(YOMIURI ONLINE)。その数日後から、ボストンで学会が開催される予定だったのでよく覚えています。あれから1年。テロに屈することなく、昨日、ボストンマラソンが開催され、無事に終えたようです。よかったです。昨年、爆発に巻き込まれた負傷したり、足を失った参加者が無事に見事完走した様子が報道されていました。もう二度とこのような惨事が起きないことを祈るばかりです。
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微細藻類が体内ウイルス減らし免疫機能を高める

2014-04-21 08:30:55 | 研究
微細藻類「シュードコリシスチス」が体内のウイルス量を減らすとともに免疫機能を高めるという研究成果が発表されたそうです(日刊工業新聞)。もちろん、ヒトを対象とした実験ではなく、マウス実験だそうです。実験では、同藻類のエタノール抽出液を使い、A型インフルエンザウイルス感染マウスに経口投与したところ、対象マウスに比べウイルス量は約半分に減少、抗体量は1・5倍に増加。また単純ヘルペスウイルス2型ではウイルス量は約3分の1に減少したというもの。一方、抗インフルエンザ薬である「タミフル」はウイルス量を10分の1以下に減らせるが、抗体量は4分の1に減少させてしまうそうです。詳細なメカニズムは不明だそうですが、既存の治療薬はウイルスが細胞に入ってから効くのに対し同藻類は細胞に入る前に効くことが分かったそうです。これは薬剤耐性ウイルスが発生しない可能性が高いことを示しているということです。
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