米国の学校で子どもたちに切ったリンゴと丸のままのリンゴを提供したところ、切ったものはよく食べる一方で、そのままの場合はほとんど目もくれなかったという研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)ニューヨークにあるミドルスクール(小学校高学年~中学校)6校で、1か月にわたって、3校では切ったリンゴを、別の3校では丸のままのリンゴを販売し、リンゴを選ぶ割合や食べる量、廃棄される量などについて調べたそうです。その結果、子どもたちは主に2つの理由で、形の大きい果物を好まないことがが分かったというものです。低学年の子どもたちは口が小さく、さらに歯列矯正をしていたり、抜けた歯がある場合もあり、そのままでは食べづらいというのです。また、高学年の女子は、他の生徒たちの前で丸かじりすると、服などを汚すかもしれず、恥ずかしい思いをするかもしれないと心配するのだそうです。切って販売すると、リンゴの販売量は平均で61%増加したそうです。さらに、切った場合は購入後、リンゴを半分以上食べる子どもの割合が73%増加したとも。この傾向は、調査終了後も変わらなかったということです。
宇宙飛行士の免疫系が無重力状態では機能しにくい原因に関する新たな手掛かりが明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。血管の内側にある細胞を国際宇宙ステーションへ送り、6日間休ませた後、この細胞を「敗血症」として知られる血液の感染症を広範囲に起こす強力な内毒素(エンドトキシン)であるリポ多糖(LPS)に導入したそうです。単純に6日間宇宙で過ごさせた後に細胞は遺伝的変化を示し始めたが、これは無重力状態での免疫低下に典型的な変化で、宇宙飛行士によくみられる状態だったそうです。私も参加していた、米国Bostonで開催されていたExperimental Biology 2013で発表されたそうです。これは見逃していました。同じ実験を地球上でも再現し、通常の重力状態での感染の進行と宇宙でのそれを比較し、敗血症の治療に新たなヒントが得られたとしています。米国では毎年約75万人が敗血症にかかっているそうです。敗血症は治療しなければ死に至ることもあり、手術後の主な死因の一つでもあるそうです。
先日、少しわくわくするようなニュースが報道されていました(47NEWS)。カブトムシの雄と雌の性差をつかさどる遺伝子が発見されたというものです。、この遺伝子が角の形成を制御しているがわかったそうです。カブトムシは、雄の頭部と胸部に角が生え、雌は角が生えないかわりに全身に毛が多く生えるということはよく知っていますよね。研究では、キイロショウジョウバエが持つ性差をつかさどる遺伝子に着目し、カブトムシにも同じ役割を持つ遺伝子があることを突き止めたというものだそうです。いろいろな事が明らかにされていきますね。
肥満が世界中で問題視されています。カナダの都市部と地方のティーンエイジャーの食生活の認識を調査した研究が紹介されていました(QLife Pro)。2007年から2009年の間に、13歳から19歳の女子77人、男子55人を対象に食生活についての質問をして、ファーストフードの店舗が周りに多い都市部と、比較的少ない地方で、食生活に対する考え方に違いがあるかどうかを比較したものだそうです。その結果、食生活に関する考えに影響するのは、立地的にファーストフード店にアクセスしやすいことには関係が無いことが分かったそうです。それよりも、健康な食生活について理解しており、不健康な食生活を行うことに罪悪感を抱くかどうかが影響するそうです。この調査から、育ち盛りの10代の子どもたちに、健康管理の必要性や、健康的な食生活について教育をきちんと行うことで、氾濫するファーストフード産業と共に生活していても、偏った食生活を避けることが可能であることが分かったというものです。肥満をファーストフード産業のせいにはできないということですね。親や周囲の大人が子どもを守ってあげないといけないのですね。考えさせられます。
欧米でこれまで関節炎に用いられてきた薬が、ドライアイに効果を発揮することが分かったそうです(QLife Pro)。ドライアイはパソコンなどの普及により、一般化してきた目の症状だそうですね。スクリーンを見つめているうちに瞬きが減少することなどが原因とされています。アメリカでは推定900万人の人が、重度のドライアイにかかっているとみられているそうです。記事によりますと、これまでリウマチ性関節炎の治療に用いられてきたインターロイキン受容体拮抗薬アナキンラ(Anakinra)という薬が、ドライアイの治療にも効果を発揮することが確認されたというのです。この薬により、炎症を引き起こすインターロイキンの産生が抑えられると共に、受容体アンタゴニストの産生を増やすそうです。受容体と受容体アンタゴニストしっかり結びつけてしまうことで、インターロイキンが受容体に結合することができなくなり、インターロイキン由来の悪影響が防止できるそうです。実験は75人を対象に16週間にわたって行われたものだそうで、人工涙液とアナキンラの点眼を比較すると、アナキンラを使った人の方が症状が改善したそうです。また、一部の人はアナキンラでの治療を12週で停止しましたが、この人たちではその後の4週間の間に症状が再度悪化したことから、アナキンラの効果が確認できたというのです。ですが、このアナキンラは日本では未承認だそうです。
カリウム摂取量が多い成人の人ほど、収縮期、拡張期血圧が低く、脳卒中リスクも低いということが明らかになったそうです(QLife Pro)。この結果に基づいて、WHOは90mmol/日以上のカリウム摂取を推奨しているそうです。世界で推奨されているカリウム摂取量というのは、70~120mmol/日だそうです、平均摂取量が目安量を上回っているという国は少ないそうです。カリウム摂取量が健康にどう影響を与えるのかということについて調べた研究ではあまり結果が得られなかったため、WHOはシステマティックレビューとメタ解析を行ったそうです。成人では血圧、全死因死亡、心血管疾患、脳卒中、冠疾患として、有害な事象の候補としても、血中脂質量、カテコールアミン濃度、腎機能の変化に関する情報についても抽出したそうです。小児については主要アウトカムを血圧として、血中脂質量などに関するデータを得たそうです。過去に行われ文献などから、条件を満たす研究を選んだそうです。選んだものはランダム化比較試験または非RCTで、少なくとも1グループは4週以上にわたってカリウム摂取量が多い状態、1グループはカリウム摂取量が少ない状態であったものを対象とした研究と、カリウム摂取量について1年以上追跡し報告したものの研究だそうです。この研究で、成人のカリウム摂取量が増えると、血圧を下げることを示すことが確認されたそうです。また血中脂質量、カテコールアミン濃度、腎機能に影響がないことを示すエビデンスの質も高かったそうです。また、カリウムをより多く摂取すると脳卒中リスクは低下したそうですが、エビデンスの質も低かったそうです。小児に関するエビデンスの質は、成人に比べて低かったそうです。WHOでは、今回の分析でカリウム摂取が90mmol/日以上の人々に効果があることが認められたことから、カリウム摂取に関するガイドラインで90mmol/日以上の摂取を推奨したというものです。
カフェインとダイエットに関して少し興味深い記事がありました(QLife Pro)。ダイエットを経験した人の多くが悩んでいるとされるのが、リバウンド。ある程度の体重が減って、目標を達成してうっかりしていたらあっという間に戻った、あるいは以前よりもっと太ってしまったというものですね。こうしたリバウンドや逆太りは大きな問題ですね。一方で、ダイエットの効率を上げる食べ物が人気となっています。こうした食品のエキスを抽出して作られたサプリメントは、手軽に健康的な食生活の補助ができるので利用者も増えているそうです。その中でも、熱産生の効率をアップするとされるカフェインが豊富なコーヒーと、カテキンを含む緑茶を組み合わせたサプリだそうです。このコーヒーと緑茶のサプリで逆太り防止効果を検証が行われたそうです。すると、元々カフェインの摂取が多い人たちと、少ない人たちで、この、「コーヒー&緑茶」サプリによる逆太り防止効果に差が出てしまったというものです。1日のカフェイン摂取が500㎎前後、コーヒーを1日5杯くらい飲むという人たちでの逆太りが39%だったのに対して、1日の接種が150㎎前後、コーヒーを1日1-2杯飲む程度の人たちでは、逆太りした人は16%に留まったそうです。もともとたくさんのカフェインを摂っている人では、カフェインに対する耐性があって、サプリの効果が出にくいのではないかというのです。個人差はいろいろありますが、食生活がサプリメントの効果にも影響するのかもしれませんね。
Experimental Biology 2013に参加するために、米国ボストンに来ています。この学会の直前に、あのボストンマラソン爆弾テロ事件があり、開催が危ぶまれました。爆破テロ発生から5日というスピード解決は、学会開催全日というまさに滑り込みセーフ。まだ、事件の真相は不明ですが、まずは安心できる状態に戻ったのかもしれません。ボストンを訪れたののは初めてですが、かなり寒いです。ただ、街中は普通です。普通だと思います。はじめてきた街ですが、多分普通だと思います。強いて言えば、警官、特にパトカーが多いぐらいでしょうか。大会会場の内外にも多くの警官がいます。会場に入る際には、まず荷物チェックが結構厳重に行われています。かばんの中身のチェックです。ただ、身体検査などはありません。TVでの報道もやはり多く、事件も解決に向けて少しずつ動いているようですのでまずは安心しています。ただ、ポスター発表に、キャンセルが多いのか、張っていないボードは確かに多かったような気がします。また、展示ブースも空いている場所があったのは、少々気になりました。会場が広すぎて、移動に時間がかかり、今日1日だけで疲れました。来年は、San Diegoでの開催となるようです。
太陽に光を目にすると、寒くもないのにくしゃみが!という経験はありますか?ということで始まる興味深い記事を見つけました(QLife Pro)。明るい光を見て、くしゃみが出たり鼻がむずむずしたりする人は、4人に1人いると言われているそうです。これは、「光くしゃみ反射」というものだそうです。脳波を用いた検査では、すると、通常光くしゃみ反射がある人と対照群に対して、単純な模様と、明るい光を見せたところ、光くしゃみ反射がある人は光を見たときに、明らかに脳波の波形が異なったそうです。さらに、むずむず感は 体制感覚の感受性が高いほど強く感じるそうです。さらに、光くしゃみ反射、遺伝性もあることが報告されているそうです。そのため、「光を見たらくしゃみが出る」と当たり前に考えている家族と、「そんなの偶然じゃない?」という反応をする人に分かれるとのことです。
US Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)は、Vital Art and Science社のmyVisionTrackというアプリを、目の健康管理に活用できると認めまたそうです(QLife Pro)。対象としているのは黄斑変性症など、角膜に関連する病気を抱えている人たちだそうです。患者さんは自宅にいながら、簡単な視力検査を、アプリを通じて行うそうです。検査結果は、自動的にかかりつけの眼科医に送信されて、病状の進行など、眼科医が実際に診る必要がある場合にアラートが発せられるのというものだそうです。MySinchew.comによると、現状では、iPhone4S対応のみとのことですが、今後様々なスマホに対応でき、多くの人たちがこのアプリを実際の健康管理に役立てるようにしたいと、Vital Art and Science社のMike Bartlet氏がAFP RELAXNEWSの取材に対しコメントしたとされているそうです。ちなみに、現在アプリの価格等は未定ということです。