世界保健機関(WHO)は先日、糖尿病に関する初めての世界規模の報告書を発表し、成人の糖尿病患者数が2014年までに4億2200万人に急増し、1980年の数字から4倍近くに達したとの推計を示したそうです(AFPBB NEWS)。WHOは、とりわけ重要な行動パターンが形成される幼少期の「食事および運動の習慣」を世界規模で変えていくため、途方もない努力が必要とされると述べているそうです。
米国の最上位の富裕層は、最貧困層より15年近く長生きする傾向があることが、所得と平均余命に関する大規模調査で明らかになったとする論文がJAMAに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この研究は、1999~2014年の納税記録10億件超と、国の死亡統計資料に基づくものだそうです。最上位1%の富裕層と最下位1%の貧困層との間にみられる平均余命の格差は、男性で14.6年、女性で10.1年。例えば、所得分布の最下位1%に属する40歳の米国人男性の平均余命は、スーダンやパキスタンの40歳男性の平均余命と同等レベルだったそうです。そして、平均余命の不均衡は、時間とともに増大。2000年代には、高所得層ほど、平均余命の増加がより大きくなったそうです。2001~2014年の期間に、富裕層の寿命がさらに伸びる傾向がみられ、男性で2年あまり、女性で3年近く増加したそうです。一方で、所得分布の下位5%の人々については、平均余命に変化はみられなかったそうです。貧困層の間で平均余命に影響を及ぼすと考えられる要因としては、喫煙や肥満などが挙げられるそうです。米国疾病対策センター(CDC)によると、米国の平均寿命は78.8歳で、女性が81歳、男性が76歳。
最愛のパートナーの死によって不整脈が引き起こされる恐れがあるとする研究論文がOpen Heartに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、デンマーク人100万人近くの広範なデータを対象にしたそうです。従来研究の多くは、パートナーが他界した後に人が後を追うようにして死去するという、比較的よくみられる現象の解明に焦点を当ていたそうですが、今回の研究では、パートナーを亡くした人に、心房細動がどれだけみられるかを調査したそうです。心房細動は、最も一般的な不整脈の一種であり、発作や心不全の原因となるものです。1995年~2014年の間に収集されたデータを分析して、心房細動に関する特定パターンの有無を調査。データでは、8万8612人が新たに心房細動を発症と診断され、88万6120人は健康だったそうです。その結果、パートナーを亡くした人たちでは、初めて不整脈になるリスクが、そのような経験のない人たちよりも約41%高かったそうです。60歳未満では、この数字が倍増したそうです。さらに、死亡前1か月間の健康状態が比較的良好で、死去が予測されていなかったケースでは、57%だったそうです。
喫煙者は、喫煙しない人に比べて就職がより難しく、収入も少ない傾向があるとする研究論文がJAMAに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究は、米国San Francisco地区の失業中の求職者250人以上を対象とし、その約半数はタバコを1日平均13本吸う喫煙者で、残りの半数は非喫煙者。対象者を1年間追跡調査した結果、非喫煙者の56%が仕事を見つけたのに対し、喫煙者ではわずか27%だったというもの。また就職した人をみると、喫煙者の時給は、非喫煙者に比べて平均5ドル低かったとも。対象者の3分の2近くは男性で、全体の平均年齢は48歳。ただ今回の研究は、小規模な調査や地理的要因など、やや限定的なものでもあり、特に調査が行われたCalifornia州北部は、健康に対する意識が高く、喫煙が大きな汚点となる場合もあるそうです。また、分析対象となった両グループの間にも大きな相違点がいくつかあるそうで、喫煙者のグループは、非喫煙者のグループに比べて年齢が若く、教育レベルや健康状態が劣っている傾向があったそうです。
深刻な病気や死の宣告をもたらしていたはずの遺伝子変異がある人が、ごく少人数ながら健康な人の中にも存在することを発見したとの研究結果がNature Biotechnologyに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、約60万人のゲノム(全遺伝情報)から得られた900個近い遺伝子に関するデータのふるい分けを実施し、数百種類の異なる遺伝病のどれかの原因となる明確な変異を探したそうです。厳密な選別を行った結果、通常であれば8種類の消耗性疾患のうちどれか1つを引き起こす遺伝子変異がある人が13人見つかったそうです。これら8種の疾患には、肺や消化器系に重度の損傷を及ぼす嚢胞性線維症の他、頭蓋骨の重度の変形を特徴とする「ファイファー症候群」や、多発奇形や知的障害に関連する疾患の「スミス・レムリ・オピッツ(SLO)症候群」などが含まれていたそうです。
トムソン・ロイターが、インパクトの高い論文数分析による日本の研究機関ランキングを発表したそうです(財経新聞)。総合トップは東京大学で、京都大学、理化学研究所が続くそうです。分野別では、免疫学は大阪大学、材料科学では物質・材料研究機構、科学および物理学、生物学・生化学では東京大学がトップ。植物・動物学および分子生物学は理化学研究所がトップだそうです。なお、「22分野における日本の順位」も同時に公開されており、化学や免疫学、材料科学が5位、物理が6位にランクされているそうです。
日本人の肝臓がんは、ゲノム(全遺伝情報)の異常で6種類に分類されるとの研究論文が、Nature Geneticsに掲載されると発表がありました(YOMIURI ONLINE)。分類ごとに手術後の経過や生存率も異なっているそうで、新しい治療法や診断法の開発への応用が期待されるとのことです。研究では、日本人300人の肝臓がんのゲノムを調べ、がん1個あたり約1万か所の異常があることを確認。異常のパターンを基に肝臓がんを分類すると、6種類に分けることができたというもの。手術後5年以内の再発率は、最大で100%から15%までと分類ごとに大きく異なっていたそうです。再発の多い群は生存率も低かったとも。肝臓がんは、主に肝炎ウイルスの持続感染などで起こり、国内で年間約4万人が診断され、約3万人が亡くなっているそうです。
先日、スウェーデンのノーベル財団が、今年のノーベル賞発表の日程を明らかにしたと報道されていました(YOMIURI ONLINE)。各賞の発表日は以下の通りだそうです。
生理学・医学賞 10月 3日
物理学賞 10月 4日
化学賞 10月 5日
平和賞 10月 7日
経済学賞 10月10日
なお、文学賞の日程は後日公表されるそうです。
生理学・医学賞 10月 3日
物理学賞 10月 4日
化学賞 10月 5日
平和賞 10月 7日
経済学賞 10月10日
なお、文学賞の日程は後日公表されるそうです。
異常に高いコレステロール値の原因とされる遺伝子変異は、これまで考えてきたよりもはるかに低い、人口の約2%にしか存在しないとする研究結果が米国Chicagoで開催されたAmerican College of Cardiologyで発表されたそうです(AFPBB NEWS)。これまでの研究では、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの値が190 mg/dl以上の場合と定義される、コレステロール値が「非常に高い」人の25%に、遺伝子の異常がある可能性が指摘されていたそうです。ですが、非常に高いコレステロール値を招く原因は、偏食や運動不足、一般的な遺伝子変異など他にも数多く存在しており、単独では影響が少なくても、同時に起こればコレステロール値に大きな影響を与える可能性があるというのです。研究では、コレステロール値が非常に高い2万6000人以上を対象に、過去最大となる遺伝子の配列解析を実施。その結果、家族性高コレステロール血症につながるとされる遺伝子変異を持つ人は人口のわずか2%だったが、こうした人が50~60代までに心臓の動脈血管内に命を脅かすほどのプラークが形成されるリスクは、平均的なコレステロール値(LDLが130 mg/dL未満)の人と比べて22倍高かったということです。
ある人が将来心臓病にかかるかどうかを予測する上で、体重と身長の関係から算出されるBMI(体格指数)より胴回りのサイズの方が有力な指標になるかもしれないとする研究結果が、米国Chicagoで開かれたAmerican College of Cardiologyで発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、心臓病にはかかっていない糖尿病患者200人について調査。その結果、胴回りのサイズが大きい人は小さい人より、酸素濃度が高い血液を脳などに送り出す左心室の機能に異常がある場合が多いことを発見。研究チームの一人は、胴回りのサイズを落とせば、心臓病になるリスクを減らせる可能性があると述べたそうです。胴回りのサイズが大きく心臓病の兆候がある糖尿病患者が将来、心臓の機能障害や動脈疾患を発症するかどうかについては引き続き研究が必要だとも発言しているようです。