2010年も残すところあと1日となりました。今年1年、政治、経済、科学・技術など様々な分野で大きな出来事がたくさんありました。民主党政権の迷走から始まり、普天間基地問題に関しての日米合意、急速な円高と株安、はやぶさの奇跡的な帰還とノーベル化学賞受賞。ここにきて、世界的な異常気象。ヨーロッパやニューヨークでの大雪。日本でもここ数日、東北地方を中心に大雪で、被害が出ていますね。いろいろな出来事があっても、時は時々刻々と過ぎていきます。民主党は財源不足からマニフェストを全面的に見直すとか、科学技術調査会を新設して国家戦略を立てるなどなど、この年末も相変わらずの迷走ぶり。確かに政治に頼らなければならない部分もありますが、政治がこうした状況だからこ自分からアクションを起こしていかないと、周りに流されてしまうと思います。自ら考え、判断し、行動する。こうしたことがますます必要な世の中になっていくのだと思います。人任せではいけないし、何とかなるという考えではなく、何とかするという考えで行きたいものです。
仕分けで一躍有名になったJAXAiがとうとう閉館となりました。東京駅前にあった宇宙航空研究開発機構の広報施設で、2004年9月にオープンしたそうです。しかし、今年4月の事業仕分けで「廃止」と判定され、閉館が決まっていました。開館していた6年間で122万人、この1カ月には通常の2倍の4万人が訪れたそうです(ASAHI.COM)。事業仕分けで一気に存在が知れ渡り、その後は入館者は多かったと思います。さらに、今年のはやぶさの奇跡的な帰還でさらに人気が出たものと思います。でも、惜しまれつつ28日に閉館しました。今の民主党政権であれば、はやぶさの帰還がもう少し早ければ結果が変わっていたかもしれませんね。世論に大きく流されますから。でも、東京駅前に単独施設として存在する必要性は確かに疑問でしょうか。別の場所で、同様の展示を行っていただければよいかと思います。こうした展示を引き継ぐところはないのでしょうか。
子宮頸がんワクチンの副作用として、気を失う例の多いことが、厚生労働省の調査でわかったそうです(YOMIURI ONLINE)。接種者の大半が思春期の女子で、このワクチン特有の強い痛みにショックを受け、自律神経のバランスが崩れるのが原因とみられているそうです。子宮頸がんワクチンは、肩近くの筋肉に注射するため、皮下注射をする他の感染症の予防接種より痛みが強いそうです。ご注意ください。昨年12月以降、推計40万人が接種を受け、10月末現在の副作用の報告は81人。最も多いのが失神・意識消失の21件で、失神寸前の状態になった例も2件あったそうです。その他は発熱(11件)、注射した部分の痛み(9件)、頭痛(7件)などだったそうです。転倒して負傷した例もあるそうです。思わぬ副作用?でしょうか。
全寮制の大学院。目を疑いました。大学院で全寮制とは?全寮制の大学院の新設を計画しているのは京都大学で、専門性と幅広い教養を備えた次世代リーダーの育成を目指し、5年一貫教育の「学寮型大学院」を新設する方針を固めたというのです(ASAHI.COM)。2012年4月のスタートを目指し、国際競争力強化と人材育成を目指す文部科学省の資金支援制度「リーディング大学院」に応募する予定だそうです。国際的な人材育成ということで、授業はすべて英語で行うそうです。定員は1学年16~20人で、京都大学の吉田キャンパス周辺に寮を設けるそうです。また、1人当たり年間約300万円の奨学金を授与されるという驚きの内容です。 大学院課程は、1、2年目は通常の大学院と同じく学位論文の研究に専念し、3年目は「法律政治」「医薬生命」「芸術」など8分野の「高度必修科目」で幅広い教養を修得するそうです。4年目は海外の大学や国際機関に留学、5年目にはインターンシップにも取り組むというものだそうです。現場で経験を積むことで、コミュニケーション能力を高めるのが狙いだそうです。興味ある大学院ですね。
准看護師養成学校(准看護師養成所)は中学卒業以上で入学できます。その准看護師養成学校に、短大・大卒者の入学割合が増えているそうです(YOMIURI ONLINE)。宮城県仙台市にある仙台市医師会付属准看護学院の今年度入学者は102名。そのうち、大卒は16人で中学の新卒者はゼロだそうです。また、社会人経験者は7割に上り、最年長は46歳の女性ということです。入学者の一人は、大学卒業後に中小企業に就職したが、「資格があると強い」と今年4月に入学したそうです。2年で卒業して准看護師の資格を取り、さらに看護師になるため進学するつもりというのです。こうした資格傾向は今後もしばらくは続きそうです。でも、就職難だから看護師などの医療職という図式は、少し間違っていると思います。看護など医療職による多くの仕事は単なる資格ではなく、志がないと続かないと思うのですが・・・・・。
周囲はすっかり師走モードですね。近くのスーパーマーケットも正月用品の入れ替え作業をしていました。さて、2010年もあと数日とカウントダウン状態になってきていますが、そこに花粉飛散の予測が飛び込んできました。環境省による来春のスギとヒノキの花粉の飛散量予測(速報)の発表です。来春は例年(過去10年平均)に比べ、東北から近畿にかけて多くなり、中国、四国、九州は同じか少なくなると予測しています。また、スギ花粉の飛散開始日は例年並みか5日前後遅くなる見通しで、2月上旬から日本列島を北上し始めるそうです。もうそんな時期なのですね。早めの対策を呼び掛けるための予測だと思いますが、新年を前に何となく憂鬱な気分になってしまいますね。毎年毎年、過去最大の飛散量かもという予測に怯えながら過ごしている方も多いかと思います。花粉症は完全に国民病となっています。これに対する有効な対策を何とか確立してほしいものですが・・・・・。
最近、驚くべき研究成果が報道されています。ここでも数多くのトピックを扱ってきました。でも、こうした研究成果の多くは一朝一夕に得られらものではなく、多くの努力と失敗が糧となっているはずです。1つの成功に数え切れないほどの失敗があるはずです。失敗。そうです。成果が出ないということです。でも、成果が出ないと評価されず、予算が削減される。すると、研究規模が縮小され、さらに結果が出にくくなるという負のスパイラスが。結局、成果が出にくいような研究から遠ざかる傾向になってしまいます。これでは、科学の本当の姿である真実を追求するということから外れてしまうのではないでしょうか。来年度予算の骨格が閣議決定されました。科学技術関連予算は予想通り削減されました。でも、科学研究費補助金やはやぶさ2関連予算は確保されたということで、報道ではメリハリのある予算などとも。科学研究費補助金はノーベル化学賞受賞、はやぶさ関連予算ははやぶさの軌跡の生還ということがあったので、当初大幅削減とされていたものを、元に戻したといったところでしょうか。つまり、世論が予算を左右するというような状態ともいえます。言いかえれば、失敗は認めない。こうした風潮では、科学は進歩しないのではないでしょうか。今回の予算配分を見れば、いつでも大幅削減があるということです。世論を味方につけるには、やはり成果が出やすい研究に集中するということになります。間違っているような気がしますが・・・・・。国として、科学研究をどうするか。将来的なビジョンが必要ではないのでしょうか。
生活習慣次第で大腸癌になりやすくなるらしいのですね。厚生労働省の研究班が、今後10年間に大腸がんになる確率の計算方法を開発したそうです(ASAHI.COM)。年齢や運動量、飲酒習慣など五つの項目を点数化し、合計するだけというものです。大腸癌の患者数は全ての癌の中で2番目。大腸癌のリスクには、年齢、肥満度、身体活動、飲酒、喫煙の五つ。研究班は、全国6地域に住む40~69歳の男性約2万8千人を12年間追跡調査し、その結果に基づいて5項目をそれぞれ点数化して合計して今後10年間の発症確率がわかる表を作ったそうです。もちろん、この計算方法の妥当性は、別の地域に住む約1万8千人で確認済し、この計算により同じ年齢でも生活習慣により発症する確率は4~5倍異なり、生活様式を見直すきっかけに使えるということです。ところで、今回の計算方法は男性のみを対象にしています。というのは、女性のリスクははっきりしていないためだそうです。
心筋梗塞。心臓に酸素や栄養供給する血管が詰まってします疾患ですね。血液が供給されない心臓が悲鳴を上げて、最悪心臓が止まってしまう怖い疾患です。年間約5万人が死亡するそうです。この心筋梗塞の発症にかかわる二つの遺伝子がはっけんされたというニュースが飛び込んできました(ASAHI.COM)。日本人と韓国人の計約1万7400人のゲノムを調べ、「BTN2A1」という遺伝子の塩基配列で、ある部分がCからTに置き換わっていると、心筋梗塞の発症率が約1.5倍に高まっていることを突き止めたというのです。この配列の遺伝子を持つ場合、血管をつまらせる血栓を作りやすくなるというのです。さらに、「ILF3」遺伝子の塩基配列の特定部分がAからGに置き換わっている場合も発症率を約1.4倍に高めていたことがわかったそうです。今後、欧米人を対象に調べ、さらに心筋梗塞の発症を起こす遺伝子かどうか確認する予定だそうです。予め心筋梗塞になりやすいと分かっていれば、予防が可能となる人も増えるでしょう。研究成果が期待されますね。
小鳥のように囀るマウスが遺伝子操作によって生まれたそうです。マウスは基本的に「チュウチュウ」に近い声を出します。でもあまり鳴きません。と言うのは、「チュウチュウ」と鳴くのは主に痛みを感じた時なので、通常の飼育状態ではまず聞くことはありません。では、普段は鳴くことはないのかというとそうではないそうです。マウスは我々の聴覚で聞き取れない周波数帯域(超音波)で鳴いている、さえずっているそうです。ところが、今回の遺伝子操作で生まれたマウスは、ヒトの可聴域でさえずるのだそうです。驚きですね。そして、このマウスを通常のマウスと一緒に飼育すると、通常のマウスは超音波でさえずらなくなるそうです。つまり、一匹が突然変異を起こすことで、周囲の個体に影響を及ぼすということです。動物の進化と関係がありそうですね。ちなみに、このさえずりは「ピピピッ」というものだそうです。小鳥のような囀りですね。