悪性グリオーマの薬として、現在開発段階のシレンジタイドという薬の抗腫瘍薬についてのメカニズムを遺伝子レベルで解明されたという発表があったそうです(QLife Pro)。シレンジタイドは、インテグリンという癌の増殖や血管新生などに関係すると分子に対する薬であり、現在は悪性グリオーマの世界規模の臨床試験が行われているそうです。今回、シレンジタイドで処理したことによって、グリオーマ細胞がアポトーシス効果があるということを認めたそうです。そのうえ処理を行った悪性グリオーマ細胞を使って、DNAのマイクロアレイ解析を世界初で行った結果、アポトーシスに関連する遺伝子グループ、とくにcaspase 8の発現が変わっているということがわかったというものです。
自動車排出ガスによる大気汚染が、子どもたちのインスリン抵抗性リスクを増大させるという研究結果が発表されたそうです(QLife Pro)。ミュンヘンとヴェーゼル近郊に住む10才の子ども397人を対象に、空腹時血糖値を測定。インスリン抵抗性を反映する、HOMA-R指数を算出したそうです。算出には、家庭の社会的・経済的状況や出生体重、成長状況、ボディマス指数、両親の喫煙状況などの情報も考慮されたそうです。その結果、二酸化窒素の濃度が1立方メートル当たり10.6マイクログラム上昇すると、インスリン抵抗性は17%増加したというのです。また、空気中の粒子状物質汚染が1立方メートル当たり10マイクログラム上昇すると、インスリン抵抗性は19%増加したとも。主要道路近くに住んでいるかどうかでも相違がみられたそうです。主要道路に500メートル近づくにつれ、インスリン抵抗性は7%増加。自動車排出ガスからくる二酸化窒素や粒子状物質、ディーゼル排気微粒子などのような大気汚染物質の毒性は異なるが、すべての物質は、直接、体内の脂肪やタンパク質と反応していると考えられるそうです。インスリン抵抗性は、糖尿病への指標ともいわれるが、糖尿病を罹患しているわけではありません。今のところ、粒子状物質汚染とインスリン抵抗性リスクの増加との臨床的関連性は判断できないとも。今回の研究結果により、成人期における糖尿病の発症が、幼少期における環境因子と関連しているというのではないかということに。
牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は糖尿病になるリスクが高くなるとする研究結果が発表されたそうです(NHK NEWSWEB)。国立がん研究センターなどで作る研究班は、全国の45歳から75歳の男女およそ6万4千人に食事などの生活習慣を尋ね、その後、5年間追跡調査を行ったそうです。そして、男女それぞれで一日に食べる肉の量に応じて4つのグループに分け、肥満や喫煙などの影響を取り除いて糖尿病の発症率を比較すると、食べる量が最も多い男性は最も少ない男性の1.36倍に高くなっていることが分かったそうです。さらに、肉の種類ごとに分析したところ、牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は糖尿病のリスクが1.42倍になっていたというのです。このグループが摂取していた赤身の肉は、一日当たり85グラム程度と推定され、小ぶりのハンバーグであれば1個、薄切りの焼き肉であれば4枚に相当するということです。女性では、食べる肉の量と糖尿病の発症に関連は認められなかったそうです。研究班では、男性の場合、赤身の肉を多く食べると鉄分が過剰になり、血糖値を下げるインシュリンの働きが悪くなる可能性があるとしているそうです。バランスの良い食事が大切ということですね。
糖尿病の人は、肝臓がんやすい臓がんになるリスクが2倍近くに高まるとする調査結果が発表されたそうです(NHK NEWSWEB)。この調査は、日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会によるもので、合わせて33万6000人の男女を追跡した国内の8つの研究を基に糖尿病とがんの発症に関係があるか調べたものだそうです。その結果、糖尿病がある人のがんの発症率は、糖尿病がない人の1.19倍に高くなっていることが分かったというもの。がんの種類別に見ると、肝臓がんでは1.97倍、すい臓がんでは1.85倍とリスクが2倍近くに高まっていて、結腸がんでも1.4倍になっていたというのです。一方、乳がんや前立腺がんでは、糖尿病があるかどうかで発症率に統計的な違いはなかったとも。糖尿病とがんは、いずれも喫煙や過剰な飲酒、それにバランスの悪い食事や運動不足などの生活習慣が発症に影響するとされています。生活習慣の改善は糖尿病の治療に必要なだけでなく、がんのリスクも下げるので非常に重要だということですね。
腕や足を動かす筋肉を増えないようにしている遺伝子の働きを抑えて筋量を増やすことで、徐々に筋肉が衰える筋ジストロフィーの症状を改善することに成功したという発表がありました(MNS産経ニュース)。骨格筋が増えるのを抑える遺伝子にミオスタチンというものがあります。特定の遺伝子の働きを抑制するRNA干渉法という技術を利用してミオスタチンの働きを妨げるRNA(siRNA)をsiRNAを定着しやすくするコラーゲンの一種とともに、筋ジスの症状を持つマウスの顎にある骨格筋に注射したそうです。すると、筋肉の量が増え、かむ力も強くなったことを確認したというものです。マウスでは1回の投与で効果は4週間続いたとも。
太陽の光には、ビタミンDの生成だけでなく、血圧を低下させるという作用があることが発表されたそうです(QLife Pro)。研究では、被験者24人に日焼けマシーンで紫外線A波(UVA)を20分間当てたそうです。その結果、1時間で血圧が4mmHg低下したというものです。紫外線をカットして、熱のみを肌に届くようにした場合には、血圧の低下はみられなかったとも。降圧作用がビタミンDによるものではないことを示すために、研究では紫外線A波(UVA)が使用されたそうです。骨を作るのに重要なビタミンDを生成するのは紫外線B波(UVB)であり、体内のビタミンD量には変化がなかったそうです。研究チームは、太陽光が血圧を下げることが証明されたため、心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らすことに役立つと考えているそうです。紫外線による皮膚がんのリスクについては、研究が実施された英国では、高血圧により心血管疾患や脳卒中を引き起こす可能性は、皮膚がんのリスクよりも80倍も高いということで、日光は心臓血管系のために有意義で、皮膚がんのようなデメリットよりもメリットの方が大きいとの考えを示したそうです。さて、そのメカニズムは・・・・?NOではないかと主張しているようです。
チンパンジーのiPS細胞の作製に成功したことが発表されたそうです(QLife Pro)。大型類人猿でのiPS細胞の作製成功は、世界初。このiPS細胞には、国内の動物園で自然死したチンパンジーの細胞が使用され、iPS細胞の作り方は人間の場合とほとんど同じ方法が用いられたそうです。作製されたiPS細胞はその後安定して増殖し、神経細胞への分化も確認されているそうです。チンパンジーは人と98.8%同じDNA配列を持っており、チンパンジーと人の違いがどの部分によるものかは判明してません。この研究によって人類が進化した過程も明らかになることが期待されるとも。また研究グループはオランウータンやテナガザルといった個体数が減少している霊長類のiPS細胞作製にも着手することを予定しており、このことにより絶滅危惧種の保存・人工繁殖の可能性にも期待が高まるそうです。意外なiPS細胞の利用法がありましたね。iPS細胞は4月には筋ジストロフィー、5月にはてんかんの病態を再現することに成功しており、これらの病気の治療に大きく役立つものとしても注目されています。さらに、iPS細胞を使った難病の新薬研究プロジェクトに政府が取り組むことも発表されているそうです。患者数が少ないため世界的にもなかなか研究が進まない分野において、日本初の治療薬を送り出すことが目標とのこと。
女の子とその母親およそ1200組を調べたところ、子どもの骨の量・「骨量」は、およそ35%が遺伝的な要素で、残りは運動量や食事など遺伝以外の要素で決まってくるという調査結果が発表されたそうです(NHK NEWSWEB)。この調査は12歳から18歳までの女子生徒とその母親1176組を対象に行ったものだそうです。親子の骨量や体重、それに運動量や食事などを調べ、統計的に分析したところ、子どもの骨量を決める要素はおよそ35%が母親からの遺伝的な要素で、残りは子どもの運動量や食事、体重など遺伝以外の要素だったということです。また骨量が、親子共に平均より多いケースと平均より少ないケースを比べたところ、骨量が少ない親子は運動をしている割合が低く、親子の平均体重も5キロほど軽かったということです。母親の骨量が低かったり、やせ型で運動をしなかったりする子どもは、将来、骨が弱くなるおそれがあるとしていて、積極的な運動やカルシウムの摂取を呼びかけているそうです。骨量の3割以上が遺伝だとしても、残りは環境などで決まるので、骨量が増える10代のうちに、しっかりと対策をということです。
運動が健康に重要であることは妊婦さんにとっても同じで、妊娠中の運動のメリットを疑う人はほとんどいないのかと思います。ある調査結果で、妊娠中に運動のメリットを最大限に活用するには、妊娠前に運動習慣があったかどうかが重要ということがわかったそうです(QLife Pro)。この調査では、82人の妊婦さんについて、質問を行い、妊娠前の運動状況、妊娠中の運動状況、運動することのメリットやデメリット、疲労を感じているか、運動についての自己評価や満足度、家族や周囲の人のサポート、気分の落ち込みの有無などについて、回答内容を分析したそうです。すると、妊娠前に運動していた人たちでは、妊娠中に運動している人も、していない人でも、運動のメリットの方をデメリットより強く、自分の運動について高い満足度を感じていたというのです。このような人たちでは、家族や周りの人が協力的と答える人も多く見られたとも。逆に妊娠前に運動していなかった女性では、妊娠中の運動を不安に思ったり、キツイと思ったりする傾向が強かったそうです。また、うつ傾向のある人や、若い妊婦さんでは、運動に消極的な人が多く、運動にタイしての満足度も低いことが分かったそうです。妊娠中の運動のメリットを活用するにあたっては、妊娠前の運動習慣も関係があるということです。
カロリーを抑えたダイエット用の清涼飲料や炭酸飲料を週に1本(約250ミリリットル)以上飲む中年男性は、ほとんど飲まない人に比べ、2型糖尿病を発症する危険性が1・7倍になるとの研究成果が発表されたそうです(MSN産経ニュース)。富山県の金属製造工場に勤務する35~55歳の男性2037人を対象に、ノンカロリーをうたった果汁飲料や炭酸を飲む頻度や量を毎年の健康診断で尋ね、2003年から追跡調査したそうです。その結果、2010年までに、170人が肥満や運動不足などが原因で起きる2型糖尿病になったというのです。清涼飲料に含まれる人工甘味料が甘いものへの食欲を増進させている可能性が考えられるそうです。肥満度の高い人が、そうした飲み物を好む傾向があるとも。