肺がん治療薬イレッサが引き起こす副作用の間質性肺炎が、一般に広く使われている胃薬のセルベックスで抑えられる可能性があること発表されました(ASAHI.COM)。イレッサの投与で起こる副作用の間質性肺炎は、肺が繊維化して硬くなり、呼吸ができなくなる病気です。副作用が起こる仕組みを調べたところ、イレッサの投与により、ストレスに対して細胞を守る働きをしているたんぱく質「HSP70」が減ることを発見したそうです。そして、HSP70の減少により、副作用の原因である肺の繊維化が起こることを明らかになったそうです。なぜ、これまで分からなかったのでしょう。HSP70はいろいろな細胞に普遍的の存在している物質で、ストレスに対する抵抗性をもたらすタンパク質です。一方、胃炎や胃潰瘍の治療薬として使われているセルベックスは、HSP70を増やすことがすでに知られています。イレッサを事前に与えたマウスにセルベックスを投与すると、間質性肺炎を抑えることができたそうです。他の疾患にも関係しているような気がします。ちなみに、当研究室でもセルべックスを用いたHSP誘導とその生理作用に関する実験を行っています。もちろん、主なターゲット臓器は骨格筋ですが。
米国防総省は、シュレッダーにかけられた文書を復元できるか参加者が競うコンテストを行うと発表しました(YOMIURI ONLINE)。最高で賞金5万ドル(約380万円)が出るそうです。何のためにと思いますよね。発表されている理由は、画期的な復元手法の開発につなげるのが狙いだそうで、押収したテロリストの文書を読んだり、国家機密の文書をシュレッダーで細かくするのは安全か判定したりするのに役立てるというこのです。主催は同省高等研究計画局(DARPA)で、専用サイトに市販のシュレッダーでばらばらになった5種類の文書を公開したそうです。参加資格は、18歳以上の米国永住の個人かチームだそうです。紙片を元通りにし、手書きの文章を読まなければ解けない質問に答えるそうです。完全に文書を復元した場合の最高額は5万ドルになるということです。シュレッダーで細かくなった紙は、人間が手で復元したり、コンピューターで自動復元したりできるといいますが、現在の方法では遅すぎ、人手がかかりすぎるとして、科学者やパズル愛好家に斬新な手法の提案を呼びかけているそうです。どれくらいの人が応募して、どれくらいの時間で復元できるものなのでしょうか。
年に1度、X線による肺がん検診を受けても、死亡率低下にはつながらないとする大規模調査の結果を、米国立がん研究所などがまとめ発表したそうです(ASAHI.COM)。調査は55~74歳の約15万人を対象に、半数は4年間連続でX線検診を受けた人、半数は何も受けなかった人に無作為に分けて、肺がんによる死亡との関係を13年間、追跡調査したものだそうです。 国際的に肺がん検診を実施している国はほとんどないのですが、日本では国が年に1度の肺がん検診を自治体に勧めています。科学的根拠がはっきりしない検診を続けるべきかどうか、今後議論になるかもしれません。
先日、介護が必要な高齢者や身体障害者の着衣動作を補助するロボットシステムが開発されたというニュースが報道されていました(YOMIURI ONLINE)。このロボットは、米国社製のロボットアーム2本を利用しているそうで、要介護者の両腕の手首付近まで半袖Tシャツの袖を通した状態にしておく必要があるという条件付きのようです。研究員がアームを持って襟の部分から頭部を通し、約10秒で着用させ、その際の動作を再現できるようロボットに学ばせた後に、ロボットが自動的に着用させるというものだそうです。デモンストレーションでは、マネキンを用いて、マネキンの姿勢が多少ずれてもロボット自体で頭部を通すポイントを自律的に修正でき、数回で着用させることができたそうです。そのうちに、完全に自動化された衣服を着脱させるロボットが開発されるのでしょうね。
総務省が発表した2010年10月実施の国勢調査確定値によると、日本の総人口は1億2805万7352人で、2005年の前回調査に比べ28万9358人(0・2%)増えたそうです(YOMIURI ONLINE)。しかし、このうちで日本在住3か月以上の外国人を除く日本人の人口は1億2535万8854人ということで、37万1294人(0・3%)減少したことになるそうです。国勢調査で日本人人口が減ったのは、日本人と外国人を区別して集計を始めた1970年調査以来初めてだそうです。その一方で、国連人口基金が2011年版「世界人口白書」を発表し、世界の人口が今月31日に70億人を突破するとの推計を示したそうです。1999年の60億人から12年間で10億人増加したことになるそうです。すごい勢いですね。いわゆるウナギ登りという状況ですね。そして、13年後には80億人、50年に93億人となる見込みだそうです。100億人を突破するかもしれませんね。でも、地球がそれだけの人口を養うだけのポテンシャルを持っているのでしょうか。ちょっと不安です。
あのアップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏の死因の1つに挙げられたも膵臓がん。膵臓がんは自覚症状が出にくく発見が遅れることが多く、治療が難しいとされています。その膵臓がんも完治できるような治療法開発の一歩というべきニュースが報道されています(YOMIURI ONLINE)。抗がん剤を微小カプセルに封入してがん組織に届ける技術だそうです。もちろん、まだ動物実験で成功したというニュースです。膵臓は他の臓器に比べ間質と呼ばれる細胞間の組織が多いため、抗がん剤の直接投与では、薬剤ががんに到達しにくいため、治療が難しいとされています。カプセルが間質を通り抜けられるよう、カプセルの直径を最小となる30ナノ・メートルにして、膵臓がんを起こしたマウスに投与した結果、抗がん剤だけを投与した場合は2週間でがんが約4倍になったが、カプセルに封入するとがんがわずかに小さくなったというものです。今後のさらなる研究の進展が期待されますね。
症状が似ていて誤診率も高い神経難病の「多発性硬化症(MS)」と「視神経脊髄炎(NMO)」を、脳脊髄液の分析によって正確に区別する方法が開発されたそうです。MSとNMOは、脊髄などの神経に炎症が起きて手足が動きにくくなったり、目が見えにくくなったりする病気で、MSは国内で1万人、NMOは3000人の患者がいるとされています。MSは症状で病名を確定します。NMOは血液中の特定のたんぱく質による診断も可能ですが、患者の3割はこのたんぱく質を持っておらず、確定診断が難しい疾患です。国内外の統計では、二つの病気の誤診率は30%前後と高く、NMOの患者にMSの治療薬であるインターフェロンβを投与すると、症状が悪化する場合もあるそうです。
心筋梗塞になった患者のうち、女性は男性よりも、専門病院までの到着時間が2時間近く遅れることが明らかになったそうです(YOMIURI ONLINE)。女性では典型的な症状の胸痛が表れにくく、危機的な状態だと気づかないケースが多いためだそうです。この結果は、2008~09年に発症から3日以内に入院した1826人(男性1366人、女性460人)を対象にした調査によるものだそうです。発症から来院までの時間は、男性が平均7・5時間だったのに対し、女性は同9・4時間だった。女性患者の発症年齢が男性より平均で10歳高く、女性の死亡率(13%)は男性(6・4%)の2倍以上になっていることも判明したそうです。女性の来院が遅れる理由については、女性はホルモンバランスの違いなどで、胸痛が表れにくいかもしれないと分析しているようです。男性に比べて罹患者が少なく、心筋梗塞は男性の病気との誤解から、胸痛を感じていても専門病院ではなく、最初は身近な診療所を受診する患者もいるそうです。女性の方は気をつけましょう。
スギ花粉症の人にとっては、だんだんやな季節が近くなってきていますね。あと4カ月もすれば、本格的な花粉シーズンに。憂鬱ですね。来年の対策はどうしようかと考える時期になってきました。そんな中、気になるニュースが。東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、林野庁は来月にも、福島県内のスギ花粉に放射性物質がどれだけ含まれているかを調査することを決めたそうです(YOMIURI ONLINE)。これまで放射線量が高い地域で生育した植物の花粉データは、国内外を通してほとんどなく、ひょっとしたら花粉に放射性物質が含まれている可能性もあるというのです。もし、スギ花粉に放射性物質が含まれていると・・・・・・。東京都福祉保健局によると、スギ花粉は200キロ以上飛ぶことがあるそうです。すると、福島の花粉が首都圏に届く可能性は十分にあると。しかも、それを吸引するとなると・・・・・。これは・・・・。ちゃんと調査してほしいですね。
セキセイインコが、変化するリズムに合わせて物をつつく能力を持つことが発見されたそうです(毎日jp)。こうした動作はヒトやゾウ、オウムなど、ごく限られた動物にしかできないそうです。脳科学の分野では、リズム感覚は言語の習得に不可欠と考えられており、言葉を獲得する仕組みの解明に役立つ成果だそうです。「ピッ」という音とともに光る発光ダイオード(LED)を一定の間隔で点滅させ、6回連続でLEDを正確につつけた場合に餌がもらえるようインコ8羽を訓練したそうです。その後、音と光が出る間隔を0・45~1・8秒の6段階で変えると、数回目にはリズムに合わせることができるようになったそうです。多くのインコが、音と光が出る前につつく行動を見せており、点滅間隔を予測して行動していると考えられたというものです。言語能力の獲得は他者の発声をまねすることと深くかかわっていると考えられているそうです。人の言葉をまねできるセキセイインコにリズム感覚があることは、言語の獲得とリズム感の関連を示す有力な根拠になるとも。