健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

無花粉スギ

2013-03-31 08:30:51 | 研究
花粉症の方、特にスギ花粉症の方には朗報です。花粉の出ないスギを、遺伝子組み換え技術を使って作製することに成功したという発表がありました(YOMIURI ONLINE)。遺伝子組み換えによる無花粉スギの開発は世界初で、自然界にある無花粉スギを元に品種改良する従来の方法より、効率良く開発できる利点があるそうです。遺伝子組み換え植物は環境に影響を与える可能性があるため、規制によりすぐに屋外に植えることはできないそうですが、実用化を目指して今後も研究を進めるそうです。納豆菌の仲間が持つ「バルナーゼ遺伝子」に着目し、この遺伝子などをスギの種子から取り出した細胞に組み込んだそうです。細胞を培養して苗木を育てたところ、雄花で作られるはずの花粉ができないことを確認したそうです。花粉作りに必要な栄養を供給する細胞の塊「タペート層」の生成が阻害されたことが原因と考えられるそうです。
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痛風発症の仕組み

2013-03-30 08:30:26 | 研究
痛風やじん肺を発症するメカニズムを細胞レベルで解明したと先日発表がありました(YOMIURI ONLINE)。痛風やじん肺は、過剰な栄養摂取によって、分解できない尿酸が体内に蓄積して結晶化したり、土ぼこりなどに含まれるケイ素の結晶を大量に吸い込んだりして発症しますが、詳細な仕組みは不明でした。マウスの細胞に尿酸やケイ素の結晶を取り込ませ、内部の変化を詳細に調査し、鋭くとがった結晶が細胞内の構造を破壊すると、これが刺激となって多数のたんぱく質が細胞内の1か所に集中し、炎症の連鎖反応を起こす「インフラマソーム」という複合体ができ、強い症状につながることを突き止めたそうです。従来の痛風の薬にはインフラマソームをできにくくする作用があることも確かめたそうです。体内の結晶が原因で発症する病気には、他にもアスベストによる中皮腫や、コレステロールが血管に蓄積する動脈硬化などがあり、同様の仕組みで炎症の連鎖が起きるらしいとも。発症の早い段階でインフラマソームの形成を止める薬を開発すれば、効果的な治療法になる可能性があるそうです。
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肺炎の進展を阻止する分子

2013-03-29 08:30:16 | 研究
肺炎の進展を阻止する新たな分子を発見したことが発表されたそうです(QLifePro)。肺炎は細菌やウイルスに感染して肺が炎症を起こす疾患で、免疫機能が低下している高齢者や慢性疾患、呼吸器疾患の患者に発症しやすく治癒しにくいことが知られています。治療には抗菌剤を処方するが副作用があり、炎症の悪化で肺水腫にいたるとさらに困難な状態となるため、効率的に炎症を抑える新薬が待たれています。炎症は侵入してきたウイルスや細菌を除去する反応で、障害を負った組織を治す生体防御反応でもあります。生理活性物質が免疫反応を促進、抑制しますが、そのバランスが崩れた時に炎症は過度になり、遷延化した時に肺炎が発症するそうです。つまり炎症を制御する因子をみつけること、そのメカニズムを明らかにすることが治療につながると考えられます。研究では、炎症が起こった時に生じるプロスタグランジンD2(PGD2)という物質が肺炎の進行に及ぼす影響を調べ、その結果PGD2にはこれまでに知られている炎症促進作用の他に、炎症抑制作用があることを発見したそうです。肺炎の初期には肺の血管内皮細胞や上皮細胞が生産するPGD2、後期には浸潤してくる免疫細胞が生産するPGD2が炎症抑制作用を発揮するそうです。PGD2は血管内皮細胞のDP受容体を刺激してその透過性を抑えることで、肺血管のバリア機能を強力にし、肺の炎症や浮腫の形成を抑えているそうです。そこでDP受容体の作動薬をマウスに投与したところ炎症と致死率が改善したそうです。PGD2シグナルの増強(DP受容体刺激)は肺炎治療の新たなターゲットになると考えられるそうです。
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イタリア産オリーブの香りに秘められたダイエット効果

2013-03-28 08:30:30 | 研究
ちまたをにぎわせているライトと書いてある食品群がありますね。コレステロールが低い、ダイエット効果、油脂が含まれていない、などから色々な効果が期待されるものですね。めぐまれたダイエットの環境下において、これらの食品を食べ続けてもなかなかダイエットが上手くいかないのは?その秘密は、ライトな食品群は満腹中枢を刺激しにくいので、食べても満腹感を得ることが難しく、おなかが需要を満たすことができない感覚を持ち、結果的にはライトな食品をたくさん食べてしまうというところにあるとされるそうです(QLifePro)。しかし、そんな方に朗報です。オリーブオイルはその満腹中枢を刺激してくれる効果が期待できるというのです。オリーブオイルはヨーロッパの中でもイタリアを産地とすることで有名で、イタリア料理のベースとなる食材ですね。イタリア人は、何にでもオリーブオイルをかけて食べるというイメージがあります。イタリア産オリーブオイルの香り成分として、ヘキサナールとE2ヘキサナールがあり、肝臓の細胞の中に血液からの糖分を取り込む働きを弱くし、満腹中枢神経に働きかけることで、満腹感を得ることが認められたそうです。イタリア産オリーブオイルの香りがダイエットに効果的かもしれないということです。さて、日本人にも効果的でしょうか。
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第90回日本生理学会大会

2013-03-27 08:30:01 | 研究
今日から第90回日本生理学会大会が開催されます。今年は、東京都江戸川区のタワーホール船堀で開催されます。この日本生理学会が毎年開催しているこの学会大会は、今年で90回を数えることからも分かるように、長い歴史を持つ学会です。これまで、基本的に毎年参加して発表していますが、毎年毎年とても緊張します。、昨日、編集員会があり、今日からいよいよ大会のセッションが始まります。当研究室関係では、今日ポスター発表2題、そして明日はシンポジウムでの発表があります。
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1日40グラム以上の加工肉の摂取が死亡リスクを上昇させる

2013-03-26 08:30:50 | 研究
ソーセージや他の加工肉を1日40グラム以上食べると、早期死亡リスクが高まるという研究結果が発表されたそうです(QLifePro)。研究は、フランス、イタリア、スペイン、英国、ドイツなど欧州10カ国、23施設に登録された健康な住民44万8568人(男性40~70歳、女性35~70歳)を、約平均13年にわたり追跡調査したもの。調査では、赤身肉と加工肉、白身肉の摂取量と死亡率について検討・比較した結果、ソーセージやサラミ、ハムなどの加工肉をたくさん摂取した人ほど、心血管疾患やがんによる死亡リスクが高くなることが判明したというものです。1日40グラム以上の加工肉を摂取する人は、1日20グラム未満を摂取する人よりも、死亡リスクが高まり、さらに加工肉では摂取量が1日50グラム増加するごとに死亡リスクが18%上がったそうです。今回の研究結果から、加工肉の摂取を1日20グラム以内にとどめると、死亡率を3.3%軽減できるとも。
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糖質制限は・・・・・

2013-03-25 08:30:36 | 研究
ご飯やパンなどの炭水化物を控えて糖質を制限する糖尿病の食事療法について、日本糖尿病学会は、「安全性などを担保するエビデンスが不足しており、現時点では勧められない」とする提言をまとめたそうです(47NEWS)。生活習慣が主な原因となる2型糖尿病では肥満の改善が重要です。そのためには「総エネルギー摂取量の制限を最優先とする」ということです。欧米での研究で注目された炭水化物の摂取制限の有効性については賛否が分かれ、今後の調査が必要とした。炭水化物の制限で短期的には体重が減っても、その後、血中の悪玉コレステロールが増加するなどとする報告があるからです。

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ボランティア活動は心だけでなく心臓にも良い

2013-03-24 08:30:48 | 研究
ボランティア活動は以前から心に良いとされてきましたが、心臓にも良い効果をもたらすとの研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、心臓病の兆候が初めて表れるのは青年期であるとの理由から、研究対象を若年層のボランティア活動者としたそうです。近所で放課後の小学生向けのボランティア活動に毎週1時間携わっているバンクーバー市内の高校生53人について、体格指数や炎症度、コレステロール値を測定。これを活動待機中である53人の測定結果と比較したそうです。10週間後、ボランティア活動に携わっている高校生の炎症度やコレステロール値、体格指数は、活動待機中の高校生を下回ったというものです。
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睡眠時間減らすと食事量が増える

2013-03-23 08:30:43 | 研究
好きなだけ菓子類などを食べることのできる環境で、1日5時間しか睡眠時間をとらずにいると、食事量が増えるとの研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。長時間起床していることでエネルギー消費量は増えるが、エネルギー消費量の増加分以上に摂取カロリー量が増えていたというもの。睡眠時間を減らすこと自体では体重が増えることはないそうですが、睡眠が不十分だと、人々は必要以上に食べる傾向があったということです。また男性は適切な睡眠時間をとった場合でも、好きなだけ食べることができる環境に置かれると体重が増えていたが、女性は「適切な」睡眠時間をとっている場合にはそのような環境に置かれても体重が増えなかったとも。
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細胞の注射でリウマチを予防

2013-03-22 08:30:50 | 研究
特殊な細胞を使った自己免疫疾患の新たな治療法で、マウスの関節リウマチを予防することができたそうです(MediEigo)。マウスに対して、自己免疫反応を起こして関節炎を発症させるタンパク質と免疫反応を制御する調節性T細胞と呼ばれる細胞を同時に注入したところ、発症するはずの関節リウマチがほぼ完全に予防されたというのです。また、関節リウマチを発症して何週間も経ったマウスに関節リウマチの治療薬メトトレキサートとの併用で調節性T細胞を注入すると、疾患の進行が顕著に遅くなったとも。調節性T細胞には不要になった免疫反応を停止する機能があり、自己免疫反応によって過剰に活性化した免疫細胞を認識して排除すると考えられるそうです。
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