地球の健全性を保証する生物多様性が現在、危機的なレベルにまで減少していることを示唆する研究論文がScienceに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。各国の科学者数百人による、世界1万8000以上の場所で採取された、生物3万9000種以上に関する計238万件の記録データを基に研究を行った。それぞれの土地における人の入植後の生態系の多様性について経時変化を推定するため、生物種の個体数変化を表す「生物多様性完全度指数(BII)」が用いられたそうです。BIIでは、一般的に安全と考えられる指数低下の限界値を最大10%としているそうです。これは、ある特定の生息地内における生物種の個体数が、人間による土地利用のない時点との比較で90%以上であれば安全圏にあるという意味だそうです。しかし、現在の地球上の生物多様性は、このしきい値を下回る84.6%になっているということです。
カモのひなは、さまざまな形や色の2個の物体の違いを学習できるとする研究結果が、Scienceに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。こうした能力を持つことがこれまで知られていたのは、類人猿、カラス、オウムだけだったそうです。この能力は「刷り込み(インプリンティング)」に関連しているのだそうです。実験では、卵からふ化した直後のカモのひなに、同じ物体、もしくは異なる物体をそれぞれ2個一組で見せたそうです。物体が円軌道を描いて移動すると、ひなはその後を追えるようになっていたそうで、見せた対象物への刷り込みをみることができる仕組み。物体の組み合わせは、同様の形の組の他、ピラミッド形と立方体などの異なる形の組となる場合もあったということです。こうして刷り込みをしたひなのグループに、2個同じか、または異なる物体の新たな組み合わせを見せると、全体の4分の3のひなが、最初に見たのと似た組み合わせの後を追ったというのです。また、最初に見たのが球形2個一組だったひなは、形が異なる物体の組み合わせより、立方体2個といった、別の形でも同じ物体2個の組み合わせの後を追う確率の方が高かったそうです。
更年期が早く始まる女性では、遅い女性に比べて老化の進行が早まる可能性があるとの研究論文がPNASに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。
http://www.afpbb.com/articles/-/3095227 [http://www.afpbb.com/articles/-/3095227&h=taqh8ed8kaqgctjcqqh6zv5t1nk-v99jyaeltrwocypadsq&enc=azm3op7vu4abk04ehcc05iuqcpn5fzletg7wz2rvkbuffm_fig3l7axdzqoflmi0kdtl2jfha8qxfobsmjivsffih8f2n6n3wxxiorlcupr5g8qyc9kwqsemmg9bk8f65k0yblukmjvvd72afp0ufvmdrjuxjgbdnkg_3shzfv8tb-btcj4hkg9h3rsvqkww7rfgzrbvly8mq7bgjb6vbcfr&s=1_green]
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2015年の日本人の平均寿命は男性が80.79歳(14年80.50歳)、女性が87.05歳(同86.83歳)。男性は4年連続、女性は3年連続で過去最高を更新し、女性は初めて87歳超え。女性は14年まで3年連続で長寿世界一だったが、香港(87.32歳)を下回り2位となった。男性は香港の81.24歳、アイスランドとスイスの81.0歳に続く4位だった(次々ドットコム)。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016072700638&g=soc
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life15/dl/life15-15.pdf
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http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life15/dl/life15-15.pdf
栄養状態の良い女性が妊娠中にマルチビタミンやミネラルのサプリメントを摂取するのは、女性本人やその胎児にとって有益であることを示す証拠はなく「無駄な出費」だとする論文が、Drug and Therapeutics Bulletinに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。これらのサプリメントは、健康上の問題を回避する手段として妊娠期間にかかわらず全ての妊婦を対象に販売されているそうで、購入すると1か月に18ユーロ(約2000円)程度かかるそうです。妊娠中の女性は、お金はかかるがこれを使えば赤ちゃんは最善の状態で人生のスタートを切ることができる、とうたう商品の格好の標的になっているそうです。妊婦が葉酸(ビタミンB群の一種)を毎日摂取したり、ビタミンDを補ったりすることが有益であることは知られているますが、それ以外の複数のビタミンを配合したサプリメントの効果は証明されていないそうです。ビタミンAを過剰に摂取すると、胎児の成長に悪影響を与える可能性があるなど、中には害を及ぼす可能性があるものもある。
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故から5年を経て、太平洋一帯の放射線レベルが急速に基準値まで低下しているとする報告書がAnnual Review of Marine Science発表されたそうです。事故から5年を経てまとめられた報告書では、日本沿岸から北米までの太平洋における放射性セシウム濃度を調査。福島原発から放出された放射性物質は米国本土にまで達していたと指摘。ただし、福島第1原発に関連した放射性物質の研究20件のデータを分析した結果、事故直後は通常時の数千万倍にも上昇した放射線レベルが、急減して基準値まで下がっていることが分かったそうです。例えば2011年には、福島沿岸水域で捕獲した魚の半数以上から危険なレベルの放射性物質が検出されたそうですが、2015年までに基準値を超える魚は急減し、1%未満となったそうです。ただし報告書は、福島第1原発近くの海底や港では依然として放射性レベルが高いことも指摘しているそうです。
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルなどの性的少数者は、心理的苦痛を経験したり、不健全な行動に走ったりする可能性が高いとする研究結果がJAMA Internal Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。今回の研究では、米国疾病対策センター(CDC)が毎年実施している国民健康調査(NHIS)の2013年と2014年の結果を分析したもので、この年のNHISには、性的指向に関する質問が初めて盛り込まれたそうです。これは性的少数者が、個人的、構造的な差別の両方を受けた結果として経験するマイノリティーストレスがその原因となっている可能性が高いと指摘しているようです。例えば、男性では、大量飲酒者の割合は、バイセクシュアル男性の10.9%に対し、異性愛者男性は5.7%、ゲイ男性は5.1%。大量喫煙者の割合についても、バイセクシュアル男性が9.3%と最も高く、ゲイ男性は6.2%、異性愛者男性は6%。女性の場合でも、アルコール大量消費者の割合も、バイセクシュアル女性が11.7%と最も高く、レズビアン女性は8.9%、異性愛者は4.8%。大量喫煙者の割合は、レズビアン女性が5.2%と最高で、次いでバイセクシュアル女性が4.2%、異性愛者は3.4%だったそうです。
献血するドナーが若かったり女性だったりする場合、輸血を受けた患者の予後が悪くなる可能性があるとする研究結果がJAMA Internal Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究は、カナダの3万人以上の輸血患者と、その血液を提供した8万人以上のドナーを対象に行われたもの。患者の平均年齢は66歳で、輸血を受けてから2~7年にわたって追跡調査を実施。研究結果によると、女性ドナーの赤血球を輸血された患者は、男性ドナーの赤血球を輸血された患者に比べ、何らかの原因による死亡リスクが8%高かったというもの。男女ともにドナーの年齢層で比較すると、17~20歳のドナーから輸血を受けた患者は、40~50歳のドナーの赤血球を輸血された患者よりも8%死亡のリスクが高かったそうです。つまり、ドナーの年齢と性別が患者の予後に影響する可能性があるということです。
新たな地図が作成されたという論文がNatureに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、さまざまな画像検査法を用いて成人210人の脳を検査。これらの得られたデータを組み合わせることで、詳細な情報を得たそうです。さらに、こうして作成した新たに開発したソフトウェアを、別の成人210人からなる新たなグループを対象に試験を実施した結果、個人差はあるものの、新グループの成人の脳でも、脳地図に示された部位を正確に特定できることが分かった。1909年、ドイツの神経学者Korbinian Brodmann氏は、細胞の種類がそれぞれ異なるという発見に基づいて大脳皮質を数十の領域に区分した「ブロードマンの脳地図」を作成。このブロードマンの脳地図は、現在でも使用されています。右脳と左脳にはこれまで、それぞれ83の部位があることが知られていましたが、今回発表された最新の脳地図により、この数は180にまで増加したということです。
バター、ラード、赤身肉などに含まれる飽和脂肪酸が、早死リスクを上昇させることを確認したとする、30年間に及ぶ研究結果がJAMA Internal Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。今回の研究における重要な発見の一つは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸をより多く摂取している人ほど、同量のカロリーを炭水化物から摂取している人に比べて、死亡率が高いということだそうです。また、バター、ラード、赤身肉に含まれる飽和脂肪酸を、オリーブオイルや菜種油、大豆油などの植物性食品の不飽和脂肪酸に置き換えることは「健康上の大きな恩恵」となり、「食事に関する勧告の中心的メッセージとして掲げ続けるべき」効果をもたらす可能性があることも明らかに。研究は、医療従事者を対象に2~4年ごとに最長で32年間にわたり実施した食事、生活スタイル、健康などに関するアンケート調査に基づくものだそうです。健康に及ぼす影響に関しては、半硬化油製品であるマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸が最も深刻だったそうです。今回の研究では、トランス脂肪酸の摂取量が2%増加することに、早死リスクが16%高まることと関連していることが明らかに。飽和脂肪酸については、摂取量が5%増加することに、死亡リスクが8%高まるという関連性も。一方で、不飽和脂肪酸の大量摂取については同量のカロリーを炭水化物から摂取するのに比べて、全体の死亡率を11~19%の範囲で低下させることに関連していたとも。ここでの不飽和脂肪酸には、魚油や大豆油、菜種油などに含まれるオメガ3やオメガ6などの多価不飽和脂肪酸も含まれているそうです。