2010年に負った刃物による外傷で、下半身が麻痺したポーランド人の患者が、損傷した脊柱への神経細胞移植手術により再び歩行できるようになったとする研究論文が、学術誌「Cell Transplantation」に掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この治療では、移植周辺部分での神経線維の回復を目的に鼻腔にある嗅神経鞘細胞(OEC)が使われそうですた。患者の嗅球の1つから採取・培養した神経細胞を脊髄に移植。損傷部分の上下に移植された細胞により損傷線維の再結合が可能となったと考えられるそうです。治療を通じて再び歩くことができるようになったのは、ポーランド人の40歳の男性。身体が不自由になってから2年間にわたって集中的に理学療法を受けたが、回復の兆しは一向に見られなかったそうです。しかし移植手術から3か月後、左の腿に筋肉がつき始め、さらにその3か月後には、平行棒と脚の補助装置を利用して第一歩を踏み出すことができるようになったそうです。そして、今では歩行器で屋外での歩行もできるようになったとも。まだ議論の余地はまだまだ残っているようですので、推移を見守る必要があるかもしれません。
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