成人の先天性心疾患で最も多いといわれているのが、二尖弁です。大動脈弁は通常3枚の羽根、3尖で構成されますが、それが二枚の羽根でできているのです。2尖しかないと、十分に収縮期に大動脈弁が開放されず、弁尖に収縮のたびに過剰な負担がかかるため、早期に硬化して大動脈弁狭窄症になりやすいといわれています。また大動脈弁逆流も起こりやすい為、通常より若い年齢で大動脈弁置換術を受ける頻度が高くなります。
まだ大動脈弁は左室と大動脈では、大動脈の組織の延長の性格が強い為、大動脈の疾患と関連することもあります。特に二尖弁の患者さんは、上行大動脈の拡大が起こりやすく、その場合、将来大動脈解離を発症しやすいと言われています。大動脈が4cm以上に拡大している場合は、大動脈の人工血管置換術を追加するのが一般的です。
大動脈弁は左心室と大動脈の間の逆流防止弁で、これが固くなってうまく開放できなくなると、大動脈の圧と、左心室の圧の間に収縮期の圧格差が出来、左室内圧が異常に高くなって、左室信金への負担が増えることが大動脈弁狭窄症の病態と言われています。
血圧=大動脈圧が例えば120mmHgの時に、圧格差が60mmHgあったとすると、左室内圧は120+60=180mmHgとなっている、ということになります。心筋への負担が増えることで、左心室の筋肉が肥大し、左室内腔が狭くなり(中心性肥大)、拡張障害も同時に起こります。心筋内圧が上昇すると、冠動脈から心筋内への血流も流れにくくなり、また心筋重量の増加とともに心筋細胞数も増加しているため、冠血流の需要が増加し、心筋細胞の虚血が起こりやすくなります。こうして心筋への負荷が増えることが持続的に起こり、左室の収縮不全に進行していきます。左室の収縮不全が起こる(左室駆出率が低下する)と、左室から大動脈へ血液を送り出す力も低下し、大動脈弁と左室の間の圧格差が末期には低下していくことになります。
心筋障害が進行した大動脈弁狭窄症は、心停止下の手術の時も、心筋保護液が心筋細胞に行き渡らない可能性が高くなり、また、冠血流再開後の心筋の回復も不十分になりやすくなります。術中に危険な不整脈が持続したり、人工心肺から離脱できなくなる低拍出症候群(LOS:Low Output Syndrome)になりやすくなります。すなわち、手術の危険性が増加するため、そこまで進行しないうちの手術な望まれます。
まだ大動脈弁は左室と大動脈では、大動脈の組織の延長の性格が強い為、大動脈の疾患と関連することもあります。特に二尖弁の患者さんは、上行大動脈の拡大が起こりやすく、その場合、将来大動脈解離を発症しやすいと言われています。大動脈が4cm以上に拡大している場合は、大動脈の人工血管置換術を追加するのが一般的です。
大動脈弁は左心室と大動脈の間の逆流防止弁で、これが固くなってうまく開放できなくなると、大動脈の圧と、左心室の圧の間に収縮期の圧格差が出来、左室内圧が異常に高くなって、左室信金への負担が増えることが大動脈弁狭窄症の病態と言われています。
血圧=大動脈圧が例えば120mmHgの時に、圧格差が60mmHgあったとすると、左室内圧は120+60=180mmHgとなっている、ということになります。心筋への負担が増えることで、左心室の筋肉が肥大し、左室内腔が狭くなり(中心性肥大)、拡張障害も同時に起こります。心筋内圧が上昇すると、冠動脈から心筋内への血流も流れにくくなり、また心筋重量の増加とともに心筋細胞数も増加しているため、冠血流の需要が増加し、心筋細胞の虚血が起こりやすくなります。こうして心筋への負荷が増えることが持続的に起こり、左室の収縮不全に進行していきます。左室の収縮不全が起こる(左室駆出率が低下する)と、左室から大動脈へ血液を送り出す力も低下し、大動脈弁と左室の間の圧格差が末期には低下していくことになります。
心筋障害が進行した大動脈弁狭窄症は、心停止下の手術の時も、心筋保護液が心筋細胞に行き渡らない可能性が高くなり、また、冠血流再開後の心筋の回復も不十分になりやすくなります。術中に危険な不整脈が持続したり、人工心肺から離脱できなくなる低拍出症候群(LOS:Low Output Syndrome)になりやすくなります。すなわち、手術の危険性が増加するため、そこまで進行しないうちの手術な望まれます。