2月17日 横須賀医師会で心不全パンデミック講演会が開催されます。主に医師会員向けのセミナーですが、そこでは、今、爆発的に増加している心不全患者さんを今後どうしていくか、を考えるための講演会です。循環器内科、小児心臓専門医、心臓血管外科等から心不全治療の最近の話題提供と今後の課題などについて情報提供し日常診療に役立てようという企画です。
心臓血管外科からは、心不全の最新の外科治療という内容でお話させていただきます。心臓血管外科の診療の約半数の手術は心不全に対する治療であり、大きな柱として、虚血性心疾患の外科治療(冠動脈バイパス術、左室形成術、心筋梗塞合併症手術)、弁膜症手術、あと数は少ないですが、先天性心疾患の手術治療があり、現在の問題および今後の課題として、外科治療では救うことが難しい難治性心不全に対してどう対処していくか、という問題があります。
虚血性心疾患の最新の外科治療として21世紀に入ってからは、日本では人工心肺を使用しないオフポンプCABGが主流となり、人工心肺を使用しない低侵襲さと、コスト削減により手術成績も含め大きく社会貢献してきたといえます。最新の手術方法として、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では、まだ国内では実施施設がきわめて少ない左小開胸の冠動脈バイパス術も実施しており、胸骨正中切開をしないので、縦隔炎のリスクが少なく、より早期の社会復帰が可能な方法を対象患者さんによっては採用しています。
また弁膜症の外科治療の中心は人工弁置換と自己弁温存した弁形成術です。特に僧帽弁形成術は弁置換に比較して長期の生存が有意に高いとも報告されており、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科でも基本的に僧帽弁逆流症にはほとんどの症例で弁形成術で対処しています。最新の方法として、右小開胸での僧帽弁形成術も実施しており、早期の社会復帰が可能となっています。
これからの課題として、難治性の心不全においては心臓移植しか治療法がないという患者様もたくさんいらっしゃいます。法改正によって移植数が増加していますが、それでも移植の申請数が圧倒的に上回っており、平均の移植待機期間が3年半から4年もかかると言われています。この間は、多くの患者様は補助人工心臓を装着して心不全管理しながら待つことになります。補助人工心臓は最近はすべて外国製のものが採用されるようになりましたが、成績が良好になったことから、心臓移植を前提としない装着、いわゆるDestination Therapy(DT)にも注目されるようになってきました。アメリカでは既に10年以上補助人工心臓を装着して生存している患者様もいて、保険の適応にもなっています。現在では年間1000例以上のDT導入患者がいるそうで、日本でも近々導入されていくと思われます。
心臓血管外科からは、心不全の最新の外科治療という内容でお話させていただきます。心臓血管外科の診療の約半数の手術は心不全に対する治療であり、大きな柱として、虚血性心疾患の外科治療(冠動脈バイパス術、左室形成術、心筋梗塞合併症手術)、弁膜症手術、あと数は少ないですが、先天性心疾患の手術治療があり、現在の問題および今後の課題として、外科治療では救うことが難しい難治性心不全に対してどう対処していくか、という問題があります。
虚血性心疾患の最新の外科治療として21世紀に入ってからは、日本では人工心肺を使用しないオフポンプCABGが主流となり、人工心肺を使用しない低侵襲さと、コスト削減により手術成績も含め大きく社会貢献してきたといえます。最新の手術方法として、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では、まだ国内では実施施設がきわめて少ない左小開胸の冠動脈バイパス術も実施しており、胸骨正中切開をしないので、縦隔炎のリスクが少なく、より早期の社会復帰が可能な方法を対象患者さんによっては採用しています。
また弁膜症の外科治療の中心は人工弁置換と自己弁温存した弁形成術です。特に僧帽弁形成術は弁置換に比較して長期の生存が有意に高いとも報告されており、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科でも基本的に僧帽弁逆流症にはほとんどの症例で弁形成術で対処しています。最新の方法として、右小開胸での僧帽弁形成術も実施しており、早期の社会復帰が可能となっています。
これからの課題として、難治性の心不全においては心臓移植しか治療法がないという患者様もたくさんいらっしゃいます。法改正によって移植数が増加していますが、それでも移植の申請数が圧倒的に上回っており、平均の移植待機期間が3年半から4年もかかると言われています。この間は、多くの患者様は補助人工心臓を装着して心不全管理しながら待つことになります。補助人工心臓は最近はすべて外国製のものが採用されるようになりましたが、成績が良好になったことから、心臓移植を前提としない装着、いわゆるDestination Therapy(DT)にも注目されるようになってきました。アメリカでは既に10年以上補助人工心臓を装着して生存している患者様もいて、保険の適応にもなっています。現在では年間1000例以上のDT導入患者がいるそうで、日本でも近々導入されていくと思われます。