新型コロナウィルスの重症患者さんは呼吸不全から多臓器不全に至る過程で、この時に発生するサイトカインストームが多臓器不全を助長して死亡に至らしめると考えられます。こうした状況を乗り切るには、その嵐の時期を乗り切る装備が必要で、その一つの究極形態がECMO(PCPS)です。呼吸循環不全に陥った状態で、人工心肺装置によって循環と呼吸を維持しながら嵐の過ぎ去るのをじっと待つ治療と言えます。心筋炎になっているのでなければ、呼吸の補助だけをするV-V ECMOで乗り切れる可能性が十分あり、他の重症呼吸不全の症例で横須賀市立うわまち病院集中治療部でも何例か救命した経験があります。おそらく新型コロナウィルス感染症COVID -19においても重症の呼吸不全の状態では、V-V ECMOで救命できる可能性が十分にあります。報道では、V-V ECMOでの救命率は50%と言われており、世界的に最も設備の整った日本だからこそ救える命があるということになります。ECMO装置は基本的に心臓血管外科のある施設では経験の蓄積があり、パンデミックの状況において貢献できる可能性があります。
現時点では指定感染症の指定施設での入院管理が基本ですが、万が一今後一般病床でも治療管理が必要になった場合は、指定施設ではない横須賀市立うわまち病院でもそうした治療を行う必要が出てくる可能性があります。
その場合は通常の診療はかなり抑制されることになります。それまでは、横須賀市立うわまち病院の使命としては、通常診療を維持するという役目があります。
現時点では指定感染症の指定施設での入院管理が基本ですが、万が一今後一般病床でも治療管理が必要になった場合は、指定施設ではない横須賀市立うわまち病院でもそうした治療を行う必要が出てくる可能性があります。
その場合は通常の診療はかなり抑制されることになります。それまでは、横須賀市立うわまち病院の使命としては、通常診療を維持するという役目があります。